テキトーを重視して─────────────
「ちょっと!なんで、鳥取に来ないのよ!」
そう言って病室に入って来たのは、生気を失ったようなじいちゃんだった。
「じいちゃんっ⁉」
俺は驚いて声を上げる。なんで、じいちゃんがユマ・ヌイみたいな声を・・・・・・?
「あぁ、コイツ、お前のじいさんか。」
じいちゃんは、、、いや、コイツ。じいちゃんじゃない。何かが、憑いてるのかもしれない。
俺は手を十字架にして
「悪霊退散!」
と叫んだ。悪霊は
「誰が悪霊じゃ!うちはれっきとした神や!」
といった。
「じゃあ誰だよ。」
普通に気になるんだが。悪霊(仮)は
「うちはユマ・ヌイやて言うてるやろうが!」
といった。
「えぇ、じゃあなんでじいちゃんの恰好してるの?」
と俺は疑問に思ったことを言う。悪霊(仮)・・・・・・じゃなくて、ユマ・ヌイが言う。
「えぇとはなんじゃ!えぇとは!」
誤魔化すなよ。俺は冷たい視線を向ける。
「あぁもう!説明するには時間がかかるの!今じゃなくてよかろう!」
とユマ・ヌイ。俺はイライラとしながら言った。
「さっきから何様気取りだよ!」
八つ当たりに近いんじゃね?でも、そういう態度だったから仕方ない。
「あぁっ?うちは神様じゃ!」
そう言えばコイツ、神だったな、、、性格は紙だけど。
「えぇ、、、」
すかさず言った。とある神様は言う。
「ああもうっ!性格悪すぎだろ、お前!」
俺は煽るようにベ~っとベロを出していった。
「問答無用で人を殴るやつに言われたくありませ~ん!」
神様は
「それはお前が悪いんだろ!」
といった。ていうか神はお前呼ばわりしないだろ、普通。
いつからこの神様と仲悪くなったんだろ~、よく殴り合いするようになったからかな?
「あの、、、」
遠慮がちに桃李さんが手を上げる。俺はむしゃくしゃしながら
「何?」
といった。桃李さんは
「後ろ、、、」
といった。なんだよ、ちゃんと喋れよ!
「あっ、」
後ろには、看護師が立っていた。気まずそう。