テキトーを重視して─────────────

昴のモテたい大作戦!

むかーしむかし、あるところに、全くモテない顔面偏差値-無限の癖にモテたい男、昴が居ました。


よっ、俺は昴。世界一モテるのが夢な、しがない高校3年生さっ✫
趣味は女の子と遊ぶことで……って無理無理無理無理無理無理。
なに、世界一モテるって。
俺キモ過ぎる。
「元からだよ!」
横ににょきッと生えて来た顔をグーで殴ろうとするが、かわされ、反撃のアッパーパンチが俺の顎にクリーンヒットする。
「いっつう……」
顎をさすりながら俺は言った。
俺を殴ったのはユマ・ヌイという、作者の代弁用に創られた自称神だ。
そして、メタ発言をすると殴ってくる、とても暴力的な自称神である。
「なにすんだよユマ・ヌイ!」
「うっさい虫けら野郎が。今お前に対しての蕁麻疹がしてるんだ、早く失せてくれ、じゃなければ殴る。10秒以内にどっかいけ」
いつもよりも冷たい声、汚い言葉遣い。
ユマはよほど、さっきの発言にムカついているのだろう。
「おりゃぁぁっ!」
ユマは殴り掛かって来た。
「うぎゃぁぁぁぁ、まだ3秒しか経ってねえよ~!」
俺はユマの左アッパー右アッパー、そしてキック攻撃というコンボ技を受けながら講義する。
「うっさい早くどっかいけぇぇ!」
人を害虫のように言うユマは、俺の腹にストレートパンチを繰り出す。
俺はぶっ飛ばされた。
「バイバイ、菌」
そうユマがつぶやいたのは、俺が星になってからのことだった。

おしまい✫


こうして、世界を蝕む昴菌の首謀者、昴は事切れたとさ。
めでたしめでたし。






















昴「で、終わるわけないだろーーーーーーーーーーーーーー!まだある!」
なるほどなるほど、これは序章にしか過ぎない、と?
中二病な言葉遣いですね、昴の中二病加減には感服しますわ。
昴「馬鹿にすんなよ!」
じゃ、続き行きまーす。


俺は昴。
高2を2回留年しただけの、しがない高校3年生。
俺は今、前と同じように、……してる。
え、聞こえなかった?
おじいちゃんの宿のお手伝いをしてる。
おじいちゃんは一回倒れたこともあるが、今は111歳の白髪1つ無い元気ピンピンだ。
じゃあなんでかって?
ユマに飛ばされた後、落っこちた俺。
なんとそこはおじいちゃんちで、落ちた所の屋根を突き破ってしまったのだ。
幸い、おじいちゃんはお金持ちだからすぐ直せたのだが……。
「ぶぁっかもーん!借金は自分で返せ!孫だからというても容赦せんわい!わしの宿で働かせてやるからキッチリ耳揃えて返せよ!」
と、ヤクザのようなことを言われまして。


「よっ、昴。元気してるかー?」
その声でふっと、現実に戻って帰させられる。
って、この声は……。
「寸也斗⁉」
なんでここに⁉
「いやー、借金してるって聞いたからさぁ。昴、困ってるだろうなぁって、そうと決まれば、いっぱい泊まって稼ぎ所になってやろうと思ったんだ」
ずらりと、寸也斗の後ろから色んな女の子が出てくる。
「ねぇ寸也斗くぅん、このボロ屋に泊まれば、連絡先交換してくれるってほぉんとぉう?」
甘えるような声を出す女の子。
これ、ただの寸也斗のファンじゃねーか。
「うんうん、ホントだからちゃんと泊まろーね」
女の子に対してそう言うと、俺に向き合う。
「部屋あるだけ借りるわ。何部屋開いてる?」
「え、あ、79部屋ぐらい、、?」
「じゃあ60部屋夜だけご飯付きでお願いしまーす」
寸也斗はそう言うと、チェックインを済ませ、出て行った。
「え、待って、60部屋ってさぁ……」

俺はこの後、60人分のご飯と布団を敷くことになったのだった。
そして、寸也斗に対して敬語を使うこととなったのだった。

終わり


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