メリーさん

↑前回

プルルルルルルル


メリーさん

・昔捨てられた人形
・今は電話に出た相手を呪うのを専門としている
・拾ってもらえるのを待っている


””ねぇ、知ってる?メリーさんの怪談””
友達から、そんな話を聞いた。
””メリーさんはね、昔、女の子に捨てられたんだけど、今もその子に電話を掛けていて、電話に出た子を呪うんだって。一途だよねー””
ふうん。興味がない話だった。
””でもね、対処方法があってね…””

主人公

斗環

・不運にも電話に出てしまった少年
・人形は一つも家に持っていない
・女の子と間違えられやすい

6

俺は斗環とわ。公衆電話にかかって来た謎の電話に出てしまい、メリーさんから逃げている状況だ。

「なぁなぁ見てや!雲やで雲!」

隣ではしゃいでいるのは藍。
俺がメリーさんから逃げるのに助けてくれた、一応恩人だ。
長い黒髪に、関西弁が特徴的で、ちょっとおかしな人。

「雲って食べれのかな?なぁなぁ、食べれる?どう思う?」

こちらに話を振ってくる藍。

「雲は食べれないだろ」

藍はしょんぼりとするが、すぐに活気を取り戻して景色を見始めた。

俺は話し相手もいないし、景色が見れる窓側の席は藍が占領しているため、体を休めることにした。

7

__

なんで 電話に出てくれないの

あたし 北海道に来たんだよ

電話 出てよ

早く 捕まエタイ


””メリーさんの対処法。それはね、電話に出る前に__るんだ””
””それってさ、__じゃなかったら””
””そうだね。その時はその時だよ。まぁ、ないだろうけど””

乾いた笑いを漏らす友達。笑う。笑う。笑う。
釣られ笑いをこぼす。笑う。笑う。笑う。

笑う理由もわかんなくなるぐらい、笑う。

現在地:空の上
メリーさん:北海道

8

「__。斗環」

体を揺らされ、目が覚める。

「ついたよ」

ってなわけで、俺は大阪の地に下りたった。
初大阪がこんな形で行われるとは。。。
でもまぁ、記念写真ぐらいは取るかぁ。
スマホを取り出した時だ。

「いやー、さすがうちの故郷や。匂いも人も完璧すぎるわぁ~」

藍は訳の分からないことをつぶやいて、俺のスマホを取ったのだ。

「は?おい!」

「ごめんごめんって。メリーさんからの連絡来てへんかなーって確認やん。そんな怒らんといておこらないで~」

悪びれもなく藍は笑ってスマホをいじる。

「うげっ、ロックかかって……てもわかるわ。電話の量えぐいなぁ。マナーモードでも気づかんのかいな。さすがに鈍感すぎるって」

「は?」

俺は藍からスマホを取り返す。
信じれないほどの通知の量が俺の目に飛び込んできた。
思わずスマホの充電を切ったとき、

プルルルルルルル

とケータイが震え出した。
それに合わせて音楽が流れ出す。
俺が切ろうとすると、隣から藍が俺のケータイを取り、電話に出た。

「もしもし〜?メリーさんやんなぁ?」

””わたし メリーさん 今 愛知にいるの””

「ふーん。そうやって自分の居場所だけ伝えるんや」

””……””

電話が切れてしまう。

「シカトかよ。ってか、こんなんずっと続けたって大変なだけやん。対処法とかないん?」

藍はクルッとこちらを向き、スマホを投げて渡してきた。
突然のことで、俺はケータイをキャッチしそこねたが、手をパンパン叩くと、なんとかケータイがすっぽり収まった。
これで、二回目だ。
藍にケータイを取られて、メリーさんの電話に出たのは。

「対処法、かぁ……」

在ればいいのだが、あいにく俺はその方法を知らな……。
本当に?
本当に、俺は知らないのか?

「知らんか。教えて欲しい?」

「えっ、藍、知ってんのか⁉」

俺が前のめりになると、藍は俺から距離を取るように数歩下がる。

「知ってるもなんもあらへんわ。うち、そういうの大好物やし。
けど、そうか……。あんた知らんか」

「なな、肝心の対処法は?」

「対処法はメンケアするだけやで」

は?
メンケア?
メリーさんのメンケア?

「うちも手伝ったるから元気だしいな。あ、メンケアの意味わからんかったん?メンケアっていうんはメンタルケアの略で、ん-まぁそんな感じ?」

いや、メンケアの意味はわかってるけど。
なんでメンケア?

「え、だってメリーさんは捨てられて辛くてそれが何時しか怨念になってた……って言う奴やろ?
やから辛い時話聞いてもらいたいやん、やから。
それに、これでメリーさんが成仏したらメリーさんに悩む人おらんくなるやん。
じゃ、斗環。メリーさんを迎え撃つで!
えい、えい、おー!」

藍は拳を突き上げた。
俺もゆるく拳を突き上げ、

「えいえいおー」

とやる気のない声を漏らした。
藍はなにか言いたそうだったが、なにも言わなかったから大丈夫だろう。

9

__

ねェ いつになっタら オイつくのかな

はやく はやく はやく

速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く はやく 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く 速く ハヤく はやく はヤく はやク ハやく ハヤく ハやク はヤク ハヤク ハヤク

ハヤク

……イカナクチャ

終わり

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