テキトーを重視して─────────────
※二次創作です。本家ではありません。本物語では、昴をいじりながら楽しむという平和回となっております。
血は噴き出しません。
俺は昴。
高2を二回留年しただけのただの主人公だ。
今度こそ卒業するため、資料集を本屋に買いに来たのだが、本屋が開いていなく、仕方なく商店街を歩いている。
商店街を出ると、公園があるため、公園のベンチに座った。
ブランコを漕ぐ子供達を見ながら黄昏ていると、目の前に影ができた。
「よっ、昴。そこの高級料理店にフィナンシェ食いにいこーぜー!」
……。思わず俺は立ち上がり、そいつ───寸也斗と目線を合わせた。
黄緑の髪に特徴的な双葉。ついさっきまで寝ていたと分かる寝癖の量。後ろに控えている高級車……。
改めまして、こいつは寸也斗、超・金持ちの家の子で、寝るのが大好きな俺の友達だ。
「俺そんなお金ねーよ、誰でもお前みたいな金持ちだと思うな!」
俺は言い返した。
「そうか、じゃあ残念だ、一人で行ってくるよ」
奢るとかしてくれない、よなぁ。残念だ。
「ちょっと待った~!」
紫の髪が俺の目に入りそうになり、その子を寸也斗の方に押し出す。
俺と寸也斗の間に割って入って来たのはマイラ。こいつも寸也斗には及ばないがお金持ちで、メンヘラである。
なぜかはわからないが、俺の事が好きだ。
「うわっ、アホ!」
嫌がる寸也斗の声がした。
「だーれ・が・アホですって~?!」
マイラは前会った時よりも迫力が増していた。
俺が怒られたわけではないのに、すくんでしまう。
「はぁ?お前に決まってんだろ!」
「元婚約者に向かってそんな失礼なこと言うのね!?」
「は?政略結婚だから関係ないだろ!」
「このバーカ!バカバーカ!」
小学生の喧嘩みたいだが、内容が内容で。
重い。
「おい2人とも!喧嘩はやめろ!」
俺は今にも取っ組み合いを始めそうな2人を引き剥がした。
2人が反抗しようと俺を見た途端。
「そうよそうよ、公共の場で!恥ずかしい」
声が聞こえた。
……誰だ?
「私よ、私」
詐欺師かっ⁈
俺は構えた。
「って、姉さん⁉」
寸也斗が驚く。
私さん……。寸也斗の姉であり、マイラの親友である。圧をかけるのが得意で、驚くほどのブラコンだ。
また、桃李さんという寒がりなTHE・王子みたいなイケメン男子の彼女である。
あ、もう結婚したんだった。
嫁である。
「それに、義兄さん?」
寸也斗は続けた。
私さんの横には、桃李さんもいた。
桃李さんは怪しい服屋をしているらしい。詳しくは怖くて聞けていないが。
「とにかく、蚊帳の外から見ていてもあんたら恥ずかしいの!他人の振りしたいくらい!」
私さん、俺もそれに同感ですー。
そう言おうとしたが、睨まれる。
「昴君も!ちゃんと止めなさいよ!……まさか『二人とも!俺のために争わないで!』とでも言いたかったの?」
圧をかけられ、すくみあがる俺。
「へ・ん・じ・は?」
「ヒィィッはい……」
俺はか細い声で鳴くように答え、俯いた。
そんな圧は気にせずに立ち上がったのは、
「そんなことより、フィナンシェ奢ったるからさぁ、みんなで行かねえ?」
空気を読まない寸也斗だった。
「行く!」
俺はすかさずその一言に乗り、周りを見る。
「私も行く!わーちゃんも行く?」
マイラはそう言って私さんを見た。私さんは小さく頷き、桃李さんの腕を取る。
俺たちはおててつないでらんらん♪といった形で歩き出す。
公園の向かいにあるので、俺たちは慎重に横を確認して道路に飛び出した。
「__危ない!」
耳元にキーンと声が聞こえ、俺は道路のど真ん中というのに立ち止まる。
だが、周りのやつらは聞こえなかったみたいで、一足先に出ていた。
隣にはトラック。
あっ、俺死ぬのかな……
次回!念願の(?)昴死亡!お楽しみに!
終わり
だと思いましたかぁ?
記事分けるのめんどくさすぎて次回もここに書いちゃったっ
というわけで続き、どうぞ~
次回
「すばる!」「すばるにい!」
寸也斗とマイラが俺に覆いかぶさる。
「寸也斗!」
私さんもその上に覆いかぶさった。
「わーちゃん!」
桃李さんはトラックの目の前に立った。
結果的にだが、キキーっと、トラックは止まった。
「よかったぁ……」
俺がふっと声を漏らすと、
「ww」
マイラから笑われる。
間抜けな声を出したからだと思うが、ムカつく。
プクーッと頬を膨らす俺。
だが、その様子すらおかしかったのか、マイラの笑いを加速させた。
それにつられて、みんな笑い出す。
そして、それはフィナンシェの店に着くまで続いたのだった。
めでたしめでたし
昴「……って、俺だけフィナンシェ生焼きかよ!不運すぎだろ?!」