双子のルアとミア ~コラボ後編~
ルアとミア(ルア視点)
私、ルア。
「ルアー!」
こっちは私の双子の姉、ミア。
「どうしたの?」
私が聞くと、ミアは
「聞いてよー。お母さんが散歩して来いっていうんだよー。」
と言った。
「一緒に来てー。」
「うん!」
私はうなずいた。
散歩(ミア視点)
「よし、じゃあ最初は近くのコンビニにでも行こうか、ルア。」
と私は言った。
「オーケー、ミア。」
そして、近くのコンビニに着いたのだが。
「あれ?ルアが居ない!」
ルアがついてきていなかった。私は青ざめた。
(どうしよう。ルアがついてきてない。ルアって勉強は出来るのに方向音痴なんだよね。それを知ってたのに、先々行っちゃったからだ。隣で歩いたらよかった。)
どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。私はテンパってどうしようと何度も言った。そしたら、最近私の隣のクラスに転校してきたクラスメート、ハルカちゃんが
「ルアー。」
と言ってきた。私は驚いたけど、
「わあっ。私はミアだよ。」
と言った。
「あ、ミアちゃんだったの?ごめんね。どうしたの?」
「かくかくしかじかで。」
私はつっかえながらも説明した。
「そうなんだ。大変だね。探すの、手伝おうか?」
「ありがとう。じゃあ、お願いしてもいいかな。」
ということで、ルアを探すのを手伝ってもらえることになった。
「あ、カイも近くに居るから、手伝ってもらおうよ。」
え、カイ君?
「カイー!!」
ハルカちゃんって意外と声、大きいんだな。
「何だ?」
ほ、本当にカイ君が居た。カイ君は私とクラスが違うんだよね。その代わり、ルアが一緒だけど。
「あの、かくかくしかじかで。」
とハルカちゃんが私がハルカちゃんに言ったみたいに説明した。
「そうか・・・・・・。悪いが、この後予定があるんだ。」
「どうせしょうもないんでしょ。」
ハルカちゃんとカイ君、もしかして・・・・・・出来てる?
「ハルカちゃんとカイ君ってもしかして付き合ってる?」
私がそう聞くと、
「いやいや、そんなわけないない。」
とハルカちゃんが全力で否定する。カイ君も、それに重ねて
「いやいや、そんなことあったらハルカがカミラに・・・・・・。」
といった。カミラ?そんな人、居たような居なかったような・・・・・・。
「そっか。ごめんね。問い詰めるようなことしちゃって。」
私は謝った。
「はっ、それよりルア!」
私はいった。ハルカちゃんは
「ホントだ、バイバイカイ!」
と言って私の手を握り、近くの公園まで走っていった。
迷子(ルア視点)
あちゃー、またやっちゃった。迷子になっちゃった。
なんでかわかんないけど、学校に行くのにもミアが一緒じゃなきゃいけないのよねー。
・・・・・・ていうか今何時だろう。だんだん不安になって来た。
少し歩くと、人通りが絶えないところに出て来た。親子が通ったりすると、心細くなってくる。
私、このまま誰にも会えないのかな。
私は道の端に突っ立って思った。
「あれ?もしかしてミア?」
ミアって人気なんだな、私の名前より先にミアを皆呼ぶし。
くだらない嫉妬をしながら振り向くと、その男子は言った。
「あ、ルアか。間違えちゃってごめんね」
学校で私達を見分けられるのは指より少ない。それで、男の子は二人。私は男の子の顔をまじまじと見つめた。そして安堵のため息をついた。
セイだった。私を呼んだのは。セイは私の片想い中の相手。
「おっ、おいルア、大丈夫か?」
と焦ったようにセイ。私は
「大丈夫」
と静かに答えた。セイは聞いてきた。
「もしかして迷子?」
図星を突かれた私は頷く事しかできない。
「そうか。連れて行ってもいいか?」
とセイ。連れて行ってあげるじゃなくて、連れて行ってもいいかって聞いてくれるところ、優しくて好きだな。負担じゃないよって言ってくれてるみたいで。
「お願いします」
私は深々と頭を下げた。
近くのコンビニまで来ると、さすがの私でも家路が分かった。
「ありがとね、セイ。ここまでくれば大丈夫だよ」
そう言って私はセイに別れを告げようとした。セイは
「いや、せっかくここまで来たし。家まで送り届けるよ」
といった。私は
「そんなの悪いよ、ここまで連れてきてくれた、それだけでも感謝なのに」
と断った。でもセイは
「いや、ここまで連れて来たんだ、ちょっとくらいカッコつけさせてくれよ」
と言った。ちょっとどういう意味か分かんないけど、厚意に甘えさせてもらいたいな。
「じゃ、、お願いします」
本日二度目、私は頭を深々と下げた。
歩き出すと、セイが言った。
「そもそも、なんで迷子になってたんだ?」
「え、っとそれは・・・・・・色々ありまして。。。」
私はしどろもどろに説明した。
ある程度説明できた頃、交差点に到着した。私は
「この辺が家だからもう大丈夫、送ってくれてありがとう」
と言って別れようとした。セイは
「……おれもこの辺」
とボソッと言った。
「あ、そうなんだ!」
今度お礼に何かあげる時に役立ちそう。
そう思っていたら、赤信号が青に変わった。
「じゃ、また明日、学校で!」
そう言って信号を渡ろうとすると、腕を引かれた。私は元居た位置に戻った。
””ブイ~ン!””
横から曲がって来た車が私の目の前を通った。
「危なっかしいな、やっぱり最後まで送るわ。」
今度は、手を繋いでることに違和感を感じないセイと、真っ赤な顔をした私で一緒に信号を渡った。
「今日はほんっとにありがとね!」
信号がもっと続いて欲しかった。もっと家が遠かったらよかった。そう思えた。
「ああ、じゃあな」
そう言ってセイは去っていった。私はセイが見えなくなるまで手を振った。
「・・・・・・で」
私は後ろを向いた。ミアはギクッとした。
「バレてるよ、ミア」
ミアは私達の後をつけて来ていたのだ。
「バレちゃったか~」
悪びれなくミアは登場した。
夜ご飯(ミア視点)
「バレちゃったか~」
私はルアをつけていた。バレてるとは思ってなかったけど。
見つけた時、ルアの片想い相手といたからさ、応援したくて声を掛けなかったんだけど、、、余計なお世話だったかな?
ちなみにハルカちゃんとはルアを見つけた時に解散したよ。
「バレてるよ」
ルアは私を見た。私はフフッと笑って
「じゃ、家に入ろ」
といった。
「あ~!!」
家に着いた途端、ルアが悲鳴らしきものを上げた。ルアは買い物袋をゴソゴソと探った。
「カレーの材料、無い。。。」
え。家にないカレーの材料って確か、、、
「あ、ルアミアおかえり~!カレールー、買ってきてくれた?」
やっぱり~!ルアは正直にカレールーを買ってきてないことを説明した。母さんは怒らず、
「じゃあ今日は肉じゃがね」
といった。
えぇ、カレー楽しみにしてたのに~!!!!!!!!!!
end