テキトーを、重視して───────────
でも死ぬにしても、痛いのは嫌だな。
「なぁ寸也斗」
俺は隣に居る寸也斗に聞いた。
寸也斗は
「苦しくない死に方?包丁で一突きに・・・・・・とか?」
と少しも動揺せずに言った。
(え、止めないんだ)
少し傷つく。
「まぁ俺、こういうの専門じゃないし。マイラか、桃李さん辺りにでも聞いたら?」
な、なら寸也斗はなんの専門なんだ?
そもそもマイラと桃李さんってそ、そう言う殺し……いやなんでもないです。
2人が怖いわ。
寸也斗はケータイを握り、誰かと電話を始めた。
その隙に俺はそろりそろりと、逃げ出した。
「アッ昴が逃げた!」
そんな寸也斗の叫びも、50m走元クラスで1位の俺には届かなかった。
__届かなかった、はずだった。
目の前にピンク髪の人が現れ、俺が避ける間もなくツッコんでいく。
その人は俺をチョンッと触った。その拍子に俺は、理解も追いつかない内に吹っ飛ばされた。
「あ、昴君大丈夫?」
その相手は桃李さん。いまいちよくわかんない変な人だ。
と、俺の腕はガッチリと掴まれた。
「捕まえた!」
寸也斗だ。
俺が桃李さんに手間取っている内に追いついたのだ。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
ショックである。
「やっほー昴に~!」
あ、マイラの到着だ。
紫髪で、目立つツインテールの女の子。
なぜか俺の事が好きなメンヘラだ。
「バカ」
さっきのテンションとは打って変わって、隠せない真っ黒なオーラが出ている。
「楽に死にたいんだってね!コースたくさん用意したから!」
マイラは俺にずいっと紙を出した後、ふふっと笑った。
そこまで目を通した後、俺はげんなりとする。
なんだこいつ、全部楽じゃなさそうじゃん。
「そりゃあね、意識が遠のっている間も、最後まで頭の中で私の事考えて欲しいからね」
変な所でメンヘラ発動してんじゃねえよ!