病人の家族を担いで避難できるのか
「みんなで前に進もう」の続きになります。
このお話は、義実家の人達から聞いた話が元になっています。義実家のご近所に高齢のご夫婦が二人で住んでいて、おじいさんの方は身体が不自由で動けない。結局おばあさんは避難することを拒否して、そのまま家ごと津波に呑み込まれてしまったそうです。
私事ですが、先日同居する家族が41度越えの高熱を出し、全然起き上がれず意識も朦朧とした状態に陥りました。こうなるとただの重い物体。私一人では1m離れたベッドにさえ移動させることができませんでした。(もちろん介護のプロの人なら、こういう時の移動のコツを熟知しているのかもしれませんが。)
この時、義実家のご近所の方の話が脳裏に浮かびました。自分が同じ立場になったら、もしかしたらおばあさんと同じ判断をするかもしれないと。
高齢化の進む日本、二人世帯で老々介護する人たちが増える可能性が高まっています。大雨などのようにある程度予測が出来る場合なら「早めの避難」を呼びかけることもできるでしょう。しかし地震は今の技術では予測できません。当然、津波も。
津波浸水想定区域に住んでいらっしゃる方々に身体が不自由な家族がいらっしゃった場合、大津波警報が発令されても果たして連れて避難できるのか。車があればまだしも、もしなかったら。また車があったとしても車まで運べるのか。
先にも書いたとおり人間一人を運ぶのは容易なことではありません。グズグズしていたら助かるはずだった他の人まで巻き添えにしてしまうかもしれません。高齢化と人口減少の日本において、いずれこのことは無視できない問題になるのではと思います。