ベトナム人が日本語の発音を間違える原因
日本人が初めてベトナム語を勉強するときに発音をカタカナに直すのはよくあることだと思いますが、ベトナム人も勉強したての頃、日本語の発音をベトナム語に直して発音している人もいます。
以前、ベトナムで日本語の初級学習者の会話授業を教えたとき、ノートにクォックグーで日本語の発音を書いている人がいました。
この例は私が書いたものなのでネイティブのベトナム人が書いたものではないですが、このような感じで日本語の発音はある程度ベトナム語に直すことができます。
しかし、これがベトナム人の日本語の発音をよりベトナム人らしくしてしまう原因でもあります。
日本で日本語を話すベトナム人と関わっている方がいればわかりますが、彼らの日本語は非常に特徴的な発音をしています。
・「~ます」の「す」を言わない。
ベトナム人の発音で一番気になるところはここだと思います。
彼らは「いきます」、「たべます」を「いきまっ」、「たべまっ」と「す」の発音をしません。これは。「ます」の発音を「Mất」に置き換えているのが原因です。
なら「Mâ Su」にすればいいと思う方もいると思いますが、それだと「まーすー」となってしまって余計に日本語の発音から遠ざかってしまいます。
やはりベトナム語の発音で一番「ます」に近いのは「Mất 」だと思います。
・「つ」が言えない。
これも多くの日本人が気になるところです。
これは「つ」の発音を「Chư」に置き換えているのが原因です。
ベトナム語の発音には「つ」の発音がなく、一番「つ」に近い発音が「Chư」なので、それで代用しているからです。
ベトナム人にとっては「つ」が「ちゅ」と聞こえているわけではなく、聞きとれているのですがその発音ができないというもどかしさを抱えています。
・南部人と北部人で苦手なものが違う。
ベトナムの発音をちょっとかじっている人は「 Môt Tô Duc Cu li 」という発音が「もっ と ずっ く り」になると思ったかもしれません。
これは北部の標準語だと「D」の発音が「ざ行」になるからです。
全員がそうだとは言えないですが、北部の人は日本語の「や行」の発音を「ざ行」に変わってしまう人が多いと思います。
逆に南部弁を話す人にとっては「ざ行」が「や行」になる人が多いです。
このため、日本語で会話しているとこの人が南部か北部かわかるときがあります。