「尊重しあう二人」のドラマ
こんにちは、柚希泰夢です。平凡な大学生をやっています。
今回はYouTubeドラマ『主人公』の登場人物の中で、原純太と濱口大介についてです。前回のnote(大介&勇次郎編 https://note.com/yuzuki_taem/n/n82cd10a0a5b4 )の文字数がエグかったので今回は簡潔に纏まるよう努力します(笑)例の如くネタバレと個人的な解釈を多分に含みます、ご了承下さい(『主人公』の紹介はこちら→ https://note.com/yuzuki_taem/n/na65bfa97bdf2 )
ぴったりはまる二人
やっと登場しました、主人公の純太。物腰柔らかな喋り方と大人しい性格、ザ・癒し系ですが瞳は意志が強そう。大介も雰囲気は柔らかいですが考えの深い一面があると思うので、そのあたりはよく似ていると思います。類は友を呼ぶと言いますが、ドラマの前半まではそうして仲良くなったのかなと思っていました。
ナチュラルな雰囲気の服装も似ていますし、線の細い背格好や見た目も並ぶと丁度良い。ちなみに大介の服装は時間が経つにつれて(池田)勇次郎に寄っていってるような…段々と色味がはっきりしているような…気も……腐女子フィルターですね、すみません。
ただ、話が進むにつれこの二人が一緒にいるのはそんな単純な理由からではないなと強く感じました。よく見ると性格はあまり似ていませんし、何よりこの二人は、自分とは異なるお互いをとても尊重しているように見えるんです。
大介のフラットさ
重たいシーンが多いので見逃しがちですが、大介は基本的にノリが軽いです。元遊び人が垣間見える時もあります。でもただ単に軽いわけじゃない。
人の感情に共感し過ぎてしまう純太は、元々他人と密に関わるのは向いていないと思います。それでも大介が彼と仲良く出来るのは、大介は他人に対する感情が穏やかで、自分に対する感情が冷静だからだと思うんです。
大介は基本的に、他人の考えに踏み込みません。芽衣ちゃん(平沼芽衣)と岸くん(岸拓巳)と三人で就活について話している時、岸くんが茜ちゃん(芦田茜)への愚痴を溢しますが、それについて返した言葉は「香港かな」ぐらいのものでした。一話のラストや公園デートで勇次郎が大介に自分の思いを話す時も大介の表情はあまり変化がありませんし、勇次郎の話に肯定も否定もしません。
また、勇次郎が自分の話をするのが苦手と言っていましたが、大介もあまり自分の話を進んでしない印象があります。人の話をききながら思考のベクトルはずっと彼自身に向かっているような気がするんです。だからといって他人に無関心だとは思いませんが、常に自分を知ろうとしていて、だから自分を受け入れようと苦労するのではないかなと。そしてそんな彼は、他人に干渉し過ぎない。
純太の妹は純太のことを「人のエネルギー貰っちゃう人間」と表現していますが、大介は「優しいんだよ純太は」で纏められちゃいます。それ以上踏み込みません。彼は純太を一番、自分と同じ普通の人間として扱っていて、それが純太が彼の隣にいる理由の一つだろうと思います。
純太の距離感
純太は共感性が高く、他人のことを他人事として割り切れない部分があります。でも踏み込んで良いラインがきちんと見えている人だと思いますし、特に大介には自分から踏み込みませんよね。
大介がありさちゃん(安倍亜里沙)に勇次郎といたところを見たと言われた時やゼミでの話し合い中に勇次郎が声をかけてきた時、純太は明らかに大介から何かを感じ取っていますが深追いしません。大介が自分は同性が好きであることを話そうとした時も、話したくないことは話さなくて良いと言います。自分を知ろうとする大介はその過程で他人が入り込んできたら抵抗を感じるでしょうし、純太の線引きは有難いものだったと思います。
純太の言った通り、大介は奔放に振る舞っているけど沢山悩んでいました。勇次郎の言った通り、純太は彼のそばにいただけでした。でもそれが大介にとって丁度良い距離だったのだと思います。一番の支えだった。純太から見てもそうだったと思います。残念だが勇次郎、多分そのポジションは代われない。
これは余談ですが、純太は昔の大介の遊び人加減を「大介モテるからね」で纏めていました。でも本当にそれで纏められるレベルだったんでしょうか…「馬鹿みたいに女の子と寝ました」とか言ってましたけど(笑)大介の告白に純太が軽蔑しないと返したのは良かったね大介!って感じなのですが、経緯については…?(笑)女遊びは個人の自由ですが…大介の言う通り、純太は優しすぎるんでしょうね。
尊重という支え、お互いの存在
作品中で純太は"自分を変えるきっかけ"を他の人に与えています。分かりやすいのが芽衣ちゃんや宇野くん(宇野亘)への言葉ですね。そうやって他の人の思いを感じ取っていくにつれ、純太も少しずつ成長していきます。その中で大介は、最後の一歩を踏み出すきっかけをくれる存在だったと思います。具体的に言うならば、純太が彼のお母さんと話すことを決めた直接的な出来事は大介の告白でした。
「自分が向き合わなきゃいけないことから目を背けてる」、「大介はすごいよ、俺も変わらなきゃ」…純太にとって「やっぱ大介はかっこいい」存在。お互いの選択を尊重しあえる存在。二人とも元々そういう人です。話しに行った後はお母さんに自分から積極的に関わろうとはしないし、勇次郎の価値観を肯定も否定もしません。
最終話のゼミで、大介は純太の手を上げさせます。変わるきっかけを作るとまではいきませんが、最後の一歩で背中を押すのは、覚悟を固めさせてくれるのは、大介でした。
ところで、このゼミのシーンで純太は勇次郎が大介と付き合っていることを発表した際、動揺した雰囲気が収まるまで珍しく少し厳しい顔をしています。大介が「幸せになります」と言うと笑顔になりましたが。笑い合っている二人、可愛かったですね。
純太は優しくて、エンパスという特殊性があることも加わり人の悪意に敏感だと思います。とても真面目です。ドラマの前半だけではよく分かりませんでしたが、大介は女遊びをしていたこともあり側から見れば軽い印象があったと思います。
そんな二人が、いつどうやって仲良くなったのかは分かりません。でも、結果的に大介にとって純太は今の自分を受け入れてくれる人で、純太にとっての大介は最後の一歩を踏み出す勇気をくれた人でした。
それが全てなのだと、今はそう思います。
最後に。
想い人がいる人を好きになり、ひたすらその人を支えるという報われない恋をする純太について、「優しいんだよ純太は」と大介が勇次郎に話す続編はいつ見れますか?(一生見れません)