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随想|中学生時代の自分よ、それは「ほぼ告白」やで

私が通っていた中学校は
文化祭の制度が少し珍しくて

出し物がクラス単位ではなく
生徒それぞれが好きなプロジェクトを選んで
学年混合で一つの企画を作るというものでした


校内の装飾を担当するプロジェクトもあれば
縁日等の遊びブースを担当するプロジェクトもあったり
色んな種類があったのですが

私が参加していたのは、演劇プロジェクト


全校生徒がいる体育館のステージで発表するやつ

演者チームと制作チームに分かれるのですが
私は演者チーム志望でした

今思えば、すごい度胸です


で、私が中学一年生の時にやった演目が
アニメ「時をかける少女」の男女逆転ver.

タイトルは「時をかける少年」
(安直な名前で可愛い)


私が演じたのは未来から来た女の子

アニメでいうところの千昭
ヒロイン役を演じさせてもらったんですね


タイムリープを使いまくる主人公は
3年生の先輩が演じてました

アニメでいうところの真琴ね
男女逆転ver.だけど、この劇中でも名前は真琴でした


文化祭当日まで全く知らなかったのですが
この先輩、だいぶ人気者だったそうで。


そんな彼の人気者ぶりを活かすためか
単に制作チームの趣味だったのかは分かりませんが
脚本のいたるところで胸キュンシーンがあったんです

主人公がヒロインの腕を掴んで引き留めるとか、

主人公がヒロインに好きバレしそうになるけど…とか。


その中で幾つか、ヒロインが主人公に対して
思わせぶりな台詞を言うシーンがあったのですが、

中でも印象的だったのが


「真琴が楽しいと、私も楽しいの」


と言う台詞


じわじわと大きくなる女子生徒の黄色い歓声と
男子生徒の「…………うぇ~い!!!」というガヤが
体育館に響いたんです


文化祭らしい、どよめき。


我、動揺。


当時、この台詞に対して私は特に何も感じておらず

本番が終わってからも
「この台詞の胸キュン要素どこ?」とハテナ状態


何なら、当時からその類に関しては冷めていたので
「みんな恋愛に飢えてんのかな」と思ってみたり

本当に可愛くない中学生です


でもね、今なら分かります


これはキュンですよ


相手を恋愛対象として見ていなくても
この人が楽しそうだと自分も笑顔になれるな〜と
思うことはもちろん沢山あるし

素敵な感情だと思うから
積極的に伝えたくもあるけど

それを本人に伝えるのはね、
「私はあなたを好意的に思っています」って
言っているのと同義です

言われたら嬉しいもん、これ


「あなたが楽しそうだと私も楽しい」
「あなたが嬉しそうだと私も嬉しい」

尊い感性だと思うし、
相手にも伝わったら素敵だと思うけど

それが「素敵」だと言い切れるのは
お互いに全く恋愛対象として見ていないか
逆に両片想いとか恋人同士みたいに
お互い好き同士かのどちらかだと思うんですね


自分のことを恋愛対象として見てくれない相手の
気を引くためにこれを言うのは
見え見えの駆け引きすぎて気色が悪いし(言い過ぎだね)


相手から恋愛対象として好かれている自覚があった上で
自分は全くそういう目で見ていない場合に
これを言うのは、思わせぶりすぎて大罪です


島流し案件です


この劇中では、ヒロインは主人公から恋愛対象として
好かれている自覚があった上での台詞だったので

ヒロイン、まじ小悪魔ですね


でもこの場合は、ヒロインも主人公のことが好きな設定だったので島流し回避です


なんで大歓声が起こったんだろ〜と
ふと思い出したので振り返ってみました


ませてたな、あの頃から

まじで可愛くない


9年前のお話でした

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