メリヤス編みの目がねじれているってどういうこと?
棒針編みの初心者の方が、メリヤス編みを編もうとしてこんな感じになっていることがよくあります。
一見きれいに編めている編み地ですが、
実は「メリヤス編み」としては失敗しています。
どこが本来のメリヤス編みとは違うのか、分かりますでしょうか?
説明していきますね。
こちらの編み地、
「V」の形になっている編み目と、「y」の形になっている編み目が混ざっていることが分かりますか?
(最初の緑の編み地の方は、一段だけではなく、「V」の段、「y」の段が交互になっています。)
正しいメリヤス編みは、全ての編み目が「V」(表目)になります。
「y」の編み目は「ねじり目」といいます。
表目とねじり目、ぱっと見では似ていますが、
糸の構造が実は全然ちがうのです。
裏編みの時の糸のかけ方が間違っていたりすると、
こういう形になってしまいます……!
「でも、たいして変わらないしねじれたままでもいいのでは……?」
と思うかもしれません。
もちろん、ご自身が気にならなければそれでOKです。
メリヤス編みの定義(=全部表目の編み地)からはズレてしまいますが、一枚の編み地を編めていることには変わりありません。
でも、編み地を横に引っ張ってみると、違いがあることが分かると思います。
表目の方は「V」の部分そのものも横に広がっていて、
ねじり目の方は、「y」の部分は横に広がらずに「編み目と編み目の間」にだけ空間ができていますね。
メリヤス編みは編み地がびよんとやわらかく伸びるので、やっぱりセーターなどにぴったりなんです。
「ねじり一目ゴム編み」など、あえてねじり目のキュッとした感じを活用する場合もあります。
表目とねじり目を使い分けることができると、編める作品の幅が広がりますよ!
それに、
棒針編みはあらゆる技術が「表目」「裏目」を正しく編めていることが前提で解説されています。
もっと他の技術も学ぼうとした時に、自分の「表目」「裏目」が解説書と矛盾していると、図の意味がよく分からなかったり、図の通りに手を動かしても図の結果にならなかったりします……!
増し目、減らし目、交差編み、引き返し編み……あらゆる技術の土台が「表編み」と「裏編み」です。
ご注意くださいね。
ということで、みなさん「表目」と「ねじり目」の違いについてご理解いただけましたでしょうか。
はい。
ここからが大事な話です……!!
正しいメリヤス編みを理解し、習得した者たちは、
初心者のねじれた編み地を見かけるとどうしても気になって声をかけたくなってしまいがちです。
でも「ねじれてます」「糸のかけ方が間違ってます」と言葉で説明するだけでは、初心者にとってはさっぱり意味が分かりません。
口を出すだけでなく、必ず、適切な画像や動画を示して「こういう考え方もありますよ」と提案してあげてください。
というわけで、困ったときはぜひこの記事をシェアしてみてくださいね。
私が伝えたかった事は以上です。
ちなみに、
棒針編み入門漫画を読んで手順通りに手を動かしてもらえればねじれることはないので、本編ではまだねじり目のことはサラッとしか触れていないんです。
読者の方がメリヤス編みに挑戦して編み地のお写真を上げてくれたりしているのですが、みなさん本当に初めてとは思えないほど美しいメリヤス編みなんですよ……!
メリヤス編みを編めるようになると、棒針編みは本当に楽しいですよ!
私も、なぜメリヤス編みがうまくいかないのかを理解するためにたくさんの本を読み、たくさんの動画を観て考えましたが、
棒針編み入門漫画を読めば最短距離で“理解”にたどり着くことができます!
学びたいと思っている方は、ぜひご検討くださいね。