【通情報①】かけ流しについて ~温泉選びのスタートライン~
温泉とはなにか。
この問いにみなさんははっきりと自信をもって答えられるでしょうか。
私たちが一般的に想像する温泉は、熱々のお湯で、少し濁っていて、様々な効能があって…というようなものが中心でしょう。
ところが、温泉を定義する温泉法によると、
「地中から湧き出る温水、鉱水等で、泉源温度25℃以上又は規定物質のいずれかを規定量以上含有するものである」とあります。
25℃さえ超えていれば、また超えていなくとも一定の成分があれば温泉だと認められてしまうわけです。
そのため、日本全国には27000以上の源泉があります。そのなかには、もちろん質の優劣が存在します。
今回は、温泉について最も重要といっても過言ではない「源泉かけ流し」について、例も交えながら、ご紹介できたらと思います。
かけ流しってなに?
「源泉かけ流し」という言葉は、温泉にあまり詳しくない方でも一度は耳にしたことがあるでしょう。
当たり前の話ですが、温泉というものは地中から湧出し、配湯管を通って浴槽へ至っています。
昔は湧いたお湯がそのまま湯船に注がれる温泉が大半でした。
しかし、近年になって温泉保護・衛生の観点から塩素消毒や、湯船に一度入ったお湯を再利用する循環式というものが出てきました。
また、低温だったり湧出量が少なかったりする温泉での加水や加温といった方法もメジャーになってきました。
しかし、温泉は「劣化」します。
突然ですが、なぜ温泉がお肌に良いのかご存じですか?
正解は、温泉が持つ「還元力」です。簡単に言うと、さびた金属を元に戻す力のことです。地中から湧き出てきた温泉は、地上の空気に触れていないため、非常に還元力の高い湯となっているのです。
この還元力が、お肌の老化の原因である「酸化」を抑制し、アンチエイジングとなるわけです。
しかしながら、塩素消毒が温泉の成分を消してしまうのはもちろんのこと、循環式もお湯が空気に触れる時間が長くなり劣化(酸化)してしまいます。
極端な話をすると、沸かした水道水となんら変わらなくなってしまうこともあるのです。
上記4つの方法(塩素消毒、循環、加水、加温)をいずれも使用しない方式を、「源泉かけ流し」と言います。地下から湧き上がってきた温泉の個性を存分に感じることができるのが一番の魅力でしょう。
逆に言うと、どんなに素晴らしい泉質でも、塩素消毒や循環を行うと簡単に壊れてしまい、陳腐な風呂になってしまうのです。
「源泉かけ流し」とは温泉選びのスタートラインとも言えるでしょう。
今回の記事で写真に挙げている温泉は、すべて筆者が実際に訪れ、おすすめしたい源泉かけ流しとなっております。
源泉かけ流しに興味のある方は、以下の「源泉かけ流し温泉協会」の加盟温泉から探してみるのもオススメです!
https://www.gensenkakenagasi.com/
泉質について
前項のスタートラインをクリアしたうえで、今度は「泉質」というものに着目してみましょう。とはいっても、環境省が定義している泉質は10しかありません。
①単純温泉
②二酸化炭素泉
③炭酸水素塩泉
④塩化物泉
⑤含よう素泉
⑥硫酸塩泉
⑦含鉄泉
⑧硫黄泉
⑨酸性泉
⑩放射能泉
以上です。簡単なので覚えましょう(笑)
ただ、前項でも申し上げたように、
「源泉かけ流し」でないと、貴重な泉質も酸化・劣化してしまうので注意が必要です。
各泉質の特徴についても、話したいことだらけなのですが、
長くなってしまうので、今後の記事で掲載していきます!
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
皆様の温泉選びに少しでもお力になれたら、幸いです。
今後も様々な温泉に関する情報を発信していきますので、
引き続き、よろしくお願いいたします!
筆者
学生団体YUZU 代表 福井貫太