ゆずの新卒VCの2週間目。
今村柚巴、新卒でVCとしての勤めてます。週報という形で自分にとっての学びなぞを描いていきたいと思います。
4月8日(月)(8日目)
いつまにやら第2週目。投資相談案件は1つもないまま、面談も何も入れられず月曜日になりました。そんな私がその日に社内スラックに放った文がこちらです。
1週間でいろんな起業家に会いました。初対面、お世話になっている方。こちらからご連絡をした方もそうでない方も。でも、時間をとってもらってmtgをしても、何も進まない。突っ込めない。質問すらできない。
自分に話しかける意味ってなんだろう?ともやもやスタートアップで務める同世代に話を聞いてみると
と伝えられます。
自分の中では、社員になって変わったことは責任感くらいで。しかし実際には学割サービスはなくなり、初対面の起業家と話すときの入りも違う。明らかに自分は「投資家」として見られる。話聞かせてください!は自分のための時間で、ただただ焼畑農業のように仮説をぶん回してアタックをかけ続けても、「学生だから」で許される年齢ではなくなっている。
今自分に実力がないならそこを受け入れて、投資先を含めて今身近にいる起業家に真摯に向き合い、その上で初めて相談しようと思ってもらえるのではないか。もちろん自分の視座も高めて。ただの話聞かせてくださいロボットになっちゃいけない。と、強く思う。
この日、内定していた当時の同期と久しぶりにご飯を食べに行った。皆「ゆずだし、そういう選択すると思ったよ!起業する時には声かけるわ!」と声をかけてくれる。利害のない関係は大人になっても築けないのだろうか?それとも利害がある上でお互い仲良くしていくのが大人の友人関係なのか?
4月9日(火)(9日目)
↑と、いう話をSVコーポレートの初田さんにしてみる。
自分がなりたいものはサマーウォーズのおばあちゃんなわけで。(以下詳細)だったら絶対に通らないといけないのは、自分たちの資源・リソースの使い先を定めていくことのできる存在。一つ一つの投資だけを見つめるのではなくて、一つの投資やヘルプが回り回って自分たちのファンドにどのような影響を及ぼしているかを考えられて、自分のお金もちゃんと投じて、リスクを取れるような状況。こんな初心者段階で言うなと思われそうだし、自分も自分を信じられなくて言えてなかったけれど、
「GP(無限責任組合員という、ある種のファンドの代表)になりたいし、なる必要性があると思います」
と伝えていました。
そうなったら、私の視点も「投資を決めたい」それだけではなくて、「この会社はファンド全体を通して、どれだけの利益を得なくてはいけなくて、その中でのお金はこの額で、それを誰に分配すればいいんだろう」という視点もともに必要になってくる。
その視点まで持てるには。日々巻き起こる一つ一つの出来事をもっとしっかり俯瞰して、ファンド全体の流れの中で、この出来事はどこに当たるかを考えないといけない。
とはいえ頭でっかちになって何の行動もできないのもダメなので。視座も少しずつ高めつつ、みんなでわからないことを少しずつ解消していきたいな。と思いました。読んでくださってる同年代の起業家の方もVCの方も、一緒に勉強しような!
4月10日(水)(10日目)
とかなんとか真面目に真剣なことを考えたりしてますが、この日は完全にノリで鍋会を開いてました。
ロッテベンチャーズというロッテのCVCが、オフィスを一軒家に移転した。とのことで、
このツイートを見て、遊びに行きたい!家だし鍋したい!とロッテVC新卒同期のあみちゃんと話していたところ、いっそ友達も呼んでイベントにしようぜ!とノリで【2日前に】決まった企画。
ゆるっと適当に集客して、5人くらいくればいいかな〜とたかを括っていたら
めっちゃ来てくれた。(20人を超えた)
投資先も他VCの新卒も呼んだりして見たのですが、やっぱりみんなに「いい場だった」と言ってもらえるのは嬉しい。今まで自分のVC的な力量のなさに不安に感じることも多かったけど、こういう、遊び的なものをやることは苦手じゃないし、この強みは消したくないなとも思いました。
そして案外ゆるっとやって出来ちゃうものなんだとも思ったので、これからも気まぐれにゆるっとやります。半年かけて準備、とかでない短めな工数の企画を定期的に打ちたい。
4月11日(木)(11日目)
毎週木曜日に起業家を呼んで行う朝勉強会2日目。朝6時起きも慣れてきた。
エレベーター広告という新市場開拓を行なった羅さんがゲスト。
市場が確立するまでにはどんな営業をしたのか。どんな市場研究を行なったのかを話してもらう。
広告媒体販売の売り上げモデル的に、ちゃんと出始めるまでに媒体(投影するエレベーター)の数がある程度ないとそもそも広告が売れないモデル。導入エレベーターを拡大させていく中で、デベロッパーからも出資を受けています。
個人的にとても納得が行ったのは、木下さんが質問した、「どうして売り上げが不安定な中でもデベロッパーは一緒にやろうとなったのか」という問いに対して、「(羅さん本人の力量があることは大前提の上で)丁度デベロッパーがやりたいタイミングだった。その上で羅さんがエレベーター広告に既に精通していた」という点。
どうしてもスタートアップはその独自性だったり、大手との対立だったりを考えるけど、じゃあ逆に大手がやりたいと手を挙げた時に一番頼れる人に慣れていたらいいのではないか。そして大手が「やりたい」と言われるのはいつで、それまでにどれくらい自分がその領域に強くなれているのか。
が逆算できていることにより動いていくことができる。
というかこの粒度の質問が出来ないと、再現性のある詳しい答えは返ってこないのだなと反省しました。普段の起業家mtgもそうですが、なんとなくどうしてるの?じゃなくて、いつ、この時、このタイミングで、あなたは何をしたのか?それで何が起こったのか?レベルの深い粒度の問いを立てないと、いい議論はできない。
朝から反省している暇もなく、午後にはエンジェル投資家が起業家のピッチを聞いていくイベント、エンジェルスクランブルに参加。
VCとして就職して初めて、エレベーターピッチイベントにて起業家のピッチを聞く側に。
一年目とはいえキャピタリストはキャピタリスト。向き合ってくださる起業家の方は私をプロとして見てくださります。こんなことで弱音を言ってられないですが、自分の質問の制度がまだまだ甘く、15分と言う限られた時間で起業家の方のピッチを受け身的に聞いているだけな状態になってしまう。
すぐ隣で核心を突く質問を繰り返すエンジェルとVCに対して、自分の不甲斐なさを痛感しました、、が、自分がダメだなとか言ってることを痛感してるだけじゃ、参加させてくださったのにそれこそ申し訳なさすぎる。
その後に一時間用意された交流会では、ひたすら小澤さん(元Yahoo!代表)、堀さん(元ZVC代表)はじめとするエンジェルの皆さんが起業家の方にどんなフィードバックをするかを横で聴いて、壁のように横でどんな質問をするのか、どんな返答に対応するのかを見続けます。
自分の言葉に落とし込まないといけないにしても、着眼点を知りたい。今この瞬間に自分ができることは吸収しかないと割り切りました。
そんな中で小澤さんが伝えていた一言。「とにかくヒアリングが何よりも大事。ニーズを拾えるか否かで全てが決まる」
これは自分にもそっくりそのまま当てはまるなと。VCの場合、顧客は起業家とLP(VCにお金を預けてくれる人)。彼らにとって何が課題なのか、その課題への適切なアプローチはなんなのか。起業家本人と時間をとにかく共にし、かつ彼が辿り着けない必要な情報なり繋がりなり、を持ってこれるようにすることが大事、というかそれでしかないんだなと思いました。
4月12日(金)(12日目)
今日から毎朝8時にオフィスに行って、四季報をとにかく写経することにしました。
時間をちゃんと作って、この時間はこれをやるというルーティーンを作らないと続かないし、高校のテスト前的な強制力もでます
結果的に、6月までに簿記を取る会が発足しました。朝8時〜9時がコアタイムでNext Baseでひたすら勉強しています。簿記を取りたい方でも、朝から監視下で作業をしたい方も、渋谷でお待ちしております。
渋谷から徒歩5-10分!
1週間の総評
自分ごととして起業家に触れ、質問の角度を分析し、かつ基礎を地道に固める!
近道はないです!精進!
おまけ:4月13日(土)に日本政策金融公庫の佐藤さんとも勉強会を開催しました。なかなか融資のことは知る機会がなかったので聞けてよかった。Yoiiの後藤智子へ!開催ありがとうございました。