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カーテンの色の説明は難しい(アイボリー・ベージュ編)
カーテン屋の困る質問あるあるのベストテン入り間違いなし。
それが「これは何色ですか?」
だと思います(多分)
目の前で同じ生地見ながら聞かれて、最初は頭が「?」でいっぱいになりましたね。今お客様が見てるそのままの色ですが?
そのうち、どうやら色名が聞きたい人が一定数いるらしいことが腑に落ちました。
生地にはもちろん、色名が振られているのですが、だいたい色名が気になる人って「これ本当にアイボリーですか?ちょっと緑入ってないですか?」って納得してくれないことが多い…
そこでよく言われるあの色ってどんな色なのか、改めて調べてみました。今回は1番違いが分かりにくいオフホワイト ・アイボリー・ベージュです。
オフホワイト 、アイボリー、ベージュ
生地の名前によくついているけど、違いの分かりにくい三色。
オフホワイト
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オフホワイトとは、純白に少しだけ灰や黄が混ざった色、とされていますが明確な定義がないそうです。
レースのカーテンなんかで使いますね。レースのカーテンって純白ではないんですよ。たまに真っ白に近い色のものもありますが、実際真っ白なレースのカーテンって人によっては眩しさを感じる場合があったり、明るい日差しの中だと青みがかって見えたりします。なので真っ白ではないけど色味を感じるほどではない白色が主流です。オフホワイトって言っておけば間違いないかと…
アイボリー
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アイボリーとは英語で「象牙」。JIS色彩規格では「黄みの薄い灰色」と定義されています。薄いクリーム色にやや灰色がかった色です。
ベージュ
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ベージュの由来はフランス語で「未加工で自然のままの羊毛」だそうです。明るめの薄茶色。アイボリーと比べると茶色みを感じますね。
こうやって並べると違いを感じますが、実際にはよりベージュ寄りのアイボリーだったり、グレーがかったようなベージュだったり、色には幅があります。某タレントさんじゃないですけど、アイボリー・ベージュ系って200色あると思う。
なので、
「これアイボリー?ちょっと灰色入ってない?」
という人は色差に敏感な人です。例えば…
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アイボリーの灰みが強くなった色はオイスターホワイトとも言われますね。人によっては緑みが入っているように見える場合も。
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淡い黄色みの白。レースなんかもオフホワイトより色みの濃いボイルレースはクリーム色って言っていたりします。
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近年突然ファッション業界より出てきて混乱させられた色。
本来、未加工の状態を表すフランス語、クリュ(cru)に由来するため、ベージュと同じなのですが、しいて違いをあげるとベージュが羊毛色の色なのに対して、エクリュは未漂白・未染色の絹、綿、麻などの布の色なのだそう。
現在使われる時のイメージとしてはアイボリー→エクリュ→ベージュの順で色みが濃くなっていく感じ…?
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ベージュの灰みが強い色。
最近はヘアカラーの色として浸透してますよね。
近年インテリアのカラーとしてグレー系が非常に人気があります。ただ、本当のグレーってどうしてもクールな感じになりやすいので、落ち着いたグレーの雰囲気と、上品さのあるベージュをあわせもったグレージュのような色が選ばれやすいのではないかと。茶系のフローリングにも合わせやすいですし。
ここでは単純に色だけを載せましたが、生地になると光沢や質感でまた見え方が変わってきます。なので、特定の色を断言するのってとても難しい。それに生地名にマニアックな名前をつけると余計に混乱させてしまうので、ざっくりアイボリー・ベージュ・グレーでくくってると許してもらいところです。
でも色差が気になる人には「ベージュとは言ってますが、グレーも入ったグレージュ寄りの色でしょうか…」とか、「黄みの強いクリーム色に近いオフホワイトにも見えますね〜」とか、限定しすぎないように他の色も入ってることを伝えたりしてます。
遮光カーテンの発色は難しい
普通の生地より色が難しいのが遮光カーテン。そもそも光を遮るために黒い基布を用いているので、どうしても黒を混ぜたような発色になります。白って言ってもグレーがかって見えたり、彩度が落ちた、いわゆるグレイッシュな渋い色になりやすいです。
特に遮光のピンクは難しくて、「こういうピンクじゃないんですよねー」って言われがち(泣)。
あと、白もどうしてもグレーっぽいと言われがち。
遮光性があって、真っ白や発色のきれいなカーテンが欲しいなら、裏面をウレタンなど樹脂素材でコーティングされたタイプの遮光カーテンがおすすめかも。ただし、コーティング加工してあるのでゴワゴワしてますが。
いかがでしたか?
モヤモヤしがちな色にまつわるあれこれでした。
勉強していくと奥が深い色の世界。もうちょっと勉強して、もっと説明できたらいいな!
今回参考にした本。
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