【ナナラボ】楽器一つが見せる表情
さて、熱が高いうちに書いておく。
今日のナナラボことNANA MUSIC LABORATORYの感想的なやつだ。
多分ななしさんも書いてるだろう、もしかしたら疲れて寝ているかもしれないが。
はじめに言っておくが、今日は現地ではない、新宿ピカデリーでのビューイング参戦だ。
ビューイングでもライブ参戦には変わりない。
いや、むしろ隣の席の人(初対面)と挨拶して観ながら会話したのはライブ会場でも最近していなかったように思う、久しぶりじゃないだろうか。
いきなりのタイマン企画
これまた初めに言っておく、筆者はりゅーたんこと坂本竜太氏をかなり尊敬している。
人としてもベーシストとしても。
はまって以来というもの、結構関西で住んでいたころは、氏の組んでいる、SPICY KICKIN、DosLunaのライブや、もうなんか奈々ツアーで大阪が入ればほぼほぼ恒例になってんじゃないか説のあるGroovin' Highには足繁く通って、たくさんのプレイを見てきた。
そんな氏のプレイから始まった今回のライブ。
前半の各メンバーのタイマンコーナーは、楽器をやっている人、各メンバー個々のやっているライブに足を運んでいる人は感じ方が変わっただろう。
そんなコーナーがほとんどを占めている、なんてアグレッシブなプランニングだ。
バンドメンバー(チェリボ)の凄さ
水樹奈々のバックバンド、チェリーボーイズことチェリボは、年齢もさることながら、全員それぞれもう数十年音楽活動を自身でやってきた人たちだ。
一人一人が経験豊富で、ソロ(アドリブ)もがっつり弾ける人なのである。
今回同じパートが居たとしても表情が違ったのは全てそこにある。
各々音楽を始めたルーツも違えば(年代的な意味で行くと好きなバンドや歌手はかぶっていることも当然あるが)そこから選択した自分のプレイスタイルも違う。
それがまさに音として表現されているのだ。
プロの方たちはただ譜面に沿って弾くのは当たり前、アレンジャーもたまにやる。ただそれでは誰かの模倣に過ぎない。それでは食っていけない。
だからこそ自分独自の演奏方法や音の出し方ひとつ一つが違ってくる。
それが特徴になり、センスの合う人と出会い、新たな楽曲を生み出し、自らが主体となって活動する。
そんな人たちが既存の1曲に対して真剣に向き合うのである、そりゃあとてつもない化学反応が起きる。それが今回のコーナーの結果だ。
水樹奈々の凄さ
昔、なんだったかのリハ映像かインタビューかで、坂本竜太氏が水樹奈々の凄さを述べていたのが記憶に残っている。
詳しくは覚えてないが、確か「水樹奈々という人は、とても吸収が早く、音楽理論などを学んだわけでもないのにすぐに理解し、調整してくる」
確かそんな感じのニュアンスだったかと思う。
多分これが出来ているのは、彼女の自叙伝「深愛」にもある、お父様のおかげだろう。(彼女のお父様の育て方は、まがいなりにも現代ではあまり褒められた育て方ではないように思うが・・)
今40代に近づきつつある彼女が、まだ上記の氏の言葉が出ていた2010年ころ、つまりまだ30代になるかどうかの頃だ、そんな時にこの道数十年の人たちをずっと驚かせ唸らせてこれたのには、やはり幼少時代からひたすら実践訓練を積んできたことにあるのだろうと、勝手ながら推測する。
要は経験年数や経験量はチェリボに引けをとらないのだ。
筋トレ声優とまで言われ、なんか今やかなり独自路線を爆走している彼女だが、やはり音楽というジャンルに置いて努力の末に身に着いた天才肌というのを持ち合わせているようだ。
今回のタイマン、もといセッションでそこが一番現れたのはファイヤーこと藤陵さんとの演奏だと思う。
今回の藤陵さんの演奏は、本人も仰っていたがかなり弄っている。
リズムも変則だったし、そもそもメロディラインを推測することが難しくなるぐらいに自分の好きなように演奏されていた。
にも関わらず、彼女はそれをただ歌い上げるだけではなく、表情まで作り込んで歌いあげたのである。
だからこそ、平均年齢が60近くなったチェリボが20余り年下の彼女のことをリスペクトし、また彼女もそんな様々な技術を持ち人として成長しきっている彼らをリスペクトしている。
そこがなんとも素晴らしい。
まとめ
楽器ではないが、今回は早見沙織との声でのセッション、つまりアカペラで1曲の歌をハーモニックにさせるということもしていた。
早見沙織の歌声は、とても水樹奈々との相性が良かったと思うし、彼女も相当な歌唱力だ(歌い終わりの所が若干不協和音が発生しかけていたが)。
普段の水樹奈々のライブやCD音源は音の暴力、と言われるほど音の密度が濃く、はっきり言って全てを処理する前に次の音が来るので、飲み込まれてしまいやすい。
そこから、一人ずつのタイマンで構成された今回の企画は大成功に思う。
なのでぜひとも音源化してほしい。
おっと、話題がそれた。
音を研究するということは、音に詳しくないといけない。
観客にしてみれば研究発表を受けているようなものだ。
当然、ジャズを聴いたことが無い人には、ジャズのアレンジが入ったのか、演奏のしかたがどうなのかなんてのは分からない。
また、楽器にしてもプレイヤーにしても様々な音色が激しく語りかけてきたのではないかと推測する。
だから、今回のイベントは大成功ではあるが、反面理解できなかった人も多くいるのではという風に思う。
ただそれが良いか悪いかの評価なんて到底できるわけがない
なので、まとめとしては一言だ。
いいぞ、もっとやれ。