【リモートワーク】ここ数日の自分の周りで得たノウハウ(Teams,ウェビナー,Forms)
この記事はPowerAutomate,Power Apps,PowerBIなどPowerPlatformのサービスに関して、サンプルやノウハウを非公式に記事化している、Microsoftのシニアプログラムマネージャの吉田さん以下のツイートを見て、協力のために書いています。
ご存知の通り、コロナウィルスは全世界で猛威を振るっており、死者も多数とさることながら、日本では花粉症の時期もかさなり、デマも出回ったせいでマスクの度重なる在庫不足、物流の壊滅、生産ラインの稼働停止、中小飲食店の閉店など様々な問題を招いています。
過去にSARSが流行った時期がありました。時系列は以下の通りです。
# 2002年11月 中国で非定型性肺炎が発生、次々に感染拡大
# 2003年03月 WHOがグローバルアラートを発令
# 2003年07月 終息宣言
32地域、死者8000人。当時情報共有のスピードは今には到底劣らないほど遅い。治療薬がない状態で、それでもこれだけの死者数で済んだのは素晴らしい結果と思います。
今回のコロナは知っての通り、既に各国での死者数・感染者数は統計化されていますが、必ずしも全地域での正確な人数把握には至っていません。
ご存知の通り、日本では医療崩壊を招かない為に「診察を受ける為に免疫力の下がっている人が訪れる病院に来させない」ことで感染拡大を防止しています。
つい先日、東京都の発表でクラスター感染が発表されましたが、病院を起点として感染者が拡大しました。こうなることを防ぐ手段として、自宅での様子見、療養をはじめとして、感染しない為の隔離を実施しています。
また、それに合わせて感染者に不用意に近づかないための自己防衛手段として、在宅勤務の推奨がされているのが今回のリモートワークの波となります。
前置きはこれぐらいにして、本題に入りたいと思います。
ツイートの見出しとしては非エンジニアに対する支援ですが、本懐としてリモートワークのノウハウ共有やプログラミングしないアプリづくりでスモールスタートなチャレンジが出来る、また自分達独自の使いやすい運用に合わせたシステムづくりを出来るようにする、というものと思っています。
まずは自分からノウハウとして共有したいと思います。
1.コミュニケーションツールの選定
まず自分を取り巻く環境を簡単に説明すると、Office365のBusiness Essentialを使っている常駐先、Office365 BusinessとG Suiteを使っている自社、まったくOffice365サービスを使っていない取引先が主な関係先になります。
コミュニケーション手段が多岐にわたっていたため、どこで何をやりとりする、というキメが非常に大事でした。
As-Is(今まで)
自社の開発チームと常駐先チームは通常タスクの依頼はRedmine、それに加え不明点の確認や納期調整、質問などを定例でSkype音声会議を行っていました。
Microsoft Teamsは常駐先でもほとんど使われておらず、基本的にはサイボウズ ガルーンのスペース・社内メールなど掲示板的やりとりが主体。急ぎの要件があれば電話、といったところ。顧客に関するやり取りは外部とのチャットも含めることがあったため、Slackを用いています。
自社内のやり取りも基本Skype、あとはメール、個別電話が基本でした。
To-Be(現在)
自社開発チームと常駐先チームのやりとりはRedmineは基本変わらず。ただ、常駐先コミュニケーションツールがTeamsが推奨となり、社外とのやりとりも基本Teamsで行い、関係先訪問を原則禁止とする動きが出たのが3月中頃でした。
そこから一気にTeamsが普及しだしましたが、外部との打合せには情シスリーダーがマニュアルを整備しバラまいたことにあります。
一部限定業務の摺合わせには継続的なやりとりが必要なため、インスタンスなTeamsではなく、今まで通りSlackでのテキストチャットを使っていますが、常駐先内はたったの1週間でTeamsの利用率が格段にあがり、基本的に打合せはTeamsを利用していれば問題なくなりました。
なお、顧客とも下記の通りTeamsのWeb会議サービスを用いて打合せを行っているますが、今のところなんら問題は起きていません。
Office365 Businessのノーマル以外のプランを利用している企業は、基本的にTeamsを主体とすることをお勧めします。
G Suiteを利用している場合はHungoutsを使うと思いますが、そこは使っていない為、今回ノウハウ共有は出来ません。
尚、法人向けプランは以下のページに纏められています。
2.Teamsで出来ること、すること
Teamsで社外のユーザーを呼ぶ場合、下記の手順で行っています。
2-1.予定表の作成
予定表(Teams内のカレンダー)で関係者(社内メンバーならActiveDirectoryのユーザーネーム、社外ならドメイン(@xxxx.co.jp)を含むメールアドレスを入力し、送信する。
2-2.招待メールの確認
送信されると、迷惑メールに分類されることが非常に多い。特にG Suiteユーザーだと概ね迷惑メールに入っているので、関係者に最初は通知して迷惑メールフィルタから外しておいてもらう必要がある。
2-3.外部からの参加
会議時間前になると、招待メールの参加する、を押してWebから参加する>その会議上で使うインスタントな名前を入力する。
以上の3ステップで完結するので、非常に簡単です。
ちなみに、Teams会議上では以下のことが出来ます。
①アプリケーション単位での画面共有
WindowsでAlt+Tabキーを押すと、今開いているアプリ単位での切替が出来ますが、それと同様にアプリ単位での共有が可能です。つまり、パワポを見せながら、メモ帳でメモを取っているということも可能です。
②ホワイトボード
会議においてホワイトボードに絵を描いて話を纏めるということは少なからずする場面はあるでしょう、海外企業では当たり前の光景かもしれませんが日本企業では逆に作り込まれた資料ベースに各々がメモを取る為少ないのが残念なところでもあります。
ただ、Web会議だとそのあたりは中々難しいのですが、Teamsは標準機能としてあります。マウスで書くのは中々難易度が高いので、ペン型マウスを購入しておくと良いかもしれません。
https://gifbi.jp/house-pen-mouse
③メモ帳
リアルタイムで共有できるメモ帳を会議上で取ることが出来ます。書記がメモ帳をそこで取れば、後から確認することなく、すぐにメモの間違いや漏れを確認できます。
④予定の通知
予定表を作る際に、チャンネルを入れる欄があります。そこにチャンネルを入れておくと、Teamsのチャンネル内に通知が飛ぶようになっています。
なお、Teamsも他のチャットツール同様、メンション機能があります。
ただ、メンションした後Enterを連打すると、メンションだけの本文が飛んでしまい、話したい内容を書き漏れることがあるのですが、基本的に最初のメンションさえしてしまえば、そのスレッドへの返信は常に関係者に通知が飛ぶようになっています。
ちなみに1コメント内での改行はShift+Enterです。通常のEnterは送信となります。
3.全社放送・情報共有
カンファレンスなどでWeb配信するときによく聞くようになったウェビナー。
様々なサービスがありますが、ニコニコ動画を見たことがある人にはなじみの多い機能になっているものが多いかもしれません。
ウェビナーはスピーカー自身がコメントを放送中に追うのは比較的難しい。
会議を支援する人が、コメントの中からスピーカーに返すべき内容を振り、支援者がそのままコメントに対する返答が出来る場合は返答してしまったほうが良いです。
また、動画を生放送するとかなり帯域を圧迫します。
社内が1Gbps/10Gbpsでネットワークを組んでいたとしても、一般のサービスを使う場合どうしても一旦外のネットワークに接続することになります。
その際にはどうしても契約している回線速度の制約に引っかかる為、十分な回線速度が確保できない場合は、静止画放送(パワーポイントなどでの表示)+音声の配信をお勧めします。
結構動画生放送すると、音声が途切れることが多いです。特に200人規模の参加者ともなるとかなり。
4.外部からの問合せ窓口、固定電話の対応
まず、固定電話への外部からの電話は自社に誰も居なくなる可能性を含めてIP電話への切替を早急に検討する必要があります。
IP電話に切り替えると、PCやスマートフォンへの転送が可能になるので、電話機が置いてある場所を選ばなくてよい。
さて、外部からの問合せに対してですが、問合せフォームは先程のMicrosoftサービスを使っていれば簡単に作れます。
G SuiteでもGoogleFormsというものがありますが、MicrosoftにもMicrosoft Formsというサービスがあり、問合せフォームをノンプログラミングで任意の形に作れます。
また、ちょっと画面の右上にある「・・・」を押すと、分岐処理設定もできるので、選択肢Aを選んだらこれを聞く、Bを選んだらあれとそれを聞く、というフォームも簡単に作れます。
ただまぁ今回の話は連絡窓口なので、大した項目数のフォームは作らなくてよいでしょう。
氏名、連絡先、要件、回答希望期日、といったところでしょうか。
Formsに問合わせが投稿されると、Teamsに通知がくる、という自動連携もこれまた既に作り方は定型化されています。
先に問合わせフォームと、通知するためのチャンネルを作っておいて、あとはPowerAutomateの定型テンプレートを選択し、「作ったフォームで書かれた問1と問3を作ったチャンネルへ通知する」という設定をするだけです。
例が纏められた記事があるので添付しておきます。
5.まとめ
以上4点を実施するだけで、だいぶ社内外の連携はシンプルに集約できるでしょう。
Office365の法人向けプランを契約している必要がありますが、クラウド移行していくと今までグレーや見えなかった部分が見えてくると同時に、業務の自動化は一気に加速します。
なお、G SuiteではPowerAutomateのようなグラフィックUIの機能はないがGAS(Google Apps Script)といったVBAのようなものは存在します。
(もしかしたら自分が知らないだけかもしれないが)
リモートだからこそ、余計な手間を減らすために色々試してもらいたいと思うと同時に、野良アプリ、野良フォームの作成は各チーム、個々人の業務の手段とチームとしてのやり方とで問題になることはありますが、それらは今までExcelのVBAやメーリングリスト、各システムの使い方ひとつにしても起きてきた話です。
それらをコントロールするのがマネージャの役割であり、コーポレートエンジニアと言われる社内の情報システム統括の担当者やCIOなどの力の見せどころでもあります。
ただ、PowerPlatformは野良アプリの管理も出来る機能もあると以前に見聞きした覚えがある為、管理もどんどんしやすくはなるかと思います。