東京女的生活 #001
iPhoneを手にして、メッセージを送る。
眠る時間を奪われるより、バスタイムを奪われるより、
コミュニケーションの時間を、今は、奪われたくない。
端末を手にする度、愛おしい気持ちになる。
繋がっていられること、言葉を紡げる事。
誰かの付けてくれた「いいね!」が、私の気持ちを後押しする。
仲間の既読の数が、くだらないやりとりが、私を笑顔にしてくれる。
何故か孤独を感じる時、東京の真ん中で拠り所を失う瞬間、
電車の無機質な音に流されそうになる私を、温かなリアルに戻してくれる。
デジタルの世界は、さみしい場所なんかじゃない。
人とより深く繋がる為の、愛おしいツール。
遠く離れていても、たくさんの気持ちを伝えられる。
親指は魔法の道具だ。
私はたくさんのことを知る。
たくさんのことを学び、たくさんのことを記録する。
今日もカメラは私を映している。私が、私の姿を切り取って行く。
その向こうにいるかもしれない人の事を、
私は、シャワーに打たれながら、考えた。
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