Inverted Angelの感想(ネタバレあり)
前回の記事(ゲーム紹介編)
前回の記事で紹介をしたので次はネタバレを気にせず感想を書いていきます。
ちなみにリリース直後から気になってはいたのですがあんまり時間がなく、オータムセールのときに購入してプレイしました。
1つ目のエンディングを見たところでこれは何も情報入れないで遊んだほうが良いなと思いレビューも見なかった。
エンディングリストのエンディングタイトルもヒントになるかもなーと思って、どうしても詰まって進めなくなったところで初めて見ましたね。
あとゲーム説明ページの「『唐突に、窓ガラスが割れる音がした』という台詞以降の謎解きの⋯」というのもプレイ途中で見てしまい、「よし、見なかったことにするぞ!」と思ったけど忘れ切れませんでした!
この記事も他の方の感想とかはあまり見ずに書きます。
クリアした順番
1. OVERCONNECTION
2. Scarlet Icecream
3. DISCOURTEOUS
4. Rusty Caramel Cage
5. Invalid Angel
6. TIMEOUT
7. DISCONNECTION
8. Higher Girl Pudding
9. PLUGOUT
10. Chocolate Hideout
11. RECONNECTION
12. NAIL&BAIL
13. CHECKMATE
14. Fool on the Sugar Board
15. Cheesecake Hallucination
16. Inverted Angel
17. NOISEREDUCTION
18. PARALLELCONNECTION
最初に見たグッドエンディングは「Scarlet Icecream」。
今になって考えるとチュートリアル的な側面もあるストーリーでラッキーだった気がする。
「Rusty Caramel Cage」「Invalid Angel」「Higher Girl Pudding」「Chocolate Hideout」までは素直に進んでいった。
「Fool on the Sugar Board」はちょっと詰まった。「Cheesecake Hallucination」はもっと詰まった。
最後はもちろん「PARALLELCONNECTION」。これだけは自力攻略諦めるかかなり悩んでました。というかいろいろ罠だよね。
エンディングごとの感想(攻略順)
私がクリアした順番に感想を書いていきます。
自分のことを自分って書いたり住民って書いたり、彼女のことを彼女って書いたり訪問者って書いたりするけどなんとなく分かってね。
Scarlet Icecream
あまくてすっぱい味がしたの
たしか「彼女は少なくとも知っているはずの誰か」のほうから進めるルート。
最初だったんで、さすがにそこまでやっちゃってはないやろwと思って「大家を殺した」って記入したらそのとおり受け付けられて震えた。
あとこの時はまだ「訪問者の正体」を当てるゲームと思ってプレイしていたので、「自分が彼女の正体を確かめなければならない理由」というのがNo Dataから切り替わったときに衝撃を受けた。たしかに冒頭でもそう言ってるし訪問者が帰ろうとしたときに引き留めようとはしているけども。
このエンディング以外も「自分」と「訪問者の正体」は常に連動して変化していくわけだけど、彼女の正体に気を取られて「自分ってそもそも何?」ってなりにくいのはちょっとしたトリックだよね。特に「Scarlet Icecream」は自分のやばいやつ具合が高めなのでインパクトも強め。
このルートの彼女は後悔とか優しさが詰まってていいよね。
住民が彼女の正体を気付いてないことに彼女が気付いたときに狂的に笑ったあと一気に冷静になるのも好き。最後の最後に彼女も完全におかしくなってることがわかるけど、玄関を開けるまでは冷静に話が通じる相手であり続けてる。
このエンディングの場面転換は「ゆっくりお話しようよ わかりあったつもりになれるまで」ですけどこのルートは本当にわかりあってないね⋯。そしてわかろうとしたあの子だけがひどい目に⋯。
彼女、最後で住民を包丁で刺した後はもちろん肉を口にしたはずだけど、これがアクターネットワークの解説で彼女がした包丁の例えと一番対応してるのに後々気づきました。「殺人の道具」でもあったけどそれだけじゃなかったんだよね。
そういえばざくろって人肉の味がするっていうよね。なぜか近所に一本だけ生えてて誰かがもいで食べてたけどめちゃくちゃ怖かったな。
Rusty Caramel Cage
みんな生活が人質みたい
これはたしか「彼女は少なくとも見ず知らずの人間」のほうから進めるルート。
このエンディングが一番ストーカーしてる彼女。たぶん一番かわいそうだった彼女。
持てる選択肢から一番いいもので満足して生きてこれたのに、運命みたいな選択肢が1回あったせいでおかしくなっちゃった。
このルートの彼女は恋人だって言い張る一方で、途中からは知らない不審者であることを確実に自覚してる。あの瞬間までは思い込んでたんかな?
おそらくたぶん、彼女が自然主義的誤謬という言葉を使ったように、運命みたいな選択肢をくれたあなたと私は恋人である『べき』と思ったのかもしれないね。
最後に住民は選択肢がなくなっておかしくなってしまうけど、含蓄のある彼女の言葉がとっても感じ。
まじでただの感想だけどこのルートの彼女はほんとうにかわいそうだよね。住民は責任を取るべき。
Invalid Angel
私はあなたの恋人
たぶん1回だけ見れるエンディング。
何気なく選んだのでびっくりして怖かった。もう一度見たい。
もう一度見れるようになったら追記します。
Higher Girl Pudding
女子力は自分のために
たぶんどこからでも行けるエンディング。
かっこいいよね~このルート。
このルートにいくまでに他のエンディングを見て住民の正体も重要な要素だって既に分かってはいたけど、順番によってはここで最初に考えさせられるルートなのかな。あと何でもありってわけでもないってこと。
「どう考えれば辻褄が合うのか?」を一番考えさせられたかも。もちろん、友人でも押し入り強盗でも辻褄は合うことはあうので、「そうじゃないの?じゃあ何!?」と思いながらいろいろ入力してた。
合点がいった訪問者がドアを蹴るところがさいこ~。怒りでアドレナリンがぶち上がったあと物理で発散して一気に冷静になるの想像しただけで気持ちいいよね? やりたくてもやれないこともあるし瞬間的に沸騰することなんてそんなにないからさ。
あとわかりあってる度でいったらこの二人がいちばんわかりあってるんじゃない?
そういえば住民と訪問者のやり取りがまさしくチューリングテストで例えられてたのもここだったね。
Chocolate Hideout
やたら綺麗に汚れた記憶
たぶん「見ず知らずの人間」でも「知っているはずの誰か」でも行けるルート。
結構好きな人多そうなエンディング。
自分はアイス→キャラメルと進んできたので、彼女普通にいい子なこともあるんや⋯と思いました。住民もまともだしね?
検索場面で「ウイルス」でミラウイルスのことを知るのが想定パターンなのかな。自分はそのとおりになりました。そういえば明記されてないけど大家さんの旦那もミラウイルスに感染してたっぽいよね。
このエンディングは真相をしったあとに彼女の反応を見直してニ度目も美味しいよね~。今は本物の恋人がいるって言ったときとか記憶がなくなってることに気付いたときとか⋯。
初回は、彼女の誘導に従って「たしかに⋯たしかに⋯」と思いながら読み進めていくの楽しかったなあ。彼女は「危険な恋人」で、それをごまかそうとしてるのか、結構悩んだ気がする。
でも、最終的にこのゲームのキーフレーズで決まるのは素晴らしい演出。住民とシンクロして疑惑が一気に晴れたもん。
このルート、住民が知ってる情報知らない情報覚えてること忘れてることが交錯してるから、話の辻褄合わせるの難しそうだよね。このエンディングに進む前提で最初から見たら楽しそう。
でも帰るのを監視してたのは住民も了承済って言ってたけどどこまで本当なんかなあ⋯。最後にペットボトルの蓋開けてたのもなんか気になるよね?
このエンディングだと最後に彼女の足音が聞こえないので彼女は天使です。
Fool on the Sugar Board
死んで治すほどでない馬鹿でありたい
「彼女は少なくとも知っているはずの誰か」のほうから進めるルートだったかな。
このエンディングはちょっと発想がかたまっちゃってすぐにたどり着けなかった気がする。
このルートはサスペンスみ、ミステリーみが強いよね。まあ途中から殺意があることが分かるしね。殺人の動機は推理小説好きな人ならすぐピンとくるもんなのかな?
そういえば見直して思ったけど、彼女は平日うんぬんの話(=ミス)で出会いのエピソードが捏造だと暗に気づかせようとしてるってことは、最初から「殺さずに済む(=エンディングのとおりになる)こと」を目指してたりしたのかな。焦ってたから、ってことにはなってるけども⋯。
このエンディングも足音もなく去っていくので彼女は天使です。当たり前だよね。
結構意味深な言葉が多いし明確に3人目が登場してたからなんか他にも分岐ありそうだなあと思って結構探してた。
Cheesecake Hallucination
明後日の方向の綺麗な明日を
このエンディング行くのはめちゃくちゃ大変でした! というか1度は試したはずか、試したはずと思い込んでてずっと入力しなかったんよ⋯。
最終的には「彼女は少なくとも知っているはずの誰か」のところで偶然入力して今まで見たことない反応をしたので、進行できる色を探した感じ。
検索で出てくるジャンバラヤ博物館の開業年もおかしいなと思ってたんだけどただのミスかなとか思ってたわけ。「相手があまりにも拙いミスをしたように思えたとき」そのものだったんだねえ~。
エンディングリストの上段はこれとあと一個(Inverted Angel)だったので、分岐発見した時点でウイニングランのつもりだったけどそこからも紆余曲折あって楽しかった~。
チーズケーキがぐちゃぐちゃになって元に戻るまでのエピソードはそりゃ好きになるよな~~って感じだけどここは本当にあったことなのかな??
この彼女は何故か住民の人間性にもやたら詳しいしネタ自体もメタ視点が入り込んでるし特殊な感じする。1つ目2つ目のエンディングで進むことはあんまり想定されてないような気もする?
「タイムリーパー」だと想像したから「タイムリーパー」になれるわけではない、ということを直接言及するしね。
一番このゲームらしいというか、ラストのさわやかさも含めてこれがトゥルーエンディングでもいいようなそんな風格さえある。
Inverted Angel
天使は足音が鳴らない
最後に解放されるエンディング。
ここまでプレイしていれば絶対に彼女のことを誰もが一度は「天使」だと想像しているはず。もちろん自分もそうで、他のエンディングを埋めてついに進めるかもと思ったら実際そうなったのでその時点でカタルシスあふれるルート!
ここまで注いできたポーションの色、なんとなくキーワードっぽかった朝焼けとその色の話、最後にきれいに収まって行くような感じ。窓が割れて以降、なんとなく夜更けっぽい雰囲気が漂ってくるのがよかった。
最後の入力ですけど、「窓」というキーワードで、このゲームでここまで話してきたことを考えたら、ジョハリの窓のことかな?とかそんなことを考えながら進めてた気がする。
因果律の終着点にたどり着いてからの彼女の話はこのゲームのすごくきれいなまとめ方になってるよね。何度か見直して本当にそう思いました。
このあたりはこのゲームでやってきたことそのもので、明確な選択肢は出てこないけど選択は何もかも自由であるわけじゃない、と。
他の彼女の話も、もはや哲学じみてはいるんだけど、妙に含蓄が合って、ここまでやったら頷けるものになっている。
今まで繰り返したきた夜のこと、朝焼けに進むエモいシチュエーションもあって感慨深かったね。
何度か見て気付いたけど、天使という想像をして選択肢が発生したあと、真ん中を選んだ時点でポーションがほんの少しだけ汚れちゃうよね。あの時点でもう真っ白でいられていないんだ…
PARALLELCONNECTION
バッドエンディングも時間があったら後日追記しようと思いますがこれだけは!
普通は「Inverted Angel」エンディングのあとにこれが残るし、しかも一番右下だし、もしかして隠しエンディング(トゥルー)なのでは??って思うよね?
しかも例の窓にいろいろいれると実際なんか他にもありそうな感じでいろいろ返ってくるし⋯。
最終的には片っ端からそれっぽい入力をしまくっても(結構、とんでもなく、いろいろと)うんともすんともいわないし、あのエンディングで納得したので普通にバッドかなーと思って探しました。
もう全部の分岐を見直すつもりで進めたら、運良く例のワードの例の部分を再度見たのでそこでピンときた感じですね。
たぶんグラブラックス居酒屋についてはみんな検索すると思うけど、覚えてるかどうか、覚えててもあのルートでわざわざあの入力をするか、だから相当難関なのは間違いない。
こういう結末もあるよ、ということを出すためにあの情報を入れておいたんだろうな~。
ちなみにわからんわからんと悩みながら思いついたので一番それっぽかったのは、「Fool on the Sugar Board」ルートで想定と殺人の順番が逆になって二人とも刺しちゃう、つまりこれが包丁の並列接続!絶対にそう! と思ったんですが普通に違いましたね。ルートだけは合ってた。
おわり
とりあえず年内に書き終えたかったので書きました。
素敵なゲームをありがとうございました。
好きなエンディングは「Scarlet Icecream」と「Cheesecake Hallucination」。
一番心に来た瞬間はすでに書いてあるとおり、最初に「自分が彼女の正体を確かめなければならない理由」が切り替わったところ、チーズケーキの分岐を見つけた瞬間、チョコレートの最後の答え合わせ、「彼女には選択肢が見えている」、PARALLELCONNECTIONに進めた瞬間かな〜。
このゲームの話はいつでもしたいので、いつでもよろしくお願いします。
ゆっくりお話しようよ 朝焼けはまだまだ来ないんだから
急いで書いた部分も多いので適宜追記修正します。12/31