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「クラフトラムコーラフェス2022」開催にあたり

こんにちは、ラムクラブジャパンの三上です。

先日発表させていただいた、「クラフトラムコーラフェス」についてですが、こちらのNoteにイベント開催の背景や狙いをお伝えしたいと思い、筆をとりました。

クラフトラムコーラフェス2022 ~伊良コーラと全国Barでのラムコーラ祭り~ | Facebook

そもそも、ラムクラブジャパンという法人を立ち上げた際の理念そのものなのですが、日本においてラムの認知・普及を促進するうえで大切にしたいことが3つあります。

①Open Collaboration
‒ラム酒のもつ自由と多様性を踏まえ、異業種や異種のものとの掛け算に積極的にチャレンジする

②On Your Side
‒生産者、酒販業者、バーテンダー、ラム酒を飲むすべての方に寄り添った課題解決とニーズ充足を達成する

③Overseas Market-Oriented
‒海外のラム先進国で評価されるラム酒を日本から生み出すことを目指していく

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まず1点目の、Open Collaborationになぜ至ったかという話ですが、

そもそもラムにはまったきっかけは、「ラム酒が持つ自由と多様性」にあります。ワインもウィスキーの世界ももちろん良いものは良いのですが、成熟している文化である一方で、楽しみ方が制限された世界だなと感じてしまいました。おいしくて楽しければいいじゃん、それで一人でも多くの人に飲んでもらえたらいいじゃん、と思うのです。

ラムというのはまさにそんなことにピッタリのお酒だと思うのですが、残念ながら、日本ではほぼ普通の飲食店に置いていないし、そもそもそのまま飲むもの、という印象を持っている人は極めて少ないと思います。

そんなところから、ラム酒に成長の伸びしろがあると感じ、「ラム酒友の会【Rum/Rhum/Ron】」を設立したのが7年前の2015年ですが、現在のグループ登録者数は2022年6月時点で約3,100人。当時はゼロからのスタートでしたので、そこから増えているのは確かなのですが、その2年前にフランスで作られたラムコミュニティの「La Confrérie du Rhum™」では、2022年現在で4.7万人となっていますし、2016年に作られた「Rhum Club France」は現在1.5万人、つまりざっくりとフランスでは6.2万人はミニマムでラム人口がいるだろうと。(拡大のスピードが全然違う、、、)

両国の人口は、
日本 1億2493万人 2022年6月1日現在 総務省統計局
フランス 約6,706万人 2020年1月1日 仏国立統計経済研究所

ラムコミュニティの人数と人口からラム愛好家の割合をざっくり出すと、

<ラム愛好家の割合>
日本 4万人に1人
フランス 1,000人に1人

フランスはすごいなとも感じますが、それでも1000人に一人です。。。つまり世界的にもまだマイナーです。

こんなラム酒の認知・普及を促進する為のアプローチとして「もはやラム酒以外の大きなマーケットの力をかりて、ラム酒を広める」ことをやらない限り、広がらないな、と悟りました。

次に2点目の、On Your Side

この言葉は、私の本職であるコンサルティング業でとあるクライアントが経営方針としている言葉をそのままパクリました。とても良い言葉です。

私が自身の仕事をするうえでもっとも重要としているのが「想像力」であり、この言葉をあえて英訳するならば、On Your Sideという言葉がぴったりなのです。

ビジネスの相手が、何をミッションとしていて、いまどんな状況に置かれていて、何に困っているか、どういう内容を話すのが良いか、どのような伝え方をするとうまく伝わるか、など、それが得意先の方であれ、社内の上司、同僚、部下であれ、相手の像を想い浮かべられない人には、100歩譲って仕事はできたとしても、ビジネスの相手が気持ちよく仕事をできることはないでしょう。

また、大企業の企業変革を専門とする仕事柄、会社のあるべき未来像を可視化するとともに、どのように最終ゴールに向かっていくかという途中過程の部分はクライアントの現時点の実力値などを加味しながら伴走をしていかないと独りよがりな話になってしまいますので、ここでも相手に寄り添う、ということがやはり必要になってきます。

これをラムの世界に置き換えると、川上から川下まで、サトウキビ農家、ラム酒の生産者、酒販業者、卸・仲介業、バーテンダー、そして愛好家の皆様、さらにはまだラムを飲んだことのない方までが、すべてクライアントであり、そのような方々のニーズや困りごとに寄り添わない限り、それは仕事として成立しないのです。

一人一人に寄り添うOn Your Sideの精神を常に持ちながら、普及活動に臨みたいと考えています。

そして3点目の、Overseas Market-Orientedですが、

この点は今回のイベントには直接的には関係ないものの、お伝えしておきたいこととしては、日本のマーケットも大事だが、「世界にアピールをきちんとしていくべきだ」ということです。

以下、国税庁の資料は、酒類の国内販売数量と輸出数量の変化を示しています。国内販売はコロナの影響が出る前からダウントレンドが続いておりますが、輸出はコロナ前(2019)までで、2013年の約2倍と着実に増えています。

また、以下の資料は酒類輸出の詳細ですが、ウィスキーと清酒の伸びが顕著です。この大きな要因となっているのがサントリーウィスキーのISC金賞受賞と日本食の無形文化遺産登録と考えられます。国内ではビールや焼酎、ワインなどが良く飲まれている印象はありますが、実は輸出金額という観点からは、海外で評価をされているお酒の伸びが顕著なのです。

つまり、海外に打って出て、そこで評価されるべし
これが超重要。(酒に限った話ではないですが)

ちなみに、焼酎もいまヨーロッパで人気が出始めているようですのですが、これもちゃんと海外にアピールをする活動を様々な方が行っている成果の現れと思われます。

今回のクラフトラムコーラフェスでも、我が日本のクラフトラムである大山甚七商店様のアコウラムを選定させていただいておりますが、多くの日本人の目に触れ、味わっていただき、世界に打って出る為のきっかけの一つになればと思っています。

日本人でラオスでラムを作られているRAODIの井上さんも、「世界に打って出ろ、失敗してもいいじゃないか」といったメッセージを4月のイベントの際に強力に発信されていましたし、今年はラム酒の蒸留所が新たに4-5か所稼働する予定のクラフトラム元年、でも最初から海外を目指そう、ということを強く意識したいと思っています。

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フライヤーからして軽めのノリの「クラフトラムコーラフェス」ではありますが、特に①②を意識した取り組みとなっています。

①クラフトコーラのパイオニアである「伊良コーラ」様とのオープンなコラボレーション
②生産者、酒販業者、バーテンダーの方々と共に協力しながら、ラムを飲んでもらう機会を増やすこと(結果皆のうれしさにつながるはず)

いきなり通知が来て、なんだこのイベントは、と思っていらっしゃる方も多くいらっしゃると思いますが、我々なりの考えで普及を大真面目にやっていこうと思った結果として、このイベントがあります。

本番開始は来月7月からとなりますが、ぜひ一人でも多くの方にラムを飲んでいただくとともに、日本中のラムバーの皆様と協力してラムを盛り上げていけたらと思っていますので、ぜひぜひ応援のほどよろしくお願いできればと思います。

Rum Club Japan 代表理事 三上雄三

こちらもご参加よろしくお願い致します!

ラム酒友の会【Rum/Rhum/Ron】 | Facebook

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