「ナイチャーは嘘をつく」へ反応した私のツイートへのご批判と、それに対する見解(謝罪及び訂正含む)その③
こちらの記事は、前回の
「ナイチャーは嘘をつく」へ反応した私のツイートへのご批判と、それに対する見解(謝罪及び訂正含む)その②
の続きです。その①で紹介した私のツイート
https://twitter.com/yuzo_takayama/status/1389827322283397122?s=20
に対する3つの批判、
①「ナイチャー」が侮蔑的または差別的な言葉かは文脈で変わる
②沖縄島でもやまとぅんちゅはマイノリティにはならない
③構造的差別の加害者側であるやまとぅんちゅに遠慮して、被害者側のうちなーんちゅに完璧さを求めるな
のうち、
②沖縄島でもやまとぅんちゅはマイノリティにはならない
についての見解をお伝えしていきます。
こちらの批判に関しては、私も再度熟考を重ねた結果、その通りだと言わざるを得ないという結論になりました。
当初ツイートした
「沖縄島の中のマジョリティはうちなーんちゅ、マイノリティはやまとぅんちゅ」
という内容は訂正し、お詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
ではここから、なぜその考えに至ったかをご説明します。
当初は、次の2つの状況を想定していました。
A.大和からの移住者が、沖縄のムラ社会が色濃く残る地域に移り住み、そこで周囲の地元民と馴染めなかったり、冷遇されてしまう状況がある事
B.沖縄島の中で、県議会や市町村議会において、政治的思想は別として共にうちなーんちゅの議員が圧倒的多数である事
ここから、
日本全体ではうちなーんちゅはマイノリティだが、沖縄島に限ってはマジョリティ。
逆に日本全体ではやまとぅんちゅはマジョリティだが、沖縄島に限ってはマイノリティ。
という考えに至ってました。
そしてそこから、ご批判をいただいて更に深く考えてみました。
A.については、まず、ムラ社会が色濃く残る地域及びそこへの移住という状況は、沖縄の中だけに限った事ではなく、日本全国どこにでもあるという事に気づきました。
そして、沖縄の場合、ムラ社会だから単に余所者に冷たいというよりも、これまでの大和からの構造的差別を受けてきた歴史があり、そこをやまとぅんちゅとして理解しているか否かが大変重要です。時々、やまとぅんちゅの方の沖縄移住ブログなどで、「周りの地元の人達とうまくいっていない」という内容を見かけますが、よくよく読み進めていくと、やはり大半がそういった歴史への理解が圧倒的に低いと感じます。
沖縄は元々琉球という日本とは別の国でしたし、言語も文化も違っていました。それにも関わらず現在多くのやまとぅんちゅが移住出来てしまうのは、過去にやまとぅんちゅの為政者たちが圧倒的な権力を持って日本の一部に組み込み、琉球沖縄の言語を奪って日本語を強制したからです。
つまり、やまとぅんちゅが沖縄に移住して日本人として暮らすという選択肢が諸外国に比べて容易なのは、過去の琉球沖縄への加害の歴史と構造的差別の上に成り立つ「特権」という事が出来ます。
沖縄の中でもそういった「特権」を持つやまとぅんちゅを、果たしてマイノリティと捉えて良いのでしょうか。
なぜなら、マジョリティとマイノリティという区分は、単純に数の多い少ないが基準ではありません。むしろ相対的な権力の大きさや社会的地位などによって決まるからです。
同様の視点でB.についても考えてみました。
沖縄県議会議員や、市町村議会議員などの大半は確かにうちなーんちゅですので、議会での議決権という権力を持っているのはうちなーんちゅと言えます。
しかし、その議員の議決や政策の中身を見ると、例えば基地を容認して見返りに政府から補助金を沢山もらうというような、むしろ日本のマジョリティ側の大和に迎合し、構造的差別を解消しないどころか、固定化しようとしている人達もたくさんいます。
沖縄の基地負担軽減がなかなか進まないのも、自民党沖縄県連を筆頭にそのようなうちなーんちゅ議員が多い事もかなり影響しています。
ですので、沖縄の中の議員の議決権という視点で見た時、単純にうちなーんちゅの議員がたくさんいる事が重要なのではありません。うちなーんちゅでも大和に迎合する議員が半数近くいるため、その議決によって構造的差別は解消されず、多くのうちなーんちゅは政治的不利益を被り続けます。
これでは、例え沖縄の中であっても、うちなーんちゅがマジョリティだとは言えません。
ではここで改めて、冒頭のA.とB.の内容の訂正結果をまとめます。
A.大和から沖縄へ日本人として比較的容易に移住できるのは、琉球沖縄の加害の歴史や構造的差別の上に成り立つやまとぅんちゅの特権であるため、沖縄の中でもやまとぅんちゅはマイノリティとは言えない
B.沖縄県議会や市町村議会の議員の大半がうちなーんちゅであっても、大和に迎合する議員も半数近くおり、構造的差別が解消されにくいため、多くのうちなーんちゅが政治的不利益を被る。よって、沖縄の中でもうちなーんちゅはマジョリティとは言えない
ですので、
沖縄島でもやまとぅんちゅはマイノリティにはならない
というご指摘、ご批判はその通りですし、同時に
沖縄島でもうちなーんちゅはマジョリティにはならない
とも言えます。
以上。
次回、
「ナイチャーは嘘をつく」へ反応した私のツイートへのご批判と、それに対する見解(謝罪及び訂正含む)その④
に続きます。