バカの逆襲!
ばか【馬鹿】
・愚かなこと。
・社会の常識に欠けていること。
・知識が劣り愚かなこと。
・つまらないこと。無益なこと。
・役に立たないこと。機能を果たさないこと。
・記憶力理解力などが人と比べて劣っていること。
いろいろなシーンで使われるこの馬鹿という言葉について少し考えてみた。
かつて知人が「本当の馬鹿にバカって言ったら激怒するから気をつけろ!」と私に忠告した事がある。
その時はまだ私も若っかったので「だろうな」ぐらいにしか感じてなかったが、この馬鹿という言葉、人に対して発してなくとも、かなり数多く心の中で頻繁に出て来るワードである事に気づいた。
「ばかなことした」
「危ないなぁ、ばかじゃないの?」
「このネジ、バカになってる」
「あいつ野球バカだから……」
心の中で発する分には何の問題も生じないが、いったん表に出すとそれは凶器になり、大ごとになる。
言葉だけではなく、態度でもバカにした態度が相手に伝わると、即バトルに発展するのである。
それは対象物(人)に対して明らかに高い位置からの発言や態度の表れだからである。そう『上から目線』なのだ。
意識の格差を心の中で創造し、上位に立って相手にぶつける行為、言葉である。
近年それに対抗する低い位置から一気に体勢を入れ替える「意識高い系?」という言葉が若者を中心に広がって来ている。
本来は肯定的(能力が高く、知識も豊富な人材)な意味で使われていた言葉だが、最近では否定的(過剰な演出、中身が伴っていない、自意識過剰)な意味合いが強く含まれている。
バカの逆襲である。
これは必然的発生であり、今までの人類の歴史から考察してもこの世の中を本当に動かしているのは大衆の無意識の行動である。「意識低い系」の動向が世の中を動かしているのだ。
私はそのバカの中の一人であり、最も平均な日本人の一人である。
すべてを意識しながら行動してはいないし、過去の行動を振り返っても愚かで無意識の行動の方が圧倒的に多いのである。
人は誰しも特定の興味のある事についてごく少数の周りの人達より、多少知識があったりする。そして心の中で優位に立って発言したりする。その心の中の格差が相手の無意識の発言に対して『馬鹿』という表現を生み出すのである。
共通概念が多様化し『常識』が崩壊しつつある現代社会で一般大衆という括りで物事を考えた場合、【意識・無意識】のスイッチひとつで【馬鹿・利口】の判断を我々は無意識のうちにしているのである。
人によってはこんな事考察するのはお前ぐらいと馬鹿にするだろう。
そう今この瞬間は私は馬鹿という分野での『意識高い系』で、「こんな事お前らは意識した事ないだろう?」と思いながら、高い位置から物事を述べている愚か者である。
The Beatles "The Fool On The Hill