ナショナルリーグを振り返る Week1-Day1
皆さんこんにちは。エタリタeスポーツ大好きおじさん兼ER Partnerの10pと申します。ゆずみとも言います。
延期を経てようやく始まったナショナルリーグ、ERM公式放送で実況を務める局員さんとミラー放送なんかをしつつ観ていますが、折角なので記事を書いて振り返ることにしました。
こちらはシリーズにして連載していくつもりなので、興味のある方や放送を見れなかったけどまとめて振り返りたいといった方はぜひ。
各ラウンドの大雑把な印象と、その日の総括、最後におまけとしてラウンド優勝を取ったチームの構成について幾つかお話するような形を取りたいと思っています。
ナショナルリーグについてはこちらを参照してください。
前置きはこの辺にしといて、早速振り返っていきたいと思います。
各ラウンド振り返り
アーカイブのリンクはこちら(韓国語)
Round 1
まず最初に驚いたのはDH.CNJのBeobeoのレニピック。
DH.CNJと言われるとピンとこない人もいるかも知れませんが、ここは以前Trickstersとして知られていたチームです。Beobeoといえばエマ職人としてエマ以外のピックを全く使わないプレイヤーでしたが、今回KCWヤン、100sooダイリンの2ファイターのラインに合わせる為かまさかのレニ。が、あまり振るわなかった様子で、終始「なんだこれは」という感想がありました。
DH.CNJの本来の持ち味とは食い違うような……
実際、2キル8位という苦しい順位につくことになった様子。
試合展開としてはレア素材のドロップ運などにも恵まれたGyeonggi Innateが終始試合のペースを掴み勝ちきったといった様子。
終盤、秒数の少ないNalmuckを残したall ways INCHEONが禁止区域の洋弓場で蘇生を試みたところにもしっかり駆けつけ処置を取りポイントを上乗せしている展開もあり、ラウンド1からかなりがっつり稼げていた印象です。
Round 2
Round1のピックによるキャラクターBANは無し。
次ラウンドではマイがBANされる形になります。
前ラウンドではテオドールを出しており、もう見れないのか……と落胆もあったLuminal彰一が突然帰ってきたラウンド2。
他にも、ビアンカOTPだったXboyは前ラウンドに続いてこちらもビアンカではないピック、槍フィオラを選択しました。
GJ Slasherはこたつさんのインタビューでも言及されていた通り、ピックプールの狭さを補強しようとしている動きがあり、それが早速動き始めているという様子です。
前ラウンドであまり手応えを掴めていなかったであろうDH.CNJは継続してのレニピックでしたが、今回は6位という順位ではあるもののFK8を獲得しています。
順位ポイントこそもらえてないものの、前ラウンドの成績と比べたらかなり上々といえるところ。
一方で、圧倒的な安定性がウリだったMIRAEN SEJONGが7位、前ラウンドで好成績を出していたGyeonggi Innateも8位と、2ラウンド目にしていきなり波乱の展開を匂わせる順位。
総括にも書きますが、MSJは今回の構成は爆発力こそあれど今までの構成にあった安定感は少し損なわれたような印象があります。
さて、問題のLuminal彰一。結果としては9キル2位と悪くない成績です。
欲を言えばラウンド優勝を取って勢い付きたいところではありましたが、最後はMangnaniのビアンカRに制圧をされてしまうような形で敗北してしまいました。
どちらかというとall ways INCHEON側の入り方に少々焦りがあった雰囲気で、それに対してDAEJEON CYBERS側はエリアの主導権を活かして対処しきった、と言った勝ち方。
DAEJEON CYBERSはチームとしては新興寄りですが、個々のメンバーは大ベテランの集まりで、そういった経験による冷静さが光った瞬間かなと思います。
Round 3
Round2のピックによりマイがBAN。
次ラウンドではBANはありません。
マイがBANとなり代わりに出てきたのがアロンソ、エステル、シウカイの3人。MSJについては元々はマイを使っておらず、BANの為に合わせたといった雰囲気なので、構成が崩れた印象は特にありません。
一方で、all ways INCHEONについてもエステルはDongyeの象徴的なピックであり、ing9も持ち前のピックプールの広さ故に、あまりマイBANによって構成そのものを破壊されたというチームはないようです。
一方で、構成という直接的な部分以外で打撃を受けていたのがall ways INCHEON。
このチームはマイの固有装備であるミスリルクロップを通してチーム全体の装備コストを減らすという作戦を取っていました。
具体的には、ブラックマンバを採用したNalmuckのタンク型エキオンにおいて主流の胴装備であるガーディアンスーツ(フォースコア)を100クレジット安価に済むミスリルクロップ(ミスリル)で代用することで、その分の余剰クレジットをキャリーであるLuminalの彰一に費やすというプランを実現できています。
ガーディアンスーツからミスリルクロップに置き換えることで「悟り - 先鋒」の効果は失ってしまいますが、ミスリルクロップの破格のステータスを見ると代用装備として十分通用することがわかります。
加えて、マイが製作できるクチュリエはステータス変更を経て現在は聖法衣の完全上位互換となっており、そういった面でもチーム全体の強化ができていたという形。
このラウンドではそういった強みを失うことになったのがINCにとっては打撃でした。結果的に、港でのファイトに勝ちきれずGyeonggi Innateに敗れ5位という形に。とはいえ、TK8での脱落だったことや、対面したGINの装備状況などが非常に良かったことを加味すると、Luminalが彰一を出したこと自体は上手く行っている印象です。おかえり。
このラウンドではここまで安定感を欠いていたMIRAEN SEJONGやSeongnam ROX(旧Strike)が引き続き低順位での脱落となっており、両者ともに安定感が売りだったところを挫かれている印象が。
また、ここまで安定していたGJ Slasherについてもあまり芳しくない順位での脱落となってしまっています。
代わりに、Beobeoの謎のレニをやめたDH.CNJが9キル4位とアグレッシブさを少し取り戻しつつある雰囲気を醸していたり、最近になってBumのフィオラを起用し始めたBNK FearXも上位へと残る形になっていました。
しかし、最後にラウンド優勝を取りきったのはこの日最も勢いに乗っていたGyeonggi Innate。
Zerojinヘイズの少々前のめりなインから一気にE8を落とし、カウンターで入ってきたところをDaSooのハートRで対処し切るという、構成の強みを発揮しきったきれいな勝利を収めました。
Round 4
Round3のピックによるキャラクターBANは無し。
次ラウンドではマイがBANされる形になります。
このラウンドからMIRAEN SEJONGは本来の調子を取り戻したような雰囲気があり、オメガや航空補給物資などのオブジェクトを順々に制圧、正面からのファイトも上々の成績で一気にポイントを稼ぎました。
また、意外な展開となったのがここまでずっと安定感を出していたDAEJEON CYBERSが6キル7位で落ちるという形に。
驚きの展開だったのは、MIRAEN SEJONGとBNK FearXに襲われる形でing9を欠いてしまったGyeonggi Innateが全員生存のall ways INCHEONと勝負をし、GINもここで脱落か……と思いきや、DaSooハートのRと連携して死に際にとんでもないバーストを吐いたZeroJinの功労により、人数差を覆しNalmuck以外の2人を撃破。
最終的に、臨時セーフゾーンに入らせまいとプレッシャーを醸したMIRAEN SEJONGによりチームは分断され、DaSooはセーフゾーンから締め出され自爆という結末を迎えてしまいましたが、印象深いファイトだったと思います。
最後に対面したのはこのラウンドでは一気に12キルを獲得し流れを掴んだMIARAEN SEJONGと、序盤のラウンドで安定感を醸していたGJ Slasher。
しかし、墓場のセーフゾーンを先に陣取っていた相手に対してGJ Slasherのマイ、フィオラ、テオドールの構成では入りにくさがあり、対処しきられる形となりました。
墓場のセーフゾーンの横の壁の関係で、先に陣地を取れていないとテオドールが有利な直線的な地形を選べなかったのがキーポイントだったと思います。
XboyとNizikaによる猛攻をdananaがエステルRを用いて一人で耐えていたというのもポイント。
Round 5
Round4のピックによりマイがBAN。
次ラウンドではBANはありません。
このラウンドはピックの面で変化が多く見どころが多かったです。順番に見ていきましょう。
まず、BNK FearXのRosnerバットスア。特性にはなんと応報が選択されています。
応報は敵実験体の攻撃を受けることでスタックが30まで蓄積され、1スタックあたり0.2%のダメージ軽減、30スタックの状態でオートアタックを敵に命中させることでスロウを付与するという特性ですが、スアにおいては少々特殊な役割を果たすことになります。
というのも、スアのスキル使用後のパッシブ強化AAでは応報が発動しません。
つまり、応報が最大スタックまであっても、スキルを3回振った後だとしたら4回目のオートアタックまで応報の追加効果が発動しないという形に。
最初はなにかのミスか?と思ったのですが、Rosnerはソロランクでもこの特性を時折使用しており、金槌は不壊、バットは応報と使い分けている様子。
それ以外の構成面の変化で言うと、Bumがフィオラからデスアダー型のエキオンとなっています。
Nalmuckが使い続けているブラックマンバエキオンとの違いとしては、硬さが全くと言っていいほど無い代わりにオートアタックとその強化に関連するスキルで圧倒的なバーストダメージを持っています。
E8の戦術スキルと特性も吸血鬼プロトコル違反の組み合わせから霹靂ストライダーになっており、少し遅れたタイミングで応報のスロウが刺さる→敵を逃さないといった寸法に収まったりと、全体的にチームの戦略の傾向が少数を捕まえてのバーストによる短期決戦にフォーカスを当てていることがわかります。
DH.CNJはやはりレニではなかったのか、増幅ドローンヤンと武力エマの構成に戻ったようです。
特性の変化を見ると、レニを入れた構成では少し戦闘を長引かせるように、一方でエマを入れた構成ではBNK FearXのように短期決戦型を目指しているように伺えます。
all ways INCHEONの構成はほとんど変化が見られませんが、キャリー役が競技シーンだとかなり珍しいアビゲイル。
……しかし、レヴェナントなどを込みでもいまいちダメージの出力が奮わず、逃げ性能の乏しさも祟ってあまりうまくは行かなかった模様。
あまり彰一から変えた理由がわかりませんでした。もしかすると、何らかの理由で彰一を避けなければいけない理由があるのかもしれません。
最後に大きく変化があったチームとしてはSeongnam ROX。Seogunamuが外れHyangGiが出場し、Strike時代に見慣れた構成を引き出してきました。
競技シーンではダメージディーラーとしてだけではなく罠での視界確保やエリア制圧、Rでの長距離からの束縛と陣形へのプレッシャーなどのユーティリティ面を買われているバニスの出場です。
それ以外はあまり変わらずと言った形ではありますが、Seongnam ROXはこの構成に戻したところから一気に躍進し、勢いに乗っていたGyeonggi Innateも下して1位を獲得します。
やはりStrike時代からずっと使っていた構成というだけあって圧倒的に洗練されており、池合流からの想像を絶する量のアイテムのやり取りで素早くルートアイテムを完成させてファームに取り組むなどStrike時代に見せていた安定感を再び見せてくれています。
最後の局面では狭い通路から最終セーフゾーンに入り込んできたGINに対し、陣形をコントロールして上手くその通路から戦いやすい広いスペースに出させず押し込めることでDD0とHyangGiがディールしきる形での勝利を収めており、戦い方については綺麗というほかありません。
Round 6
Round5のピックによるキャラクターBANは無し。
次ラウンドではマイがBANされる形になります。
少し追い上げを見せていたMIRAEN SEJONGでしたが、このラウンドでは惜しくも8位落ち。要所要所でいいところはあったんですが、今日の結果としては奮わない形に。
また、今日一貫して好成績を残していたGyeonggi Innateも7位と、波乱のラウンドです。
最後は時間争いでall ways INCHEONをDAEJEON CYBERSが下したりという展開もありつつ、最後はSeongnam ROX vs GJ Slasherという構図に。
この時点でSeongnam ROXは3キルしか持てていませんでしたが、構成は先程も使っていたシウカイ、バニス、ウィリアムの構成で、先にエリアを取れた関係からバニスのエリア制圧力が光ります。
結果、GJ Slasher側が罠を無理やり踏む形で強引にテオドールRを通してインしたものの、ウィリアムが的確に引きながらのディールに成功し大きなキル差を覆しROX側が勝利。序中盤こそ奮わなかったものの、調子を取り戻して2連続優勝でDay1を締めくくります。
Day1総括
各チームの所感をざっくりまとめて締めようと思います。
毎回メンバー固定なんで、今回はチーム名だけでメンバーは省いちゃいます。
MIRAEN SEJONG
以前はあった安定感が無くなってしまったな、という感じがありました。
Romaticのつばめの起用によってちょっと前のめりになってるのが原因かな?と思います。
ただ、MSJの強みと言ったらSerenityコーチとの連携で日を跨いだらすぐ問題解決をしてしまうような修正力の高さなので、Day1が真ん中位の順位だったならDay2で大暴れする可能性もあるというのが見どころです。
要所要所で足音と夜の視界の狭さを利用した不気味な待ちを活用していたのはこのチームだけなので、そういった面で勉強にもなるのがこのチーム。気になる方はアーカイブを観てみましょう。
BNK FearX
普段の大暴れっぷりから比べるとちょっとおとなしいな、という感じはありましたが、それでもいい点数を稼げていたと思います。
大きくコケたという印象はないのでDay2が楽しみなところ。
SeoEunSeolが会社員と兼業で日々Xで「忙しい」「チェックポイントルール 明日仕事 もう怖い」等々涙あふれるpostをしておりDay1は出場がありませんでしたが、Day2は(SeoEunSeolの勤め先が正常な週休二日制であると仮定した場合)翌日休みということで普通に出場できることが見込めます。
そうなると今日より構成の柔軟さなどが出るし、対応できる局面が増えるかと思います。そういった変化に期待したいところ。
DAEJEON HANA CNJ(DH.CNJ)
折角なので正式名称を書きました。今日の印象としてはやはりぱっとしなかったな……という感想が出てしまいますが、要所要所でTricksters時代の良かったファイトを見せてくれて「これだよこれ!」と思わせてくれるシーンはあったので、上手くそれを掴んで欲しいというところがあります。
メタ的に今まではDogamjaを入れることで構成が歪んだり目論見が滑ったりということがありましたが、昨今の環境においてはDogamjaの使えるメイジ系のプールが役に立つのでは?と思うので、Day2はDogamjaの出場に期待したいところ。
all ways INCHEON
Byte Breakers時代の象徴的なピックであるLuminalの彰一が帰ってきたことがとにかく喜ばしいです。テオドールを使い始めたときは「どうしたの?」と思ったし、それが調子良くて擦り始めた時は頭を抱えました。やっぱりBBやall ways INCHEONに期待しているのはLuminal彰一なんだ……
が、やはり以前言及されていたバグが残っているのか、はたまた別の理由があるのか、何か彰一以外を使える必要があってピックプールを広げようとしているところがあるなあという印象です。さっきも書いた。
一体何があるのか。
Gyeonggi Innate
Day1の試合ではレア素材のドロップに恵まれていたというのもありましたが、ZerojinヘイズとDaSooハートが冴えまくりで、目立ちにくいもののing9も相変わらず縁の下の力持ちとして素晴らしいパフォーマンスを発揮していました。
メンバー全員が調子良かったな、という感じがします。
Day2もこの調子を維持できるといいですが、どのチームも真っ先に警戒してくるのはこのチームのはず。それにどこまで抵抗できるか、というところな気がします。目下一番怖いのはMSJかな。
Seongnam ROX
断じてSeogunamが下手ということは無いのですが、如何せんStrike時代のBoBmalsa、DD0、HyangGiの連携の完成度が凄まじいのと、バニスが刺さるシーンが多かったことから終盤の追い上げが実現できたのかなと思います。
もちろん、この構成を使って長いこと戦っているので他のチームもある程度対抗策を用意しているはず。Day1終盤の追い上げのペースを維持できたら非常に強力ですが、そこを食い止められないよううまくやらなければいけない……。逆に、Seogunamの加入は今までにない変数だったので、それを上手く活用できると良いんですが。
GJ Slasher
最近URS4コーチへのインタビュー記事もあったので日本での注目度も高いチームかと思います。
Pray時代にあった攻撃性はちょっと控えめになって、安定性が重視された日だったかなという気がするので、もう少し攻撃的になってキルポイントを取れたらここからバッチリ伸びるような気がします。
ちょっとファイターが逆風な環境(ブルーザーやタンクでないとそもそも耐えられず戦闘の土俵に立てない)なのもあって、Nizikaのファイターが得意という分野を活かしきれないのが少し辛いところかなあというところ。
Anonymousが出場しなかったのも気になりますが、Xboyは確実にピックプールを広げており、印象も悪くなかったので、ナショナルリーグという長期戦を考慮した時に将来性◎という感じがします。
DAEJEON CYBERS
MangnaniとCadmus(SKS)が同じチームにいる上にRevoluまでいるという、アーリー時代からの観戦おじさんが見たら卒倒しそうなドリームチームですが、流石に大ベテランといったところか、難しそうな構成を擦り続けて好成績を残しています。
Mangnaniのビアンカが完全にサポート要員というのがキーポイントで、やや逆風な中ファイターを二人並べて繊細にファイトを勝ち切る様子や、戦闘においてミスコミュニケーションらしいシーンが全く見えない息の合った様子など、チームとしては新興ながら完成度の高さを見せてくれる素敵なチームです。
1位のGyeonggi Innateとは差をつけられてしまっていますが、そちらと比べると対策の優先順位は落ちることから実は一番おいしいポジションにいるのではないかという気もします。
おわりに
そんな感じでもう9000文字になってしまいました。Day1の振り返りでした。
今回は連載になるのでこのペース(文章量)で書いてたら正直身が持たないし、何より読者の皆さん(いつもありがとうございます)も疲れてしまうと思います。
なので、連載を通して少しずつ端折れるところを端折ったり、ハイライト風に場面を絞ったりといった形で読みやすいように模索をしていきたいと考えています。
よろしければお付き合いください。
Day2についてもミラー観戦放送を行う予定なので、皆さん是非お越しください。
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