DUNU-TOPSOUND Davinci 所持機
概要
実は2DD4BAという複数DDの機種ということで、最初は身構えていたというのが正直なところです。
最近になって複数DDを積む機種が増えてきたなと感じています。
その中でもUnique Melody 3D TerminatorやMoondrop Bressing3なんかは割とまとまっていましたが、最近聞いたBinary Dynaquattroは4DDというかなり攻めた構成のせいか、まとまりがない散らかった感じを受けました。
今回のDavinciはその点でいうとかなり完成度は高いです。複数DDに複数BAというハイブリッド構成ながらも、シングルドライバーで鳴らしているかのようなまとまりの良さと、音色の柔らかさ、繊細さ、という各ドライバーの特色を生かした音に仕上がっていました。
音について
全体的には刺激の少ない、耳あたりが柔らかい音です。
帯域のバランスは中・低音よりで、若干低音が強めに出ます。高音域はおとなしいうえに、非常に繊細で刺激を感じることはあまりありません。音場感は普通~やや広いというくらいで、特筆するほどの広がりはありません。距離感が適切で、定位もよいです。
各音域の特徴として、まず低音域。
サブベース域・低音域ともに強めに出ています。ダイナミックらしい量感と迫力のある低音域です。キレが悪いわけではなく、ボワつかず引き締まって、弾力のある低音になっています。崩れやすいサブベース域の音像も保ったまま鳴っています。
音の広がりも程よく、立体感を感じられる素晴らしい低音だと思います。
次に中音域。低音域の強さの影響で、非常に力のある中音になっています。管弦楽器やピアノの鳴り、声の力強さがダイレクトに伝わってきます。そのせいで音像が近いようにも感じるかもしれませんが、距離感は標準的だと思います。
最後に高音域。非常におとなしく、主張に乏しい高音域だと感じました。聴く曲のジャンルによっては物足りなさを感じるかもしれません。繊細な音ですが、強さと空気管には若干欠ける印象です。いわゆる伸びる高音、抜ける高音を求めると今一つそれらに乏しいと思います。それがこの耳あたりの良さということなのですが、激しい曲よりはゆったりした曲のほうを得意としているように感じます。
総評
A50Kとしては非常に高い完成度のイヤホンだと思います。
多DDを採用することで、特徴を持った低音を出すことができた成功例だと感じます。低・中音寄りのイヤホンを求めるときには選択肢の一つとして聴いてみる価値は十分あります。高音域の大人しさは、普段聞いている曲によって好みがわかれる点だと思いますが、全体としてはコンセプト通り綺麗にまとまっていると思います。ほぼ同価格帯のDITA ProjectMの高音がどうしてもきつ過ぎて苦手という方には是非お勧めしたい。
複数DD搭載機への偏見を払拭してくれたイヤホンですね。良いイヤホンだと思います。