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花火の祝祭性から逃げられない.

 2022年8月27日に大阪で3年ぶりに淀川花火大会が開催された.
私が掲げている今年のテーマは「祝祭性からの解脱ゲダツ」で、今年の正月にも“祝祭性との付き合い方”について文章を書いていた.

 私の住んでいる家は淀川の河川敷にとても近いので、音はもちろん、乱反射する光が空や道路や家々に降り注ぐのを確認できた.
先述した通り、今年のテーマは「祝祭性からの解脱」.
祝祭性と距離を置く生活に突如として現れた祝祭性テロリスト.

 音や光が至る所に飛び散る中で、私は花火の放つ祝祭砲をまともに喰らい、祝祭性との鬼ごっこに一時敗北してしまった.

 解脱に失敗した私は強制的に振り出しに戻されてしまい、またここから始まる競争への支度に忙しくしている中で、祝祭性のとてつもない引力を体験できたのは、おそらく大阪で自分だけだろうと思った.

 解脱への道は開かれたまま、花火の恐るべき引力の標的となったことを思うと、やはり「離脱」ではなく「解脱」という言葉が的確であることを認識した花火大会だった.

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