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そこは常春、昼下がりのカフェテラス。 「デグレスピルナさん、この間、バナナの記事書かれてたじゃないですか」 ケーキを突いていたマリオルミューズが唐突に話し出す。 「え、あれ? noteのやつ?」 運ばれてきたコーヒーを軽く会釈して受け取るデグレスピルナ。 「そうそう。レーテンスバンカさん、すごく喜んでましたよ」 フォークでこそいで薄くなったケーキがパタリと倒れる。 「あ、そうなの」 そっけない返事とは裏腹に、口角上がり気味のデグレスピルナ。 「わたしも読みましたけど
「大変申し上げにくいのですが」 白衣を着た初老の男性が、カルテに目を落としたまま、こちらも見ずに淡々と告げ始めた。私はその態度に少し苛立ちを覚えつつ、申し上げにくさの要因を思って覚悟する。 「あなたの余命は200年です」 200年。 200年? 「200日、ということですか」 半年以上はあるが、何かを成すには短すぎる。さて、何から手を付けたものか、まずは計画を練らねばなるまい、そういえばそういう映画もあったな、あれは金持ちだから成り立つものだったが、とりあえずリストを