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【コトリ会議】インタビュー企画④「原竹志」

どうも、劇団CLOUD9の小沢佑太です。
コトリ会議の新作公演『おかえりなさせませんなさい』、2週間前に突入しました。いよいよ本番も近づいてきて、インタビュー記事の公開ペースも上がってきています。盛り上げていきたい…!よろしくお願いします。

2024年12月5日(木)〜9日(月)
コトリ会議 伊丹公演
『おかえりなさせませんなさい』
伊丹市立演劇ホール(AI・HALL)

今回のインタビューは原竹志さんです。
1人1万字インタビュー。凄いスピードで文字起こしをしてくださっている共同制作の菅本さんに頭が上がりません。ありがとうございます。

原さんは兵庫県尼崎市にあるピッコロ劇団にも所属しており、他の方々とは少しご経歴と状況が異なります。そのあたりも赤裸々に語ってくださいました。ごゆっくりお楽しみください🔻

インタビュー企画④
「原竹志」

自己紹介

[左] 小沢佑太  [右] 原竹志さん

小沢:よろしくお願いします。自己紹介をお願いします。

:自己紹介ですね。兵庫県立ピッコロ劇団というところで演劇をやっておりまして、現在、コトリ会議もやっています、原竹志です。メインの役職って言われるとちょっとあれなんですけど、俳優をやっていて、台本書いたりあと演出もします。もし世界に何もなくなって、ゼロから演劇を立ち上げようとしたときに、必要な力は全部持っておきたいなと思って、台本・演出、俳優もやろうと、若い頃はそういうつもりでやってました。なので演劇全般に強くあろうとして育ってきました。

小沢:今おいくつですか。

:43です。

ピッコロ演劇学校へ

小沢:演劇を始められたのは?

:始めたのが高卒なんで18ですね。

小沢:25周年ですか。

:そう言われるとそうだ。やばい。でも最初はピッコロ演劇学校っていう兵庫の県立の演劇学校に行ってました。

小沢:今働かれているところですか?

:そうですね。ここには劇場と劇団と演劇学校の三本柱があるんですけど、そこの演劇学校の本科と研究科があって、本科1年・研究科2年行きました。それが21歳までかな。その後、オーディションを受けて劇団に入ったみたいな感じですね。

小沢:もう21歳のときからずっとピッコロ劇団にいらっしゃると。

:ほんまや、ずっと尼崎におるんや、そう思う。

小沢:そうなんですね。僕が外に出て演劇を始めたのがここ2年とかで、ピッコロの存在も知り合いが技術学科に通ってて知りました。

:本当ですか!

小沢:最初ピッコロって何だろうって、ドラゴンボールしか浮かばなくて笑

:そうですよね笑 なんか技術学校の方もわりと需要があって、美術と音響・照明と分かれてるので専門的に1~2年学んで自分の現場に活かすっていう方も結構多いみたいです。

ピッコロ劇団へ

小沢:そうなんですね。ピッコロでは今、劇場・劇団のどちらで働いているんですか?

:劇団ですね。公演は年に6~7本とかあるんですけど、キャスティングついたら「出る」っていうのが役者の基本スタンスで、それ以外にもやることはめちゃめちゃあるんですけど、役をもらったら出るっていうことと、企画を出して通れば、台本だったり演出だったり出演だったりっていうことをやっていくっていうのが大きなことですかね。

小沢:こないだ僕が見に行かせていただいた『宇宙に缶詰』はキャストで入られたっていうことですね。

:はい、そうです。役をもらったから出たというやつですね。

小沢:企画者になる場合もあるんですか?

:今年の春に山本くん(=山本正典)の台本で、僕が演出の公演がありました(『あしあとのおと、ものがたり』)。それは僕が出した企画だったんで、いろいろ考えましたね、企画すると。集客とかも。だからぼくも小沢くんとものを見るポイントが、多分近い。

小沢:そうなんですか。

:やっぱりずっと長く続けているとひとつのそれだけでは立ち行かない現状がいっぱい出てくるときに、環境をどうするかとか、どういう座組がいいのかとか、何と繋がるべきなのか、というようなことに思考がいきますので。俳優はどっちかというと内へ内へと視線がいくんですけど、人と繋がろうと思うとやっぱり外に外にいきますよね。

芝居の入り口

小沢:最初始めたのは役者さんですか?

:役者ですね。映画俳優になろうと思って。

小沢:なんでお芝居を始めようと思ったんですか?

:高卒でなんのお芝居の経験もなく、いきなり東京行くのは怖かったので、高校の先生に相談したところ「兵庫県にはこういう演劇の学校があるよ」って。「映画じゃないんだけど、この演劇の学校は県立なのでそんなに値段も高くないし、とりあえず手始めに行ってみたらどう?」って勧められて行ったんですよ。

小沢:ご出身は?

:兵庫県、神戸市ですね。もしあのときバーンっと東京に行ってたら、また全然いろんなことが違ったと思うんですけど。ひょっとしたら演劇はもうやれてないかもしれませんしね。

小沢:確かに。

演劇の面白さ

:演劇をスタートしてみたら、意外とめっちゃおもろいなみたいな。映画だったらずっと残るからいいなと思ってたんですよ、作品が。でも演劇って俳優は一番目立つんですけど、そこに舞台空間ができるまでに携わってる人の数、支えている人の数がすごくて。舞台美術もそうだし大道具さん、照明や音響もそうだし、舞台監督、演出、制作、事務所の方、共演者、本科・研究科の先輩たちを感じたりすることで、何か目に見えてない部分が、目に見えてるものをかなり支えているんだなっていう感じ。おそらく映画もそうだと思うんですけど、演劇の生の感じにハマっちゃいまして、今に至るんです、めっちゃ飛ぶけど。

小沢:そっか。25年ずっと演劇ですか? 1回休憩したりとかは?

:なかったですね。ピッコロで基本的にずっと役者をやって、最初のうちは企画も全然してないし、とりあえず出演して、次の公演、次の公演とやっていくと、自分からは出すばっかりになっちゃって。そうするとスポンジをきゅって絞ると水ってなくなるじゃないですか、ああいう感じになっちゃって。演劇、どれも面白いはずなんだけど、やっぱり続けていくと、自分の成長過程において、今この演劇って自分に合ってるなとか合ってないなって出てくるんですよ。「なんでこんなエンタメみたいなことを今せなあかんの」とか、「大人っぽいことをもっとしたいのに」とかがあったりして、求められることとやりたいことの間に齟齬が出てきたときに、外部出演をするようになって。そこでいきなりコトリ会議に出会ったわけじゃないんですけど、南河内万歳一座や突劇金魚に出演したときあたりかな。そこからの若旦那さんとの繋がりで、コトリ会議を何回か観に行ってかなり面白いなと思って、自分が面白いものをやることって結構表現者にとっては大事なことかもしれへんなと思って。当時の自分は「仕事であるからやらなきゃいけない」という感覚と「表現をしたい」という気持ちとのバランスがとれていなくて、要は搾取されてるじゃないけど、同じ表現をやっていてもなんかやりたいことをやってるときの充実感と、ちょっと何か違うなと思いながらやってるときの心の擦れ具合があったりして…。

小沢:それっておいくつぐらいのときですか?

:20代後半~30代前半とかですよね。

小沢:最初はキラキラして、やったー演劇だ!ってやりだしたけど、どっかで義務感になっていたということですか?

:そうなりますかね。やっぱり何にも分からないときって何でも新しいからそれで良いんだけれど、ちょっとこれなのかなとひとつ分かりだすと、その分かったそれ以外のものに対する「だから違うんだよ」とか「だから駄目なんだよ」とか、自分が手に入れたもの以外のものに対してのモノの見方の立脚点ができちゃうんですよね。自分が獲得した何かでモノを見ちゃうから、それ以外のモノに対しての敵対心ともちがうんですけど、自分自身で消化できることがまだまだ少ないから。例えばドラマ、演劇の中でドラマを演じることにすごい面白みを感じたときに、ドラマじゃないものに対して、「演劇じゃないやろそんなもん、しょうもない」みたいな。でも少し長いこと演劇やってくるといろんなものが巡りめぐってモノの繋げ方がわかってくる。結局ほとんどがこれに尽きるんですけどね。エンタメ的な表現もどうやったらそのリアリズム的なドラマに持ち込めるか、みたいなことも考えられるようになる。でも若い頃はその繋げ方がまったくわからない。点と点はあっても線にならない。矛盾しているように感じる。いや実際そういうところもあったりするんですけどね。だからそんな処理しきれない諸々がたまっていって「なんでこんなに消費されるようなことばっかりやらなあかんねやろ、求められるからと言うて」みたいな、そんな気持ちになってたんですよね、たぶん。そんな時に南河内万歳一座に外部出演させていただいて。そして突劇金魚に出会い、サリngさん(=サリngROCK)がピッコロ劇団に客演で出たっていうのもあって、その次の年ぐらいから突劇金魚に呼んでいただいた、みたいな感じです。

外部出演で得た気づき

小沢:ひとつ前にスポンジみたいな感じってとこから、アウトプットとインプットのバランスが崩れていくっていう話があったと思うんですけど、インプットは外部出演をしながら、そのときの自分がまだ持ち合わせてない刺激を受けて蓄えていってたんですか。

:まさにおっしゃる通りです。ルールがピッコロの中にもあって、とても大事なこともたくさんあるんですけれども、ピッコロでは「当然ここはこうあるべきだ」っていうようなことを、小劇場の人たちはまったくやってないことがいっぱいある。ピッコロ劇団のルールから言うと、いい加減さ、ルーズさとかっていわれる、その緩さの中に面白さがあったりもするんです。ピッコロでは「これちゃんとしようよ」って言ってることが外部に行くと全然やってなかったりする。ところがそのやってないことの副産物みたいなのも意外とあったりするんですよね。面白いことってセオリーができた瞬間に面白くなくなっちゃうみたいなとこがあったりしますよね。特にピッコロ劇団は、割と古典的なものとか近代戯曲とか翻訳物とか、割としっかりした言葉で書かれたものを扱うから、役者がその言葉を扱えるだけの体力みたいなものが必要で、言葉に対して発声することに対して「こうあるべき」が結構あるんです。劇場の大きさの問題もありますが、小劇場にはそれ、一切ないから笑 だからそんなグダグダやねんみたいなことも結構あるんですけど、ただ同じ舞台に並んだときにどっちが面白いか。もちろんそれは翻訳物をやるときに、小劇場のスタンスだけでは太刀打ちできないし、一方で小劇場のふにゃふにゃなスタンス、例えば小劇場やるときにカチカチのセリフでやってても面白味にかけるっていうのがあるんで、そういうふにゃふにゃもカチカチも場合によって使い分けたり混ぜたりするっていうのを知ることになるんです。

小沢:なるほど。原さんはピッコロでベースがかっちりしてるからこそ、ちょっと壊していくと新しいものが原さんの中に出来上がってたのかもしれないですね。

:そうですね。小劇場の人たちがいい加減とかルーズっていう言い方は、ピッコロが固くて面白くないっていう見方と同じバランス感覚で言えることだったりします、そこはもう立ち位置変えながらの言葉のチョイスでちょっと難しいところなんですけれども、だからまぁ小劇場の人たちのいいところはたくさんあるので、いただいてる感じはあります。

小沢:そうか。今ちょっとインプット・アウトプットの話を掘り下げたのは、前にインタビューした川端さんが実は似たようなお話をされていたんです。川端さん(=川端真奈:インタビュー記事)は小劇場の芝居でインプット、司会業等でアウトプットと分けられていたんですが、原さんは同じ「演じる」ことで違いを作ってるんやなって。

:面白いですね。しかも彼女、そっち(=リアル脱出ゲームの司会業など)でしっかりとお金をもらってやってますもんね。お金もらうとさ、なんていうか、アウトプットしたことに対する対価になるじゃないですか。そこで割り切れないものも飲み込まなきゃいけなくなる。「お金もらったし」じゃないけど、ピッコロもお金もらいますんで、ちょっと近いところがあるかもしれませんね。

小沢:確かにそうですね。

:人と喋るの、面白いですね。こうやって繋がる感じ。

コトリ会議との関係性

小沢:コトリ会議に入ったのがいつ頃なんですか?

:いつだろう。対ゲキっていうのがあって、5都市くらいを三つの劇団で回ってるんですよ。名古屋のオレンヂスタと、仙台の短距離弾道ミサイル(現:MICHInoX,と。その5都市目の公演に客演でコトリ会議に出演したんですよ。その客演までの道のりもあるんですけど、僕が、ピッコロではない外部で企画した公演に出演してくれた女の子がいて、その子がコトリ会議に出るから観に行ったみたいなことが最初の出会いなんです。

小沢:最初はじゃあ観劇で?

:そうです。それがめっちゃ面白くて、「なんなんこれ」みたいな、『桃の花を飾る』(2011年大阪,って公演なんですけど、なんていうんですかね、それこそセオリー無視みたいな、セオリーっていうのも、僕のセオリーですけどね、台本買っちゃいました。

小沢:ピッコロでやってきた常識を?

:そうそう。なんかめちゃくちゃやなって、ありなんかな、でもおもしろいからありなんか、って思って。いやその時はまだそんな風に消化できてなかったかな。変なの見た、みたいな。後に「コトリ会議はメタっぽいことをやってる」とか「ポストドラマっぽいことになってる」というようなことをいろんな方に言われるんですけど、そのあたりの視点だったんだと思うんですよ。「今それ役?それとも役者自身ですか?」みたいな感じって今や全然よくある手法だと思う。そういうスタイルの、僕の出会いは「コトリ会議なんなん?」だった。話戻すと、その対ゲキではまだ劇団員ではないんですが。僕ピッコロ劇団なので、別の劇団には入れないんですよ。専属契約なんですよね。他所と二重契約しちゃ駄目よってことになってるんですけども、僕はピッコロだけにいるより、他所といろいろ繋がって得たものを、ピッコロに持ち帰った方がピッコロにとっても絶対に有益やからって思ってて。両立できる方法はないかな、と。県立なので役所みたいな部分ともうまくやんなきゃいけなくて、作戦としては「コトリ会議に客員として行ってます」という契約にして…

小沢:客員…?

:そう、客員っていうのは力を貸す人みたいな。1年に1回契約して、コトリ会議に客員として毎年来てるっていう体裁を取ってるんです。ピッコロ劇団には、派遣しているということで飲んでもらった方が活動しやすくなるということで。

小沢:なるほど、派遣劇団員だったんですね。

:そうです、わたしが派遣劇団員です笑 ピッコロには一応そういうことになってて、でも世間的には劇団員ですみたいな気持ちで。そうやってコトリ会議もやり始めて、数年後に山本くんの台本新作書き下ろしで、ピッコロの本公演ってところまで引っ張ってこれたってことは「やってよかったでしょ」って言えるのかな、と。

小沢:コトリ会議に入っていくのに、ある程度のしがらみがあったわけじゃないですか。なんでそこまでして入りたいと思ったんですか?

:やっぱりピッコロ劇団っていうか、自分の周りの環境を変えたかったっていうのはありますよ。じゃあピッコロをやめりゃいいじゃんっていうのもあるんですけど、就職じゃないですか、そこで専属契約料いただいてるので、ピッコロ辞めて演劇しながら、お金の方も保障しながらっていうことを一から考えるのもなかなか大変なことですし、だったらむしろピッコロの環境を変えていこう、と。それは自分が変わるってことでもあったんですよね。何かハードの変化というよりはソフト的なものを持ち込んでくるっていうようなやり方しかないなと思って、自分が所属しているピッコロ劇団との適切な距離を見極めるために外に出てみたかったみたいなのがあるんですよね。

小沢:ピッコロ劇団の所属っていうのはいわゆる正社員ってことですよね?

:そうですね。(とはいえ契約上は、ピッコロ劇団劇団員は契約社員のような扱いです(^-^ゞ)

小沢:ってなると基本の活動はやっぱピッコロの方になるじゃないですか。ただ、コトリ会議もコトリ会議で公演やるってなると、結構稽古やってますけど、なかなか両立って厳しくないですか? 体力があっても、拘束時間とか難しいじゃないですか。どうやってカバーしてるんですか?

:やっぱ若い頃はいろんなことをコントロールする立場ではないから難しかったと思うんです。でも、ある程度キャリア重ねますとスケジューリングも自分でできるようになってくるんですよ。そうすると、例えば役がついたら出なきゃいけないっていうのはもちろんそれはそうなんですけれども、「ここコトリ会議に行きたいんです」っていうことを言えるようになってくる。だからそこを自分の体力のバランスをちょっとギリギリ見ながら「ここはコトリ会議を優先したいんで、ちょっと…」みたいなことを制作の人にあらかじめお願いしておいたり、コトリ会議もそんな年に何本もやる劇団じゃないから「この時期のこの公演は外せないぞ」ってなるとそこのピッコロの公演にはちょっとすいませんっていうようなことを20代前半ではできへんけど、30代中頃ぐらいからできるようになってくる。

小沢:なるほどなるほど。2年後ぐらい、劇場勤務で縛りつけになりそうな気配がしているので…。個人的に、僕の参考にさせていただきます笑

:1~2年で確実に信頼を獲得していくことで、できることを増やすための何かになっていくんです。

小沢:ありがとうございます。

:そうそう。ここ(=大阪市立芸術創造館)の館長もいま金沢で公演されてるけど、それは普段みんなのことをすごくよくやっているから、私もこんなことさせてくださいってときに、みんながフォローしてくれる、とおっしゃってました。

小沢:やっぱり日頃の助け合いですね。いまめっちゃいい話聞いたな。

今作『おかえりなさせませんなさい』について

小沢:あと、今回の作品のことをお聞きしたくて。

:誰も思いつかない、めっちゃめちゃくちゃな設定で、その中でなんですけれども、山本くんの、あるいはコトリ会議の周りを取り巻いている環境とか状況というものがふんだんに織り込まれていて、影響を受けています。タイトルも「おかえりなさせませんなさい」と、言葉だけでも「なんやねんどっちやねん」っていう面白さがあると思うんですけれども、山本くんは根本的に「帰る場所」「故郷」みたいなことがテーマになりがちな人なんです。僕らは兵庫で劇団やっていて、アイホールがホームの劇場だって自分たちは思っているけれども、アイホールもいつまで使えるかっていうような状況の中で、「ただいま」って言える場所、それは具体的にアイホールっていうこともあるし、劇団が劇場に帰ってくるっていう規模の話でもあると思うんですけれども、そういったものがなくなっていったときに、僕らはどこで何をするんだろうみたいなことを、もちろん答えはないし、結論もないんですけれども、そこをふわっと感じさせてくれることになってて。設定はぶっ飛んでますけれども、何か中に流れてる血みたいなものは、リアルの世界と地続きだなっていうのは結構感じながら、まだ書き終わってないけど(11月4日現在)…多分そんな感じになるんちゃうかなって。

家族の話

小沢:めっちゃ一言で言うと、家族が中心にあるお話じゃないですか。原さんご自身のご家庭の話って…?

:はい、奥さんと子供がいるんですけども、それもかなり大きな転機になってて。コトリ会議でツアーに行くってなると家を空けるじゃないですか。若い頃、家庭がなかった頃は余裕でどこにでも行けるけど、今はかなり気になりますよね。なるべく一緒にいたいとか、人生の中の優先順位、何に時間を使うかってことだと思うんですけど、家族と過ごすっていうのが、ぐぐっとトップに躍り出てきますよね。

小沢:やっぱそうですよね。なんか20代後半になると、周りが結婚し始めるんですよ。25~26で女友達の結婚報告、27~28ぐらいで男友達の結婚報告がワーッて増えてくるみたいな感覚がありますよね。

:ありますよね。特に女性は出産のこともありますから。晩婚化は進んでいるけれども、出産できる年齢が必ずしも上がっていってるわけじゃないですし。今家族で子育てしながらやってて感じるのは、若い頃の徹夜で遊べるあの体力って子育てのためにあるそれやったんじゃないかなと思うわけ。それぐらい大変、本当に。体力の意味において、家庭つくったり子供をつくったりっていうようなことは、早いに越したことはないよという感じです。

小沢:僕ら20代とかからすると、ご家庭がちゃんとあって、演劇をずっと続けていて、今もなお続けていて活躍されてるっていうのはもうお手本ですよね。

:もうちょっとちゃんとしたお手本になりたいけどね…。

〜三村さん(=三ヶ日晩)登場〜

三村:おはようございます。

:おはようございます。

小沢:録ってるけど全然大丈夫です。多分こういうワチャワチャが途中で入ると、文字起こししながら聞いてる菅本さんが喜びます(菅本:ハピ!)

:だから個人レベルでも、独身の時代があって結婚して家族ができて、もっと年を重ねてっていう段階があるように、劇団もそういう風に成長していく段階ってあるんかなっていうのを最近感じますね。成長というか変化というか。今回のお話も家族っていうものの形が、子供の頃の記憶で見ている家族と、大人になって結婚し、また新たな家庭をもったところからかつての家族が眺めるというか、そうすると、家庭を持ってる人、まだ当時の家族にいる人、年を取っていく父母みたいな構図が、個人レベルでは、名前はAだったらAで変わってないのに、関係性が変わっていくことによって、家族の形が変わっていくっていうようなこと、そこに私は帰れるのか帰れないのかみたいなものが、この今回のお芝居の雰囲気になってますね。

コトリ会議の将来

小沢:ありがとうございます。アイホールもずっとあったらいいんですけどね。コトリ会議もこれからも、もっと羽ばたいていくわけじゃないですか。将来どうなっていきたいとかありますか?

:「コトリ会議面白い」って思う人がもっと増えたらいいなっていうのはありますね。それはコトリ会議に限らずなんだけど、やっぱりずっと演劇に携わってるので、生で何かをやって、それを観て、その体験が貴重だったなって思えることって、録画しておいて後で観ようではできへんやつやから、そういう機会を作り続ける側にいるというか、だから長い期間やりたいですし、色んなところでやりたいですし。そこで出会ったお客さんとも繋がっていけたらいいな。それはね、別に東京じゃなくてもいいんです。東京は話が早いから。

小沢:めっちゃわかります。なんか東京”進出”とか言うけど、ステップアップ的なのとはちょっとちゃうんかなって思ってて。

:コトリ会議は行ったその地その地で、出会った人と何かする、何か生まれて、また次行ってっていうことを繰り返していける、そんな劇団だと思うんです。それがだから、売れて、どっかでっかいとこでやってっていうのじゃなくていいのかなっていう気はするんですけどね。

個人としての理想の未来

小沢:なるほど。あとはコトリ会議もあるし、ピッコロもあるし、ご家庭もあるしっていうのは、言うなれば「おかえり」「ただいま」と言い合える場所がありたくさんあると思うんですけど、原さんご自身としての理想の未来みたいなのってありますか?

:めっちゃ面白いな。考えたことないですね。でもやっぱり今一番は2歳の子供が成長していくのをずっと見ておきたいですし、その成長していくのに同じペースで寄り添っていつまでも元気でいたいなと思います。体調崩したり、病気しちゃったりするとまた関係が変わって行くと思うので、少なくとも大人になるまではずっと健康で、その子たちに「お父さんこんなことやってたよね。私もそこ(その空間)好きよ」って思ってもらえるようなこと、マルシェみたいなことができたらいいなって、何も具体的じゃないけど、思ってます。

小沢:ありがとうございます。

:ありがとうございます。

あなたにとってコトリ会議とは?

小沢:あ、最後に聞きたいのが、あなたにとってコトリ会議とは!

:ふざけるとこ!

小沢:素敵です。大人が本気でふざけてるのっていいですよね。ありがとうございました。

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小沢佑太|劇団CLOUD9
最後まで読んでくださってありがとうございます♪ 現在は日々の気づきを毎日綴っています。 2022年に劇団を立ち上げ、その運営を行う中での気づきや成長日記にすることを目指しています。 もしよろしければ、今後の活動をサポートしていただければ幸いです☺️