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【コトリ会議】インタビュー企画②「川端真奈」

どうも、劇団CLOUD9の小沢佑太です。
現在、コトリ会議という団体の伊丹公演『おかえりなさせませんなさい』共同制作をさせていただいています。その一環で、劇団員インタビュー企画を実施しています。

コトリ会議 伊丹公演
伊丹市立演劇ホール(AI・HALL)
『おかえりなさせませんなさい』
2024年12月5日(木)〜9日(月)

前回の若旦那さんに引き続き、2人目は川端真奈さんです。今回も1万字越え。文字起こしは共同制作の菅本千尋さんです。今回は菅本さんもインタビューに参加してくださっていました。

[左] 小沢佑太  [右] 川端真奈
[中] 菅本千尋

インタビュー企画②
「川端真奈」

小沢:よろしくお願いします。

川端:お願いします。

自己紹介

小沢:ざっくり自己紹介をお願いします。

川端:川端真奈といいます。演劇は大学でやっていて、大学生のときにコトリ会議の舞台を東京で見て、それがめちゃくちゃ面白くて、コトリ会議が東京に来るたびに観に行っていました。3年生の頃に公演のオーディションがあって東京から受けに行って、ストレンジシードに出るってことになって、細々とちまちまと関わっていたら劇団員になりました。

小沢:そんな感じなんですね。小さい頃から東京にいらっしゃるんですか?

川端:はい、ずっと東京で。小さい頃は子役をやっていて、何かしらいろいろやってて。

子役経験から演劇へ

小沢:演劇自体はいつから始められたんですか?

川端:演劇を始めるぞってなったのは、演劇学科がある大学に行くって決めたときですかね。

小沢:あ、じゃあ子役時代は何をされてたんですか?

川端:映像が多かったですね。中高は普通に部活をやりたくて子役は辞めて、大学の進路選択をするときに演劇系の大学に受かったら演劇をやる、落ちたら普通に就職できるような大学に行く、みたいな。

小沢:じゃあ中高の部活は全然違うことをやってたんですか?

川端薙刀なぎなたやってました。

小沢:かっこいい。なんか、めっちゃ長いやつですよね。

川端:そうです。2mあります。

小沢:すごい。じゃあ中高の6年間はお芝居と離れて?

川端:何にもしてないんですね。

小沢:大学でもう一回やろうかなって思ったきっかけは何だったんですか?

川端:本当にぼんやりで、何となく…。子役は楽しかったし、薙刀はもういいかな、頑張ったなっていう達成感があって。演劇は、めちゃくちゃやりたいから何個も同じような学科を受けるとかじゃなくて、この大学のこの学科に受かったらやるみたいな、本当に博打みたいな決め方をして、そしたら受かったので、やるかって始めました。コトリ会議は、当時の自分にめちゃくちゃ刺さって。

コトリ会議との出会い

小沢:なんていう作品やったんですか?

川端:『カッコンの竹』(2017年 こまばアゴラ劇場)です。

川端:ちょうど私が大学1年の頃に、知り合いの紹介で見に行って面白いと思ってそれからは自分で勝手に観に行くようになって、ですね。

小沢:どんなところが刺さったんですか?

川端:なんか多分、その大学1年生の6月、7月とか、初夏ぐらいのときに見に行ったんですけど。演劇学科演技コースって先生や先輩からいろんなのを薦められるんですよ。それで毎週毎週いろんな演劇を観ていて。言葉が難しいですけど、圧が強い(笑) 圧の強い先輩の作った作品は圧が強い。「観たからにはツイッターで宣伝よろしくね!」って。なんか、パワー!パワー!の作品が多くて、ちょっと疲れたかもなみたいな時期に見に行ったのが『カッコンの竹』で、『カッコンの竹』は「勝手に観ててくださいね〜」みたいな感じが私はすごく助かったというか。パワーがないって言ってるわけじゃないんですけど。

小沢:僕が観た『みはるかす、くもへい線の』(2022年、伊丹アイホール)も「私たちはここでやってますから、受け取れるものをどうぞ持ち帰ってください」みたいな、確かに不思議な感覚になりました。

川端:「観てていただいていいですよ」ぐらいな感じ。コトリ会議に実際に参加することになったのが3年生の、本当にコロナ直前のときですね。

小沢:え、じゃあ同い年ぐらいですか? 僕97年生まれです。

コトリ会議に出演

川端:私98年です。そう、3年生のときにコトリ会議に初めて出演しました。本公演のオーディションに出て、(本公演はあれなんですけど、)ストレンジシードはどうですか」って。コロナ渦になって、ストレンジシードがゴールデンウィークから秋にずれ込んだときですね。

小沢:実際に出てみてどうでしたか?

川端:ストレンジシードは割と作ってるものもなんか祭り感が強いので。

小沢:野外ですもんね。

川端:野外です。本公演とはまた全然違うスタイルのものだったから「コトリ会議ってこんななんだ」っていうよりは「ストレンジシードってすごいな」って思いました。その後も東京にコトリ会議が来るってなると当日制作で入ったりとか、ちまちまジャブを(笑)

小沢:あ、もうそのときからお近づきになりたいなって?

川端:忘れないでくださいねって(笑) 仲良くしたいよって(笑)

小沢:川端さんの思惑があったんですね。

川端:そうですね。じゃなかったら当日制作はやってなかったかもしれない。当日制作をするといっぱい観劇できるんですごく楽しかった。

小沢:じゃあ出たいとか関わりたいとか観たいとか、いろんな気持ちがあって東京公演のたびにお手伝いをされていたと。

川端:そうですね。若旦那さんに誘ってもらって。

コトリ会議に所属

小沢:実際に劇団員になったのはどういう流れだったんですか?

川端:若旦那さんの制作的な狙いもあって。いろんな地域の人がいるよって。助成金の都合もあって東京支部があってもいいんじゃないって。それで『カッコンの竹』のときに出てた丈太郎さんも、(その後もよく当日制作に来ていて、)私と一緒に入れようって。

小沢:丈太郎さんと同じタイミングで入ったんですね。いつ頃ですか?

川端:2年前の夏ですね。それまでは、今もですけど大学の先輩の舞台に出ていて。その方がせんだい短編戯曲賞をとりました。

小沢:おめでとうございます。

川端:ありがとうございます。私が必ず年1回くらい出てる先輩の劇団です。

共同制作 菅本さん登場

菅本:三橋さんっていう譜面絵画の作演出の方です。譜面絵画の制作の大川さん、私が入っているアートマネージャーメンターシッププログラム「バッテリー」の仲間です。

小沢:難しい言葉いっぱい出てきた。いま僕がインディペンデントシアターの管理でお世話になっている相内さんがせんだい短編戯曲賞のディレクターです。

川端:元々先輩劇団としてよく呼んでいただいたんですけど、よく呼んでいただきすぎて友達になった人が無事に取って。コトリ会議の山本さんがせんだい短編戯曲賞にノミネートされたときに一緒にノミネートされてた方です。

小沢:そうなんですね。コトリ会議に出るまで、それと個人の活動としては、東京で大学繋がりのある劇団で出演していると。

個人の仕事

川端:そうですね。舞台だと知り合いの小劇場で、あとはリアル脱出ゲームの司会をして、たまにテーマパークのショーキャストをしています。

小沢:演技全般がお好きなんですか? 舞台のお芝居にこだわりがあるというわけではなく?

川端:舞台ももちろん好きなんですけど、やっぱり人と会話をするのが割と好きで。司会とかショーキャストだと、地続きのお客さんがいるというか、お客さんの反応を含めないとその場が成立しないので、本当に別の仕事をしてる感じですね。台本はあるにはあるけど、その場のお客さんがわかりやすいようにいろいろ変えちゃった方が逆にいいみたいな。舞台とは全く違うことをしてますね。

小沢:それめっちゃむずくないですか?

川端:めっちゃむずいです。

小沢:半分即興みたいな感じですよね、ずっと。

川端:そうですね。

小沢:すごい。自分の演じる役はあるけどお客さんとコミュニケーションをとるみたいな。

川端:最近、お客さんが主軸というか、イマーシブシアターもどんどん流行ってきていて、司会にも何かそういうスキルが求められるようになってきています。

小沢:関西で言うと「泊まれる演劇」とか。どうやって稽古してるんだろうかって思います。パターンがあるんですか?

川端:そうですね。ものにもよりますけど、私の知ってるイマーシブシアターはお客さんの選択によってルートがどんどん変わって、多分全部広げると30個ぐらいのエンディングがありますね。

小沢:え、え?全部頭に入ってるんですか?

川端:逐一スタッフが見て「このキャストさんはこのルートに入りました」って整理してると思います。ルート分岐を全部達成すると特別ルートに入るとか、緻密にやってるところもありますね。

小沢:めっちゃ大変じゃないですか。稽古っていうか打ち合わせっていうか?

川端:ですね。

小沢:なかなか演劇をするのとは違う脳みそですよね。普段そういうことをやりつつも、12月はコトリ会議でアイホールで、静かに演劇をやるわけじゃないですか。なんか、スイッチが違ったりするんですか?それともやることとしてはあまり変わらないですか?

川端:使う脳みそも筋肉も、何もかもが全然違うから、パン!ってなりますね。

小沢:(笑) 関西で稽古できる日も限られてるじゃないですか。ガー!って集中して詰め込まないといけないと思うんですけど、どうやって切り替えてるんですか?

川端:本当に追い込まれるしかないというか、この時代にそぐわない回答をすみません(笑)

小沢:いえいえ。イマーシブシアターとか、関西だと道頓堀のクルーやUSJのキャストをされている役者さんも結構多いんですけど、そういう方々は舞台でやるのもエンタメ系が多い印象で、舞台と普段のお仕事が繋がっている方が多いイメージだったんです。コトリ会議はダンスとかないじゃないですか。

川端:そう、だからどっちも、どっちの集客にも繋がらなくてしびれますよ。

小沢:なるほど。

川端:すごく棲み分けされます。

こんな人に観てほしい

小沢:いやあ、確かにお客様の種類が違いますもんね。逆にコトリ会議を観に来てほしいと思う人っていますか? こんな人に来てほしくてやってるんですみたいな。

川端:やっぱ、”コトリ会議”を見たい人に見てほしい。司会とかで私を狙って来てくれる方も時々いるんですけど「この人にコトリ会議はおすすめできないかもしれない」と思いますね。勝手に観に来てくれる分には構わないんですけど、何か私が表立っているとお客さんはエンターテイメントを求めて観に来てしまう…。唯一あれです、この前スイッチ総研に行ったときにたくさん宣伝をしました。「もし関西にいたら!」って。

小沢:遠方割もありますからね。

小沢:いま大学出て何年目でしたっけ?

川端:4年目ですね。

大学時代からここまで

小沢:大学のときから今までずっと俳優活動や司会をされてきたんですか?

川端:そうですね、大学から演劇はずっと同じようにやってきてて、大学卒業のタイミングでリアル脱出ゲームのバイトを始めて、バイトしてる間に社内の司会オーディションから司会をはじめてたと。

小沢:司会業ってその場でのお客様とのコミュニケーションありきって仰ってたの、そこが魅力っていうのはめっちゃ納得したんですけど、コトリ会議で自分が出てるときの楽しさとか、小劇場でお芝居しているときのエネルギーについて聞きたいです。

川端:山本さんの脚本が好きで、元々コトリ会議のファンなので、だから「やりたいやりたい」みたいな感じです。

小沢:「めっちゃ好き!」ってなったときに「観たい」よりも「出たい」になったってことですか? 個人的に、好きなものとの距離感って難しいなってなんか最近思ってて。近づきすぎるじゃないですか、出るってなったら。そこへの抵抗というか、入ってみてイメージと違ったみたいなとかってありますか?

川端:今だったら抵抗あるかもしれないです。好きなものに近づくの。大学3年生のときは無敵だったんで。

小沢:キラキラして?

川端:キラキラして。「世界は明るい!」みたいな感じだったから。

小沢:じゃあ当時コトリ会議に出会ったり、ストレンジシードに誘われたりしてなかったら、もしかしたら入ってなかったかもしれない?

川端:可能性もありますね。

小沢:出演するとなったら観れなくなるじゃないすか。それはいいんですか?

川端:ちょっとやですよ。

小沢:ちょっとやなんだ(笑) 多分この手の話は今UDトークを立ち上げながら聞いてくださってる菅本さんの方が共感してもらえると思います。やっぱり内側に入ると、印象って変わっちゃうのかな、みたいな。

菅本さん再び
コトリ会議に入る前と後

菅本:めっちゃわかりますよ。私も共同制作に申し込むかどうかそれでめっちゃ迷いましたもん。あの、二つ聞きたいことがあって、コトリ会議に入る前と入った後で何か変わったことというか、作品のイメージがどう変わったのかなみたいなことと、演劇やってて何が一番楽しいですかっていうの、知りたいです。

川端:入る前と入った後…。

小沢:作品のイメージの変化、山本さんの作品の出来上がっていくまでの過程とか。僕がちょっとびっくりしてるのは、「めっちゃいい脚本できてる!」と思ったら、山本さんはめっちゃ悩んでるみたいなタイミングがあったりとか、「今から悩みはるんや、ほぼ出来上がってるんちゃうん」みたいなことあったりするから、外から見たら全然違うとこあるんかなとか思ったんですけど。

川端:やっぱコトリ会議に入って、すごい体育会系だなって気持ちにはなりました。本当はなんていうんだろうな。何だろうな。なんか会話のテンポ感とかだったりが、やっぱすごいラリーじゃないですか、コトリ会議って。コトリ会議を知らない人が初見で読む1. 5倍の速度で、コトリ会議の劇団員って読むと思います。なんか、その基礎筋肉量みたいな。

小沢:コミュニケーションのスピードも速いですよね。それは大阪人、関西人だからっていうのも。

川端:それはすごい思います。話し合いの圧とかすごいびっくりしました最初。

小沢:僕も今、座組に入らせてもらって思うこととしては、確かにその、悪い意味での遠慮がない。言葉をめちゃくちゃ選んでらっしゃるんですけど、でもなんかこんなん言ったら傷つくんちゃうかみたいな、いらん気遣いみたいなのはなく、ズバンって言いたいことを言い合ってるなって思います。外から入ってくると「そんな言うんや、でも別に傷ついてる感じもないしな」って。

川端:びっくりしますよね。あれ。

小沢:そうですよね。

川端:私はびっくりした側だったんで、ほわぁ…!って思いました。

小沢:2年経って慣れてきましたか?

川端:若干慣れましたけど、コトリ会議の本公演が終わって、東京で大学の先輩とかと稽古すると、ゆったりした時間が流れていて「そうだったそうだった」って感じ。

小沢:コトリ会議はせかせかしてる感じですか?

川端:せかせかっていうか、キャッチボールのスピードがすごい、スパーンいくから(笑) 「えぇ!大丈夫!?」ってなるんですけど(笑)

小沢:稽古場でですか?

川端:稽古場、劇場、稽古終わりの話し合い、LINE、などなど。

小沢:作品からイメージしてたものと、創作過程が思ったより違ったっていう?

川端:そうですね、違いました。

小沢:こんな感じで大丈夫ですか、菅本さん。

川端:大丈夫ですか。ポジティブな記事になりますかこれは。

菅本:聞いたのに布団を準備していて全然聞いてない、ごめんなさい!後でちゃんと聞きます。

小沢(笑) コトリ会議の作品はゆったりしてるじゃないですか。でもコトリ会議の現場は会話の速度がすごく速い。

川端:重たい球をすごい速さで投げ合ってる感じ。

菅本:確かにわかるかもしれない。

小沢:そういう体育会系みたいなのが、作品からのイメージではなかったという。

菅本:確かに意外とマッチョなんだなって私も思いました。

川端:ですよね(笑)

菅本:でもマッチョじゃないと出せない密度の作品だろうなと。

小沢:平均年齢のわりに全然元気やから僕もついていくので精一杯な感じ。

菅本:確かに。でも皆さん多分繊細なんだろうなとも思うけど、多分マッチョじゃないと、なんかあの密度の作品は何回もできないような気がしますよね。そうだよなみたいな気持ち。あの、私、卒論も修論もコトリ会議のことをちょっと扱ってるんですけど、なんか、修論ときに山本さんにインタビューしたときに、多分何かちょっと人見知りで何かキョドキョドしてるような喋り方をするけど、多分この人はマッチョだぞっていう感じの、チラ見えはありましたよ。

小沢:あ、ストイック!?

菅本:ストイック、そうそう、ストイック。

小沢:そうね、何か作品づくりに対するストイックさみたいなのをすごく感じる。確かに。

演劇の楽しさ

小沢:あとは演劇してて何が楽しいか。

菅本:楽しい瞬間、一番やめらんないなって思う瞬間とかがあれば。

川端:私、本番が好きなんですよね。

小沢:へえ。なんかすごく二極化しますよね、本番嫌いで稽古が好きっていう人と、本番が好きっていう人と。本番派なんですか?

川端:本当に出る直前までめちゃめちゃ嫌いなんですけど、すごい緊張しい、絶望症なので。「ああもう終わりだ、私はこのまま死んでやるんだ」みたいな、そこまでいっちゃうんですけど。でもなんか出ちゃったらもうこっちのもんじゃないですか。稽古してるから、出ちゃったら意外とできる感じとか、「稽古だったら止められてるんだろうな」みたいな、「でもやるしかないな」みたいな、腹をくくる瞬間が好きですね。

小沢:結構いまコトリ会議のマッチョ感出てますけど(笑)

菅本:思いました。私もすごく劇団員だなって。

川端:私劇団員のなかで一番マッチョじゃない人なんですけどね。マッチョじゃなさすぎて、やいやい言われてるタイプ。

小沢:出たとこ勝負はすごいマッチョを感じますけどね。

川端:「こいつ出たとこ勝負してんな」って全員気づいてるんですけど、皆さん手練れなので、何とかしてもらってます。

小沢:やっぱりね、生の良さってそこですよね。

川端:お客さんに観てもらうっていうか、みんなで最初から最後まで2時間も同じことができてるっていうのは楽しいところだなって思います。今もう、そんな長い時間、同じ目標に向かって、ここを目指して、全員で別々のところから組み立てて、みたいなことってこの歳にはないと思うんです。

小沢:確かに。なんかね、ひとつの創作期間が終わったらまた次が始まってみたいなのが当たり前に僕もなりつつあるんですけど、確かに、普通に社会人してたら無いですよね。

川端:そうですね。目まぐるしいところが割と好きです。

小沢:ほら、めっちゃマッチョじゃないですか(笑)

川端:(笑)

小沢:本番の目まぐるしさってことですか?

川端:本番も稽古も、スパンも。それこそ「台本があがりません、わあ!」みたいな、

小沢:そのほうが燃えるってことですか?

川端:私は結構。ちゃんとがっつり時間取りましょうっていう人ももちろんたくさんいる、はず。私が追い込まれないと寝ちゃうタイプの人間なので。

コトリ会議最年少として

小沢:めちゃめちゃストイックやった。コトリ会議では最年少になるんですか?

川端:最年少です。丈太郎さんは一緒に入ったけど、年齢は20個違います。

小沢:これもすごいですよね。なんか会社入ったり上司とかでもあるけど、20個違う人と同じステージに立ってやり取りするっていうのは。

川端:そう。丈太郎さん、同期ですからね(ドヤ)笑

小沢:すごい面白い。20個違う同期とか、僕らの歳で最年少っていうのもなかなか珍しいじゃないですか。

川端:珍しいですよ。最年少ヅラしてられるの、コトリ会議だけですよもう。

小沢:いろんなコミュニティがあるなかで、コトリ会議の劇団員でいること、コトリ会議の自分としての役割とか、どんなふうに考えていますか?

川端:なんか、小さい頃から子役だったりとか、あと実家が飲み屋やってたりとか、結構いろんな大人と関わる機会ってのが本当に多くて、なのでこのテンション感でズケズケ居座る最年少って大事かなとはちょっと思いますね。最近ちょっとどこまでが、ハラスメントでみたいな、やっぱり厳しいじゃないですか。コトリ会議の……おじさんたちって。すごく気を遣って、すごく優しく、たくさんいろんなことを考えた挙句に別の方向に行ってしまって、たまに起こる「あー待って、そっち、やめた方がいいかもね」みたいな。コトリ会議を永続させていくためには…って、たまに考えるんですけど、今の若い子たちのそこのアンテナに近い人間ではいたいなって思います。

小沢:すごく敏感に受け取って、何か考えていかないと、みたいなのは感じるんですよ、”おじさん”たちからも(笑) でもやっぱり限界があるかもしれないですもんね、見てきた世界が違うから。

川端さんの目指す将来像

小沢:二つ聞きたいんですけど、川端さんご自身の将来像というか、こんな生き方したいとか将来こうなりたいみたいなっていうと、あと、コトリ会議の劇団員としての将来像みたいなのがあれば、聞かせてください。

川端:自分の将来像…。今やってることが割と全部楽しくて。司会だったりエンタメ系のテーマパークだったり、どっちもすごく楽しくて、でもそればっかりやってると私はやんなっちゃう。外に向けての芝居ばっかりやってると多分、疲れちゃうタイプの人で。演劇も外に向けてではあるんですけど、なんか内に内に掘っていくタイプのお芝居と、今両立が割とうまく取れてる感じがする。

小沢:演じる上でってことですか。

川端:そうですね。演じてから個々の日常を生きていくためのみたいな、なんていうんだろう、掘り下げ続けても多分自分の精神が参っちゃうし、かと言って提供し続けても、提供するものがなくなっていっちゃうっていうか、同じものしか出せなくなっちゃう。やっぱり演劇をたまにやって、普段のお金を稼ぐ面では司会とか外に提供するものをやってっていうサイクルが今、割とうまいこといってるんで、それぞれで、もっとできることを増やしていきたい。ステージを変えるというか、同じことのレベルを上げてくっていうか。

菅本:大共感。

小沢:今やってることを継続はしたいけど、そのやってることの規模というか、ステージアップしていきたいと。めっちゃ面白い。司会業とかは提供してるイメージなんですね。演劇は自分を掘り下げている感覚なんですか?

川端:自分を掘り下げてってる感じとか、なんか、自分の中で、どこまでこれを解釈して出せるかみたいな、こっち(頭)でやる作業が多い、圧倒的に。頭で考えていって、いろいろやっていくのが演劇ってやっぱりすごく大きくて。おうちでやる宿題的要素っていうか。司会となるともう台詞さえ覚えておいて、あとはもうその場でその人たちを見てやるっていうのが、なんか全然違って楽しいんですよね。ちょっとごめんなさい答えになってるかどうか…。

コトリ会議の理想の未来

小沢:多分文字に起こしたら、こんなにいいこと言ってたんや!みたいなことになると思います。めっちゃいい感じだと思います。コトリ会議としての将来像みたいのってありますか?

川端:私はすごい東京にコトリ会議が来てほしい。私が東京に来たコトリ会議を観てめちゃくちゃ面白いなって思ってたので、東京で刺さると思うんですよ。根拠とかはあんまりないですけど。だからそれもあって東京在住で劇団員になりたかった。アゴラ(こまばアゴラ劇場)が潰れちゃったので難しいんですけど、やっぱりどこかで東京公演がしたい、東京にも定期的に来る劇団にしたい。あと、最近SNSの使い方とかハラスメントとかで沈んでいく劇団が多すぎてすごく嫌な気になっていて、絶対に同じように沈みたくないという気持ちがめちゃくちゃあるんですよ。この前ちょっと批判的なコメントをXに書いてるお客さんたちに出演者がリプで食ってかかっているのを見ちゃって。なんか最近多いな、嫌だなって。

小沢:SNSトラブル多いですよね。

川端:そうですね。こういうお客さんの離し方はしたくないなあって。せっかく面白いのにもったいない。

小沢:そうですよね。なんかコトリ会議だから見に来るっていう人が今結構たくさんいるじゃないすか。そういう人たちがずっとついてきてくれたらいいですよね。

川端:そういう意味で長くやっていくために、ここは目を光らせていきたいと思います。

小沢:よろしくお願いいたします。スペースとかで口を滑らせてたら怒ってください。

川端:スペースはあんまり残らないから、ギリ大丈夫。観に来たお客さんにリプで食ってかかるってことはあまりしないようにしてもらうとかそういう。作品が好きなので、作品じゃないところで悲しい目に遭わないようにやっていきたいですね。

小沢:そうですね。ちょうど1時間ぐらいなるんですけど、喋っておきたいこととか、菅本さん聞きたいことありますか?

いちばん好きなコトリ会議作品

菅本:え、一番好きなコトリ会議の作品。

川端:『カッコンの竹』の衝撃が本当にすごかったんですけど。あと、私『スーパーポチ』、意味わからんくらい泣いたんですよね。

菅本:分かるー!

川端:私、当日制作だったんですけど、その時期コロナ渦だったから、全員マスク着用するじゃないですか、なんか終わっちゃった後ビチャビチャで、グッズ販売どころじゃないみたいな、「マスク、お願い、もう1枚」みたいな(笑) なんかピチャビチャで最後、お客さんを出した覚えがありますね。2、3回見て2、3回同じ目にあったんですよね。

菅本:不思議ですよね。何がどう刺さってるのかわからなくなるくらい。

川端:そうですね、あと何か私、コトリ会議を見るタイミングがすごく良くて、何か自分の生活でちょっと悲しいことが起きたぐらいのタイミングにストンってコトリ会議が来て、マスクがビチャビチャになるみたいな。

菅本:やっぱ思い出深いのは『カッコンの竹』

川端:『カッコンの竹』ですね。

菅本:ファーストコトリの『カッコンの竹』はやっぱ「うわー!!」ってなりますよね。

川端:何だこれ、何が起こったんだろうって

菅本:コトリ会議の作品は気づいたらすごいところに連れて行ってもらっているから。あ、これスクショタイムですか?

川端:スクショタイムあるんですか?

小沢:今日は菅本さんもね、来てくださったので。ありがとうございます。あ、話は聞いてましたよ。最後忘れように撮って終わろうかなと思って。

菅本:私もいいですか? あ、待ってください、私ちょっと裏にします。

小沢:裏にします?

菅本:チラシの。

小沢:ああ、わかりました。僕もね、どうやったら…なんかどうしてもうまくいかない。

 〜しばらくzoomの背景に格闘する各々〜


川端:撮りまーす。はい、チーズ。いけた。

小沢:ありがとうございます。

菅本:ありがとうございます。

小沢:最後もし何か言いたいことがあれば。観に来るか迷ってる方にメッセージ的があれば。

川端:面白いです。

小沢:はい。シンプルでいいと思います。

川端:同年代に見に来てほしいですね。

小沢:我々みんな年近いですもんね。1個ずつ違いとか。コトリ会議、若者を連れて行きたいです。

川端:はい。よろしくお願いします。頑張りましょう。

あなたにとってコトリ会議とは?

小沢:すみません、最後の最後、一言で。あなたにとってコトリ会議とは?

川端:地下闘技場……ですかね………(笑)

小沢:(笑) 遅い時間までありがとうございました!

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