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【メタゲーム予想】チャンピオンズカップファイナル静岡反省文【奇怪な具現】

おはようございます、高橋です。
この記事はチャンピオンズカップファイナルへ初参戦時に使用した【奇怪な具現】の反省文となります!

結果は残念ながら1-3と活躍はできなかったものの、私自身MtG歴は2年弱と浅い上他ゲームでも全国の舞台を経験したことがなかったということもあってまずは無事にその舞台へ立てたことが何よりもうれしかったです。
とはいえ結果は振るわなかったことは反省すべきです。特に今回イマイチだったリストの調整について、今後に生かすための振り返りを行っていこうと思います。

今回の記事では
・どういうメタゲームを予想したか?
・なんでスゥルタイt白のベースで調整したか?
・何が失敗で、次からはどうすれば良いか?
という点に触れていこうと思います。

是非最後までお付き合いください!


本番のメタゲームがどうなったか

事前メタゲーム予想

まずはじめに10/7時点での環境は以下のような状態となっておりました。

・【ラクドス果敢】が「環境随一の速度」「サイド後の黒いカード、《思考囲い》や《致命的な一押し》など、により相手の妨害も可能」「軸ずらしのサイドボーディングも許容される柔軟性のあるアーキタイプ」であることから、飛び抜けたパワーを環境の中心となっている。
・その【ラクドス果敢】には軽量追放除去や《真昼の決闘》によるメタパーマネントで対抗し、かつ戦況をひっくり返せる大振りなアクションが可能な【アゾリウスコントロール】【ボロストークン】【奇怪な具現】の台頭。
・さらに【ラクドス果敢】自体はやや苦手であるものの、ある程度は自身の強い動きで押し切ることができる上【ラクドス果敢】対策に回ったデッキに対して強く立ち回れる【バントロータスコンボ】【ラクドス異形化】が徐々に数を増やしつつある。
・一方、従来からパイオニアフォーマットを定義してきた【ラクドスミッドレンジ】【イゼットフェニックス】であったり、ブル〜ムバロウで強化をもらった【ジャンドサクリファイス】は【ラクドス果敢】対策に巻き込まれて力を発揮出来なくなってしまっている。しかし、元々強かったり特に国内で人気の強いアーキタイプであるため使用者はある程度いる可能性がある。
・直近のRCや国内のラストチャンストライアルにて【黒単デーモン】が活躍。ハンデス+高打点という構成は【ラクドス果敢】に強いデッキに対して強い構造となっている。

よって、チャンピオンズカップファイナルのメタゲームは以下のようになると考えました。
※ここでのTierの定義:「母数が多いかどうか」「他デッキからの対策を乗り越えられるだけの力があるか」の二点に着目した主観のランキング表

Tier1
【ラクドス果敢】
【アゾリウスコントロール】
【黒単デーモン】
Tier2
【奇怪な具現】
【ラクドス異形化】
【ラクドス地獄の樹】
【ラクドスミッドレンジ】
【イゼットフェニックス】
【ジャンドサクリファイス】
【バントロータスコンボ】
【マルドゥパルヘリオン】
Tier3
【ボロストークン】
【緑単信心】
【アゾリウススピリット】
【ボロス召集】

実際のメタゲーム

実際のメタゲームは以下のようになっておりました。

予想通り【黒単デーモン】が上がってくることを予想できたものの、思ったより【アゾリウスコントロール】の使用数が【アゾリウスロータス】含め少なかったことと、【イゼットフェニックス】が伸びてくることの読みは外してしまいました。
※【ラクドスミッドレンジ】はどちらかといえば【黒単デーモンt鏡割りの寓話】のような構造になっていましたが・・・

どうして読みを外したか

読みを外してしまった理由としては以下が考えられます。

・これまでの国内の大会では【アゾリウスコントロール】を好んで使う人が多く感じられたため、本番でもそのまま使用してくるだろうと思い込んでしまった。
→そもそも普段パイオニアの大会に出ている層とチャンピオンズカップファイナルに参加する層が異なることの認識が浅かった。
・逆に【イゼットフェニックス】はもともと国内(特に関東)で使用者が少ないと思っていたので、わざわざ握る人は少ないと思ってしまった。
→各デッキの【イゼットフェニックス】へのガードを下げていることはわかっていたが、そのガードが下がっていることを感じ取れる人が思った以上に多かった。
※私でも気づくくらいなんだから、もっとMtG歴の長い猛者や【イゼットフェニックス】を好んで使う人は気づいていて当然と考えるべきだった。

メタゲーム予想とその結果については以上となります。
次に、今回私が選択したデッキについての話です!

【奇怪な具現】を選択した理由

使用したデッキリスト

今回使用したリストになります。

なぜ奇怪な具現を選択したか

ソリンアマリア禁止後のメタゲームを追っていると【奇怪な具現】が時たま入賞しているのを見かけたところからがスタートでした。

https://www.mtggoldfish.com/deck/6627949#paper

禁止で環境が変わった後は再び【イゼットフェニックス】や【ラクドスミッドレンジ】が帰ってくると思ったあたりで再び多色ミッドレンジが強いメタになりそうと予想していました。よって、Challengeを中心にある程度勝っている多色デッキのことは監視することに決めていました。
そこで、【5cニヴ】よりも【イゼットフェニックス】に勝てそうな【奇怪な具現】が勝っているのを見つけて「いったんコイツをファイナルで使おうかな?」という検討が始まりました。
途中【ラクドス果敢】が大流行するも【奇怪な具現】なら《真昼の決闘》が自然に採用しやすかったり多くの追放除去を採用できる点が【ラクドス果敢】へ対抗出来そうなこともあって、概ねこのデッキ選択になりそうだな〜と考えていました。

なぜ赤抜き4cとしたか

一方、確かに【ラクドス果敢】相手に追放除去は強力であるものの、ソーサリータイミングである《岩への繋ぎ止め》《ポータブル・ホール》が噛み合わず弱いなとも感じていました。さらに《岩への繋ぎ止め》はそのために山を大量に投入しなくてはいけないマナベースが不安だと考えておりました。
この時から「なんとかして山に依存せず、3色でまとめられる【奇怪な具現】は組めないかな?」とは思いつつも経験不足もあってかイマイチ形にすることができず調整はうまくいかない時期が続きました。
そのまま黒抜き4cや他デッキを調整していたのですが、前週のアメリカで開催されたRCにて脅威の初日ラウンド全勝を成し遂げた【奇怪な具現】のリストを見てみると、過去に私が諦めた赤を廃してインスタント除去を多く投入した上にダスクモーンで実装された【奇怪な具現】のためのようなカードである大主サイクルを強く活かした構成となっているではありませんか。
さらに、マナベースが黒入り4cとしつつも白はかなり抑えめのスゥルタイベースにまとめられていて従来のものより立ち回りが安定しそうに見えました。
そこで期間は短いながらこのリストをベースに調整することを決意し、本戦で使用したようなリストとなりました!

本番リスト
《血管切り裂き魔》は同型やイゼフェニ対面でめちゃ強
お互い更地でゲーム進行する時に踏み倒すと嬉しい
マナベースはこちら

調整する上で特に意識した点は以下となります。

・白はほとんど《力線の束縛》のためとなっているのに、白カウントで基本土地タイプを持っていないものを採用するのは違和感があったためトライオームやショックランドで白を担保する構成へと変更。
・序盤の大主キャストが特に重要となるため、青や緑は厚めに採用しておきたい。
・同時期にブレイクを果たした【黒単デーモン】は確実に日本で流行ると思ったこと、また【ラクドス果敢】や【イゼットフェニックス】への有効打となることから《消失の詩句》を追加。
・【アゾリウスコントロール】だけでなく【黒単デーモン】から飛んでくる《絶望招来》への対抗策として《軽蔑的な一撃》を追加。ついでに同型にも入れられる。

リストの問題点

ただし、リストを調整した結果いくつかの問題が発生してしまいました…
・《消失の詩句》を追加することは良かったが、その影響で白マナへの依存度が高くなってしまったためこの枚数では序盤のキャストが不安定に
・【黒単デーモン】【イゼットフェニックス】が想像よりも多く流行っていたためそのカウンターカードとして2枚程度の《消失の詩句》では不足していた。せめてサイドに枠を取るべき。
・《絶望招来》が飛んでくるような相手は1マナハンデスも大量に入っていることを正しく考慮出来ておらず、《軽蔑的な一撃》が腐ってしまった。ここが上述した《消失の詩句》であれば拾えた試合も多数あった
※リスト登録時はハンデスのことを頭に入れられていたものの、「囲いや強迫で抜かれるなら除去やエニグマ残るから大丈夫!」なんて考えていたが、別にそんなことはない。それなら素直に除去を入れたほうがデッキコンセプト上序盤の凌ぎとして使えて強かった。

今回このような問題点が発生してしまった原因はリスト調整の期間が短かったこととは思いました…が、それを憂いてもリストの検討期間を伸ばすことはできない(もともと前週のRC結果を参考にすることも考えていた)ためこの反省は意味なさそうです。
なので、今回一番反省すべきなのは短い期間で検出した問題点への改善案を出した後、その改善案を適用することで新たに発生する懸念はなんなのか?をしっかり検討すべきだったことと、その懸念をどう解消すべきか?を決められた期間で素早く解消できるチューニング力を身につけるべきだということになると考えました。

ここまでで大きく二つの反省点を挙げてきました。
これらの反省点を踏まえ、今後どうやっていくかを考えていきます。

今回の反省点と改善策は?

反省点

今回得られた反省点をまとめると以下のようになりました。

  1. テーブルトップのメタゲームの動きはMOほど流動的でないと思い込んでしまったが、ファイナルのような競技性の高いシーンではその考えは当てはまらない。参加者はきちんと流行りを抑えてきてくる。

  2. 直前まで最新のリストを追いかけ、それを調整して予想するメタゲームに合わせた調整やマナベースの改善を試みようとしたことはよかったが調整の精度が低く完成度の低いリストとなってしまった。今回のようにリストの調整は厳しい時間制限が課されていることがほとんどのはずなので、可能な限り短い時間で精度の高い調整が出来る力が求められている。

これらの反省点を生かす取り組みを考えてみます。

今後の取り組み

まず環境分析について。
こちらはこれまで同様、引き続きテーブルトップやMOで開催されている大会結果は逐次追いかけていくことは行っていこうと思います。
それに加えて、テーブルトップやMOの結果で異なる点はなんなのかを分析して差異が発生しているorしていない理由についての分析も必要だと考えました。
これによって、自然とテーブルトップだけやMOだけの結果に囚われることなく偏りのない目線で結果を見れるだけではなくそれぞれの違いを知ることでより正常な流行り廃れを掴むことができるようになると考えています。
また、分析結果は今回のチームメンバーにも共有していたので今度からは共有するだけでなく結果を受けて自分はどのように今後メタが動くか?といったことも共有することで認識にズレが起きてないか、何か別の気づきはないかを探すようにしたいと考えました。
さらに、もし自分の参加しない大型大会があるとすれば「現在のテーブルトップやMOでのメタゲームを踏まえてその大型大会はどのようなメタになるか?またどういうアーキタイプが勝つか?」を予測してみて、実際の大会結果とすり合わせることも一つの訓練になるかなと思いました。
地域チャンピオンシップはもちろんのこと、MOで開催されているShowcase Callengeなんかもいい分析の練習になると思いました。

次にリスト調整についてです。
特に「効率よく調整を行う」という点はそう簡単に解決できるわけもない問題で、使うアーキタイプによっては今回のように周りで知見が少ないアーキタイプの場合他の人のリソースを使って研究を進めることも難しいです。
なので、今回みたいなケースの場合は基本1人で調整するパターンで考えてみようと思います。
ここでカードゲームが上手い人のことを考えてみます。彼らはみな限られた時間でより最適に近いリスト調整だったり、目指すべきプレーの方針を出せているように思います。
これはなぜかと考えましたが、強いリストを作れる人は普通の人よりも色々なデッキ、特に強いデッキのテンプレリストに習熟していためだと考えました。そのおかげで精度の高い調整やプレイングが出来ていると思います。
一方私自身のことを振り返ってみると、自分がある程度回せるアーキタイプについてはすぐ理解することができるものの、回せないアーキタイプについては極端に理解度が低いです。その結果、私は正しいリスト調整が出来ていないしプレイングの精度もまだまだ足りていないと考えました。
よって、今後は
・強いリストをテンプレで回して強いデッキがどういうものなのかを理解できるようにする
・たくさんのアーキタイプを回せるようになり、その過程でリスト調整することでリスト調整後の反復練習を行い、調整の速度と精度を上げる
といったことを意識して練習をしていく必要があるなと感じました。

余談ですが、リスト調整の話に関連して以前私の書いた記事でとある目標を立てていました。

ヨーグモスもボロス召集も今では見る機会がほぼなくなり…
リアニメイト(Le)はなんかコンボの域を超越して強くなってしまい…

確かにここで立てた目標のように、今回のパイオニアシーズンでは比較的得意な【ラクドスミッドレンジ】よりも【5cニヴ】や【奇怪な具現】のようなミッドレンジより重いレンジのデッキや、(大会では使わなかったものの)【ラクドス果敢】のようなアグロ、【アブザンパルヘリオン】のようなコンボ+ミッドレンジの練習をしておりました。
ただこれらは回せるようになるまで結構な時間をかけてしまっていたので今後はもっと早く理解できるように引き続きたくさんのアーキタイプを回す練習続けていこう、という話でもあります。

最後に

今回結果は振るわなかったものの、たくさん失敗点が出てきたりそもそも競技的にMtGへ取り組むことが楽しかったこともあって大会が終わった後もモチベ尽きるどころか余計にモチベアップし、今週はずっと次のエリア予選に向けてモダンを積極的に練習したり、使えるアーキタイプを増やすためにまずは今まで練習できていなかった青いビートダウンのデッキ(スタンの青白エンチャントや青黒ミッドレンジ、モダンのグリクシスマークタイド)の練習をしていました。さらに、MtGの地力を上げるためにもリミテッドの練習も始めました。
この調子でもっと練習していき、次のエリア予選も突破してまたチャンピオンズカップファイナルの場に立てるよう頑張っていきます。

改めて、エリア予選突破からファイナル本番までたくさんの練習に付き合ってくださった方々や応援してくださった方々に感謝申し上げます。ありがとうございました!

では、また次の記事でお会いしましょう!

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