こたけ正義感さんの漫談『弁論』が傑作な件【内容紹介と感想】
弁護士芸人のこたけ正義感さんの漫談『弁論』、観ました。
結論、想像以上に面白かったです!
こんなにドラマティックな風刺、観たことないです。魂が震えました。
1/15までの期間限定だけど、無料公開なの!?と驚きです。
観る前までは、「シリアス傾向で聞き手にもインテリジェンスが求められる内容かも、、、」と勝手に身構えていたんですけど、その重たさを微塵も感じさせないような、こたけさんのユーモアと巧みなトークが心地よかったです。
法律の専門知識についてわかりやすい解説を挟みながら、弁護士ならではのエピソードトークが斬新で面白い。即刻2周しました。笑
この『弁論』について、どのようなトークテーマだったのか、その内容と感想について綴ります。
📝『弁論』のトークテーマ
この漫談での主なトークテーマは次の通りでした。
肖像権
弁護士であることを知った後の態度の変化
弁護士同士の会話が"弁護士"過ぎる話
司法試験は人を狂わす
"懲役または罰金"について
喧嘩解決のプロによる夫婦喧嘩の解決方法
袴田事件について
人の記憶力
大きく分けると、上記8つのテーマについて約1時間で語っています。
難しい内容もすんなり理解できるような構成で、「えっと」「あのー」のようなフィラーがなく、スムーズで終始聴きやすい漫談です。
📝感想
すごい、、、こんな漫談観たことない。
講演と漫談の間のような新感覚テイスト。あっという間に60分が経過していました。
現役弁護士ならではの観点で、さまざまなトピックについてお話されているんですけど、伏線回収のようなギミックがあり、グッと話に引き込まれました。
これまで関連のないと思っていたトピックたちが、終盤の袴田事件の話にとんどん収束していくさまがドラマティック。
「笑ってもいいのかな?」というデリケートなテーマを扱いながらも、納得感のある風刺と事件の本筋とは絶妙にズラした笑えるポイントに、安心して笑みが溢れました。このお笑いは高度過ぎる。
最も印象に残ったものに、「事実と感情の区別」というキーワードがありました。ここ、すごく共感です。
これは問題が起きた後始末のケースのみならず、問題が起こる前の対人関係においても重要な要素だと思います。
たとえば「相談」。事実に基づいた正誤ジャッジや忌憚なきアドバイスが欲しいのか、感情の寄り添いや共感が欲しいのかによって、聞き手のスタンスもだいぶ異なります。
聞き手がスタンスを誤ると、新たな喧嘩の火種になりかねません。
たとえば「雑談」。雑談においても、ある話題に対する議論がしたいのか、話の内容や正誤はさておき雰囲気や空気を楽しみたいのか、その目的は人によって大きく異なります。
場の目的がズレると、これもまた不和を生む可能性があります。
事実と感情の切り分けができると、問題解決・人間関係が比較的スムーズになりますよね。日々ひとと過ごす中で、実感します。
袴田事件については、専門家でも当事者でもないので無責任なことは言えないんですけど、冤罪は誰の身にも起こり得る可能性があり、自身も知らないところで誰かの冤罪を生み出してしまう可能性があると常に肝に銘じておかねばと思うのです。
それには、「先入観を手放す」こと、同時に「事実と感情の区別」も大切ではないでしょうか。
先入観と感情が結合すると、事実が歪んで見えるという危険な化学反応が起こり得ます。
先入観は反射のような対応スピードのみが求められる場面では有効かもしれませんが、正確性が求められる場面では極めて危うい処理機能です。
しかも、自ら先入観を抱いていることになかなか気づけないという厄介さを兼ね備えています。
他者の先入観には過敏に反応できるのにね、、、難しい。
まずは事実とは何なのか、そこに感情が混ざっていないか、客観的に見極める力が必要ですね。
わたし自身も先入観を抱いた判断をしていないか常に疑いの目を持ち、これから人間社会を生き抜きます。
📝さいごに
実はこの記事を書いている時点で、3周目を流しています。笑
これから4周目を視聴しようとしているところです。まだまだ味がします。
まだ観ていないあなたは、1/15までの限定公開なので、ぜひ観ていただきたい。(リンク切れていたらすみません。)
次、『弁論』あったら生で観たい。現地に足を運びたいな。