【結城友奈は勇者である考察】中立神と乃木若葉の関係性
みなさんこんばんは。来覇(くるは)と申します。
前回はとても長い記事になってしまいましたが、多くの人から感想やコメントをいただけてとてもありがたかったです。
今回は中立神と乃木若葉の関係性について考察していきたいと思います。
中立神とは「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」に登場した神であり、造反神や神樹に近い格を持ちながら中立の立場をとっている存在です。
詳しくは前回の記事「日本神話との関係性①天の神、神樹、中立神、造反神」をお読みください。
そんな中立神は、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」に登場する勇者・巫女の中でとりわけ乃木若葉と特別な関係性があるような描写が随所に見られます。
まずはその描写から紹介していきます。
1.作中の描写
最初に中立神と乃木若葉に特別な関係があるような描写がされたのは、花結いの章第31話において、中立神の名前が初めて登場した場面での若葉のセリフです。
この場面において他の勇者たちは「中立神が天の神に味方する可能性があった」という赤嶺友奈のセリフに注目していましたが、唯一乃木若葉だけは『中立神』という言葉自体に懐かしさを感じていました。
花結いの章では中立神は登場せず、造反神と勇者たちの戦いを見ているだけの存在だったにもかかわらず、どうして乃木若葉は中立神に対して懐かしさを感じたのでしょうか?
また、中立神が夜を象徴する神であることを踏まえると、もう一つ気になる場面が見えてきます。
それは同じく花結いの章第31話、赤嶺友奈が中立神の話をする直前の場面です。
この場面では、ほかの勇者たちには全く認識できていない月を、乃木若葉だけが認識しています。
月が中立神を表していると仮定するならば、乃木若葉はこの時点で中立神の存在を勇者部の中で唯一感じていることになります。
さらに、乃木若葉と中立神の関係性が決定的なものとなるのは、きらめきの章第24話での場面です。
ここでは中立神に力を授かった天馬美咲が、乃木若葉を指名し同じように中立神から力を授かるように誘いをかけます。
この場面では勇者部の勇者全員がそろっている状態であり、友奈因子を持つ
結城友奈や高嶋友奈、勇者と巫女の資質を併せ持つ東郷美森など、これまでの勇者であるシリーズで特別と言われる存在が他にいたにも関わらず、中立神は乃木若葉を直接指名して誘いをかけました。
これらの描写から、中立神と乃木若葉は、ほかの勇者たちにはない何か特別な関係性があるのではないかと考えられます。
2.仮説の設定
以上の作中描写から私は、
「乃木若葉は過去に中立神と会ったことがあり、その際に中立神に認められていた」
という仮説を立てました。
これは、
・勇者が集まっていた中で乃木若葉だけが中立神に指名されたこと
・乃木若葉自身も中立神という響きに懐かしさを覚えていたこと
の2点から、どちらかが一方的に認識していたのではなく、二人が過去に面識があり、お互いを認識していたのではないかという考えから予想しました。
この仮説において問題となるのが、二人がいつ、どこで出会ったのかという部分だと思います。
まず、どこで出会ったのかについて考えていきます。
前提として勇者であるシリーズにおいて、樹木として四国に出現した神樹を除いて人と神が会うという状況は基本的にありません。
「結城友奈は勇者である -勇者の章-」第6話において天の神が自ら侵攻した際や、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」において造反神が試練のために天の神を模して現れた際などの特殊な状況を除けば、神と人が相対するような機会はなく、神が一方的に人間を見ているか、人が一方的に神に祈るかといった一方的な関係のみとなっています。
そんな中でも、勇者であるシリーズには神のいる場所が登場しています。
それが、「結城友奈は勇者である -勇者の章-」第2話で登場した『高天原』という空間です。
この場所は天の神がいる場所とされており、結城友奈が「結城友奈は勇者である -結城友奈の章-」第12話で生身でレオバーテックスの御霊に触れた際と「結城友奈は勇者である -勇者の章-」第2話でブラックホールから特異点を通って行った際の2度にわたって到達しています。
高天原に結城友奈が到達した際、結城友奈と天の神が出会ったような描写はありませんでしたが、高天原には天の神を表す鏡があったり、高天原にて東郷美森を助けたことで天の神に見つかったという表現があるなど、神との距離が近くなる場所である表現が見られます。
また、結城友奈は高天原にいた時のことをはっきりと覚えているわけではないような描写がある点も、乃木若葉が中立神のことを「懐かしい響きがするような」という曖昧な表現をしたこととの関連が見受けられます。
以上の描写から、乃木若葉も、この『高天原』かそれに似た性質の空間にて中立神と出会っていたのではないかと考えました。
次に、いつ出会ったのかという点について考えていきます。
当然ながら、勇者であるシリーズにおいて中立神と乃木若葉が出会っている場面というのは一度も描写がされていません。
そのため、描写されているものの中から中立神と乃木若葉が出会っている可能性の高い場面を探っていきます。
まず、乃木若葉は花結いの章第31話において中立神を懐かしいと評していることから、この場面より前に中立神と出会っていることになります。
また、中立神が自分の力を授ける対象として乃木若葉を指名していることから、少なくとも乃木若葉が勇者としての力に覚醒した後に出会っているのではないかと考えました。
そして、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」では乃木若葉をはじめとした西暦組は全員、外界調査前に神樹の中の世界に召喚されています。
つまり、乃木若葉が中立神と出会っている時期は乃木若葉が勇者の力に覚醒した2015年7月から外界調査に行く2019年3月および神樹の中の世界に召喚され造反神の試練を終えるまでの期間となります。
この期間のいずれかで乃木若葉が高天原またはそれに準ずる空間に行き、そこで中立神と会っていたのではないでしょうか?
さらに、ここで重要となってくるのは、乃木若葉が単独で中立神に指名されていることから、おそらく中立神に過去に出会っている際は乃木若葉一人であっただろうということです。
小説「乃木若葉は勇者である」や「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」での描写されている限りでは、乃木若葉が単独行動している場面というのは限りなく少なく、多くの場合幼馴染の上里ひなたやほかの勇者たちと共に行動しています。
そのため、乃木若葉が中立神と会っていたタイミングを考えるためには、乃木若葉がほかの勇者や巫女と一緒におらず、完全に一人になったタイミングを探していく必要があります。
3.結論
ここまでで、乃木若葉が中立神に出会うことのできるタイミングをまとめると
・西暦2015年7月から2019年3月および花結いの章の期間
・乃木若葉がほかの勇者や巫女と一緒におらず一人になった時
私は、この2つの条件を満たし乃木若葉が中立神と会っていた可能性が最も高いタイミングは、西暦2019年2月の『丸亀城の戦い』の場面だと考えました。
丸亀城の戦いで巨体バーテックスを討伐した後、乃木若葉は精霊を体に降した反動により空から真っ逆さまに落ちていきます。
この後に若葉がどうなったのか、という描写はされていません。
残りのバーテックスの掃討は若葉を除く勇者4人で行われ、樹海化が解除された後、上里ひなたが発見するまでの数十分から数時間、乃木若葉は完全に一人の状態で何があったのか描写されていない空白の時間があります。
また、通常の場合勇者は樹海化が解けた後に全員同じ場所に戻ってくる描写が多いですが、この場面では若葉だけが樹海が解けた後に一人だけ別の場所にいたことも気になります。
以上の描写から、乃木若葉は『丸亀城の戦い』の際に高天原またはそれに準ずる空間に行き、そこで中立神と出会っていたのではないかと結論付けました。
4.最後に
いかがだったでしょうか。
今回は「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」の乃木若葉および中立神の意味深な描写から、
乃木若葉と中立神は過去にあったことがあるんじゃないか?
という仮説を立て、作中の描写から最も乃木若葉と中立神が出会っていた可能性が高い場面として、『丸亀城の戦い』の後の空白の時間を挙げていきました。
中立神と乃木若葉の関係性については、きらめきの章第24話が配信された際に話題になり、多くの人がそれぞれ関係性について予想していたように思います。
乃木若葉や天馬美咲のわずかなセリフしか描写がないこともあり、中立神と乃木若葉が実際にどういう関係にあるのかについては十人十色の考え方があると思います。
ぜひ皆さんの思う中立神と乃木若葉の関係性をコメントなどで教えていただければと思います。
今回はこれで以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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