兼業キャリコン、の、本業であるライター業の話(採用情報取材の話)
こんにちは。
兼業キャリアコンサルタントのはしもとゆきです。
3月1日が過ぎまして、本業であるライターとしての仕事が大量リリースされました。今年も無事にサイトオープンして良かった……。
フリーランスのライターとしていろんな仕事をしてきましたけど、現在メインにしている分野が、大学生向けの就職情報サイトに掲載する企業情報の取材とテキスト作成です。
新卒一括採用に関する是非や就職情報サイト業界の是非についてなどは、もういろいろと言いたいことがありすぎて、文章にする気力もないから書かないけど。
ただ、大学生がこれから本格化する就職活動に向けて会社や業界の情報を得るため、として、こういった情報サイトの存在意義はあると思っています。
もちろんサイトによって運営方針はさまざまなので、企業のかたが掲載情報を書いているところもあるでしょうし、企業から「この資料で書いてください」と渡されたものから再構築してライターが在宅で書いているところもあるでしょうし、基本的には企業のかたに直接取材をして、その企業の特性や魅力を引き出しながら第三者目線でぶつかってテキストにしているところもあるわけです。
私は現場大好き、現場で見たり話したりしたことから学生のみなさんに気づいてほしいことを伝えていきたい派なので、取材ができるサイトでしか書いていません。(過去に資料から作成するようなサイトの仕事もしたことあるけど、秒で飽きたし、書く意義がわからなくて二ヶ月で辞めた)
でもこれらの情報サイトの記事が、ものによってはライターがインタビューして書いているということって、意外と知られていないんですよね。
毎年毎年、たくさんのディレクターとフォトグラファーとライターが、夏の終わりくらいからヒーヒー言いながら各地を取材して、白目をむきながら原稿を書いて、3月1日の情報オープン日に向けて奔走しています。
私はちゃんと企業に勤めていたことがほとんどなく、毎日同じところへ同じ時間に通うのが極端に苦手な気質なので、とにかく就職をしているかたを心から尊敬しているという基本姿勢があります。
なんの話を聞いても「すごい! かっこいい!」と思うし「どうなっているんだろう、どうやって成り立っているんだろう」と興味を持てる性格であることは、この仕事をする上で長所といって良さそう。
出版やメディア、エンタメ、広告業界のことしか知らずに育った私にとって、ITも金融も不動産も建築も土木も工場での製造も何もかもが新鮮で面白い。福祉分野の多様っぷりも毎回深く納得できて面白い。ホテルなどのサービス業界やフード、アパレルなどの分野は情報誌のライターをやっていたころの取材先でもあるので、その裏側を知ることができて面白い。
社会ってこうなっているんだって社会科見学のつもりで周りを見渡し、質問をし、どうでもいい話もしながら企業のムードを受け取り、規定の文字数内の文章にまとめていきます。
情報サイトの役割のひとつとしては、規定のフォーマットに入る情報量という縛りがあるからこそ、企業の基本姿勢が浮き彫りできるってこともあるんじゃないかと思っています。「ウチの会社だけは特別に、ルール度外視してあれもこれも」というわがままを受け付けず(そういう場合は別料金で独自サイトを作るべき)、少ない文字数の中で何を打ち出したいかを明確にしていく。その駆け引きの面白さもあります。
……脱線したな。この話じゃない。
いろんな考え、スタンスのライターがいるので一概には言えないとはわかっていますが、私はライターとして「学生が興味ある会社のことを知るための入り口を作る」ことや「会社のサイトに書いていないことを、その会社に今働く人の言葉で聞き取る」ことを大切にしたいと思っています。
そしてもうひとつ大切にしているのが、取材をさせてもらった企業のかたがたにとっても、インタビュー(や、撮影)をされたという経験を楽しんでほしいし、それによって自身の仕事の振り返りや、自分のやってきたことが結構かっこいいんじゃないかと思ってもらえたらいいなというスタンス。これからの仕事に対する、少しの栄養分になれたら嬉しいな、というか。
年間80社くらいの取材をしていて感じるのは、すべての人にとって働きやすい最高の会社というのはないんだろうな、ってことです。
私にとって素敵だと感じた会社も、きっと誰かにとっては居心地の悪い会社だし、その逆もある。すべての条件が誰にとっても100点というところなんてないんですよね。当たり前だけど。
だからこそこれから就職活動が本格化する大学生のみなさんは、できるだけいろんな角度から情報を集めて、可能であれば現場や人を知って、自分で考えていってほしい。難しいご時世だけども。
私たちが関わっている情報サイトは、その多角的な情報のほんの一角を担っているだけだけれど、私はみなさんが少しでも納得できる働きかたを選べる、そんな情報を見つけてきたいなと思っています。
これ言うと怒られちゃうのですが、たくさんの人がその企業に応募するよりも、本当にその企業と相性がいい学生一人に見つけてもらうことが大事なんじゃないか、そんな気持ちもあります。企業としてはたくさんの学生のなかから選びたい気持ちもわかるから、そのへんはバランスですけどね。
毎年毎年3月1日は、学生のみなさんの就職活動が少しでもいい時間となるようにと願う日。就活なんてめんどくさいししんどいし、だからこそその先に“納得”があるといいなと思うし、将来的には楽しめる場に出会ってもらえたらいいなと、そんなことを考えています。
そしてこうしていろんな業界の現場に乗り込んでいって、そこにいるたくさんの人たちのお話を直接聞いてきたという経験が、なんか他の形でも活かせるんじゃないかと思ってキャリコンの資格を取ったという背景もあるんですよ。“ある現場の例”を多数持っている、これもキャリコンとして何かの役に立てたらいいのですが。
そしてキャリコンとして学んだことが、インタビューの場で何かの効果を生み出していたらちょっと面白いんじゃないかとも思っています。
こういうたくさんの企業・業界・人のインタビュー経験を客観的に体系化して総括したいという考えもあって、キャラに合わないキャリアコンサルタントなんていう資格を取得したんですけどね。
インタビューとキャリコンとしてのカウンセリング、似ているようでやっぱり違う、その微妙な違いを面白がったり戸惑ったり間違ったりする日々ですが、文章が書けてインタビューができるキャリコン、キャリアに関するコンサルティングができるライター、そんな少し変なポジションを楽しんでいきたいものです。で、他の人にできないこと・お話ができたらいいですよね。ニーズあるんだろうか。