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世界一 ―高知県室戸市での暮らしの始まり―


昔の日記を転載しています📔

2011年06月22日15:25


新卒6ヶ月目、突然の異動宣告。 慌ててペーパードライバー講習に通う

世界一、

深いプールのある、高知県室戸市に昨年11月から移住しました。

四国右下の先っぽです。
近くには、龍馬伝で話題の、中岡慎太郎や岩崎弥太郎の生家があります。
私が勤める施設は、室戸岬の先端にあります。
室戸岬は空海が悟りを開いた場所で、空海の名前は、室戸の空と海からつけられているそう。

毎朝、中岡慎太郎と空海の巨大な像を拝みながら通勤しています。
毎日、ピリリと気持ちは引き締まる、なんて(笑)

そう、「一生自転車生活宣言」をしたのにも関わらず、運転をせざる得ない状況に追い込まれたのです。
米子から異動が決まって残り2週間。
一日1万円もかけて5日間、死に物狂いでPD講習(ローマ字にするとカッコいいけど、単にペーパードライバーの略だよ)に通いました。
運転ができるようになって、明らかに行動範囲が広がって、今は感謝しています。

そして、みーはーみーはーと言われますが、もう竜馬の魅力にぞっこんです。
『おーい竜馬』のおかげで、日本史が勉強したくなりました。
(でもまだ『竜馬がゆく』は読んでいません・恥)

自由追求の歴史国 「志国」

本当に知らなくて恥ずかしいのですが、板垣退助も高知県出身。
山陰は、神の国なイメージでしたが、
ここ土佐は、自由追求の歴史国というイメージ。
四国を「志国」と呼んじゃうくらい。

室戸市は、過疎化が激しく、昔は水産業で賑わった場所です。
過疎化、地域格差、部落差別・・・
教科書で習ったけど、埼玉では全然実感の湧かなかった事柄が、物凄く身近。

スーパーでは鯨の肉が並び、まんぼうや鮫も食べました。
まんぼう、美味しいです。
(まんぼうは、サンシャイン国際水族館の可愛いイメージしかなかった私にとっては衝撃!)

家の中には直径10cmほどの蜘蛛が這いまわり(しばらく押し入れに生息していたけどいなくなったときはちょっと寂しかった)、
満天の星空にホタルウォッチングに、ホエールウォッチングまでできちゃいます。

そして女性が元気。
普通、「戦国武将な彼氏が欲しい!」って言うところを、
「自分が武士になりたい!」って言う友達がいるくらい笑

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※毎晩、帰りの海の景色に心が洗われます。

プロセスが欠落しても成り立っている?私達の生活

最近の私の関心事は、専ら「自然」と「ものごとのプロセスを知る大切さ」。

きっかけは、遡れば、ドイツで感じた、人間と自然の共生を感じさせる風景。
そして興味をさらに突き動かしてくれたのが、鳥取でお世話になった漁師さんと、隠岐の海士町でのできごと。

鳥取でお世話になった漁師さんは、なんと同郷埼玉からIターンとして鳥取大山町に住み、素潜り業をされています。漁師さんの素潜り漁は、大きなたらいを担いで、機械的な動力などは何もつけず、そのまま沖を目がけて泳ぎ、一日多いときは数キロ泳いでサザエやあわびを採ります。
本当に毎日が命がけ。そんな旦那様を支える奥様の姿勢が素敵でした。
そんな思いで獲られたさざえは、美味しさが倍増するみたい。

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※富士山よりシルエットが美しいと思っている大山。


海士町では、漁にかかるコスト大変さ、水産資源の値段についてのお話を伺った上で、漁師さんから白イカを購入し、透明なうちにお刺身と揚げものにしました。(それでもタダ同然で譲ってくださった)
合鴨農法をする農家さんには、お米への愛情や自慢の機械達の凄さを説明してもらいました。

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※牛が自由に歩き回る海士町(何とか牛の糞が写っていない写真)


こんな感じで、食材や身の回りのものが自分のもとに運ばれてくるプロセスを知ることの、喜びだったり、面白みだったり、安心感を感じたり、そのものに注がれる愛情だったり、そんなものを感じるることができました。

自分の身の回りのものと自分のつながりを意識しはじめると
どんなに高級な食べ物を食べても(といっても凡人の私の手が届くところですが…)、その過程がわからないと、私にとっては、食事の楽しみやわくわくが減ることも実感。
(きっとこれは、料理の説明の仕方に大きく関係している気もする)

そう考えて自分の暮らしを振り返ってみると、あまりにもプロセスが欠落したものが多い。プロセスは欠陥しているのに、何故か暮らしているという不思議さ。

昔読んだ、ダニエルピンクの「ハイコンセプト」という本でも、ものごとの関連性、ストーリーの重要性について語られていたけど、まさにこれ。
(この本は、今後の価値観について説明されていて、物凄く納得した本、おすすめです)

プロセスを分断することで成り立つ私たちの効率的な生活。
あえて分断させることで、利便性は飛躍したけれど、何かそれに違和感を抱き始めている。違和感を抱き始めても、暮らしてはいけてるのだけど。

人間は、海から生まれたため、血液や体液、羊水は海の成分とほとんど変わらないそう。(私が働く施設では、海洋療法:タラソテラピー、を体験できます。)

海から、人間も大地も生まれた、その自然の摂理を知る。
自分が、自然の一部であり、一部でしかないことを知る。
そうすると、きっと、もっとシンプルで、自然な生き方ができるはず。

大学では、環境教育の授業に全く興味を持てなかったし、
室戸では、シティガールと呼ばれていましたが・・・
渡辺、何かが変わり始めています。

お仕事も楽しいです。
色々関われて、毎日刺激的です。

そして土佐は人が温かいです。
お遍路の、接待文化が根付いているからかもしれません。
南国な気候も影響している気がします。
室戸では「べー(ちゃん)」というあだ名で呼ばれています。
新しいニックネーム、とてもお気に入り。

台風銀座、室戸岬へ、皆さんがお越しくださることを、心待ちにしています。

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