【ゆる書評】松本清張 「鬼畜」
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2022/08/24、表題作「鬼畜」読了。
ちょっと金ができたら、2号さん囲うのは男の甲斐性みたいな時代が背景にあるのだろう。(今でも「援助交際」とか「パパ活」とか、名前や層は変わっていても、似たような構図はあるのかもしれないが。)
金の切れ目は縁の切れ目とはよく言ったものだ。
最初は愚直に仕事をし、糟糠の妻と共に生計を営んでいた夫が、ちょっと金が出来たことで、外に女を作る。
それがうっかり8年も続き、3人も子供を作ってしまったから始末が悪い。
女は浮気の怒りが相手の女に向くなんて聞いたことがある。
相手の女が子供を置いていなくなってしまった場合、その向く先が子供に向かうことは、いたましくも想像に難くない。
そもそも妻にしてみれば、夫がよそでつくってきた子が可愛いわけはないだろう。
それと、子供に憎悪をぶつけていいということは同義ではないのだけれど。
情けないのは夫の方。
無責任に女を囲い、無責任に子供を作り、そして今、妻の怒りが子供達に向いていることについても無責任極まりない。
ただ妻が恐ろしいから、子供を守ることすらせず、むしろ言われるままに、手をかけていく。
それをただ一言で言い表すのは、まさに「鬼畜」。
人ではないものに堕ちた姿だ。
今も大人の無責任の犠牲になる子供の悲しいニュースを聞く度に、胸が痛む。
映像化も何度かされているこちらの短編。
まだ観たことないが、全て閲覧注意⚠️なのは間違いなかろう。
他にビートたけし主演と玉木宏主演のものもあるとか。
ビートたけしは想像出来るが、玉木くんがこんな鬼畜を?!
かなり気になります。
松本清張に限らず、まだまだ色々読んでいきたいです。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。
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