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目に見えないものこそ大事だったりする

先日、大阪歴史博物館で開催されている「異界彷徨」に行ってきました。

オカルト的なものって興味をそそられますよね。

フラッシュ無しの撮影OKという懐の深さだったにも関わらず、一枚も撮らずに出てしまったのは少し後悔。

まぁ、それだけ集中して見ていたということでしょう…

展示品としては呪いの品やいわく付きの何とかではありません。

民間信仰に使われてた文化財や、当時の人達が不思議に感じていたことを形容した絵などボリューム満点。

民俗学的な資料として非常に見応えのあるものでした。

カッパを始めとした珍獣の詳細なスケッチを見ていると、

「ほんとに存在していたのでは?」

と思ってしまいます。

「九相図」という仏教絵画も印象的でした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E7%9B%B8%E5%9B%B3より引用

死後の肉体変化を9つの段階に分けて描くことで、身体的なものに対する執着を手放すことを目的にしているようです。(骨になるまでの過程はわりとグロい)

肉体は清らかなのではないですよと、妙に洒落た方法で伝える。

こういった昔の人達のセンスはいつも感心させられます。


詐欺師とかは相手を信用させるためにSNSで豪遊投稿したり、ブランド品で身を固めたりしますよね。

でも、外見に応じた精神性を兼ね備えているかは、パッと見ただけでは分かりません。

ボロボロの服を着ている人が大金持ちかもしれませんし、肉体的に衰えた老人は膨大な知識を持っています。

自分をより良く見せるためや、他人を不快にさせないためにも、ある程度外見に気を使うのは普通の感覚としてあるでしょう。

でも肉体的なものはいずれ朽ち果ててしまいます。

外見ではなく、精神的な部分を成長させることに焦点を当てて生きていくことが大事なのでは?と9枚の画を通じて理解できた気がします。(ダイエットは頑張りたいですが)

今のルッキズム的な問題にも関係するのかもしれませんね。

見た目ではなく中身で勝負。

わたしももうすぐ30代中盤に差し掛かろうとしていますが、意識していきたい内容です。



科学技術が爆発している現代において、宗教的な行事や儀式ってけっこう冷遇されている印象があります。

日本人の多くは「無宗教」を自称していることは有名です。

でも、墓石を蹴り倒すことに抵抗を持たない人は少ないはず。

神社やお寺で変なことをすると、「バチが当たるかも…」と感じる人は多いはず。

また、毎年の初詣の映像を海外の人が見たら、めちゃくちゃ信仰熱心な国に感じるでしょう。

実際、イスラム教最大の宗教行事「メッカの大巡礼」に集まる信者200万人に対して、正月3が日に「明治神宮」を参拝する人は約320万人となるそうです。(しかもメッカ巡礼は5、6日間程度あるらしい)

全国の寺社仏閣を合わせるなら、その参加人数は1,000万人を超えることは間違いないでしょう。

このことから、日本の初詣は世界最大の宗教行事ともいえるはずです。



そもそも、技術や科学信仰に切り替わってから数百年程度(そんな経ってない?)ですので、人間は不思議なことやよく分からないことを怖がってきた期間の方が長いのです。

説明できない出来事は今も普通にありますし、誰でも不思議体験の1つや2つ持っているでしょう。

そういったものを「非科学的」だと一蹴するほうが、不健全だと感じます。

コロナ禍で「アマビエ」が突然の流行り神になったり、厄年には厄除けにいったり、子どもの七五三をしたり、節分で恵方巻き食べて豆まきをしたりと、今でも精神的な行事がすぐそばにいる。

目に見えることが全てだと思わず、目に見えないことこそ大切にしないといけない。

そんなことを再確認できた展示会でした。



その後、以下の展示が最終日だったので滑りこみで行こうと思っていたのですが、長蛇の列が出来ていて諦めました…(1時間以上はかかりそうだった…)

こちらはこちらで世界各国から集めた本気の呪物を展示しているという珍しい展示会。

並んでいる人は結構若い人たちが目立ちました。

おそらく、ほとんどが10代後半〜20代前半くらいだったのではないでしょうか。

こういった展示会に怖がりながらも興味を持って人が集まる。

現代人もしっかり目に見えないものを重視しているのだなと感じました。

スピ系とかって冷笑されがちですが、どんな人も少しはそういった部分持ってるんじゃないかな?という話。

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新井 勇貴
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