半年に一回は曽祖父を思い出して毎回泣いてる。

今日の夜ご飯は夏野菜が多めで、その中にトマトもあったんだけど、そのトマトは少し甘かった。曽祖父の作るトマトも甘かった。
食事中、何度も泣きそうになった。

元気だった頃は毎年トマトとかいろんな種類の野菜を作っていた、もうあの味を食べることは出来ない。

「アイコって品種のトマトは甘さがなくて美味しくない」って言ってたけど、曽祖父の作る野菜はどれも美味しかった。

私は声が小さくて、曽祖父は耳が遠かったから喋ったことはほぼ無い。いつもビッグマンを飲んで、戦争やいろんな話をしていた。
孫や曾孫が何十人も居るのに、私の名前も漢字も覚えていてくれた。

母や弟にニキビの事を言われて泣きそうになった時、それを聞いていた曽祖父が私のおでこに手を当てて「大丈夫です、必ず治りますから」って何度も言ってくれた事も、大きくて優しかった手の温もりも忘れられない。


早朝に亡くなったって聞いたときも、お葬式の時も、全部泣いた。お葬式では誰よりも泣いた。亡くなった時はやせ細っていて別人のようだった。
今はお寺の納骨堂に居てお盆の時にしか行けないから、アルバムに残ってた写真を飾ってる。

親や祖父母がトマトを毎年育てていて、私も時々手入れをしたり収穫を手伝ったりするけど、そのたびに曽祖父を思い出す。

会いたいなぁ、少し思い出しただけでも涙が止まらない。毎年泣いちゃうんだよ。