
ありのままのロバートさん
私は、プロデューサー的な立ち位置の方の本が、昔から好きだ。
なんとなく買ってみたらすごく面白くて、
大切に読み進めてきたロバート・アイガー氏の自伝を読了。

信じられない位、濃ゆい人生…!
物凄くボリュームのある一冊になるのも納得。
彼の真っ直ぐな語り口が、スムーズにその時代のその場の情景をイメージさせてくれて、
まるで長編の映画を観ているかのようだった。
野暮なことを言ってしまうけれど、
誠実で謙虚で勤勉で、頭の良い人がトップに居て
今のディズニーの成功があるんだな、と。
そしてこの本から学んだのは、
誰もが知っている世界有数の巨大企業にとっても
「ひととなり」は物凄く重要である、ということ。
常に全体を俯瞰して、
大切な存在でも容赦なく取捨選択を求められる立場、
そんな時も相手への誠意と愛をもって対応する姿勢。
責任者は計り知れないものを背負いながら、
先の先を見据えながら進んでいる。
そんな大変な役を持ちながらも、
家族を尊重、奥様を心から尊敬し、
支えてくれることへの感謝の気持ちも
言葉の節々から感じられ、
すっかりファンになってしまった。
スティーブ・ジョブズと仕事を通して知り合い、
力を合わせて結果を出し、私生活でも打ち解けていき、
自分に正直な彼との付き合い方を模索しながら
信頼関係を築いていく過程にも痺れた…!
人たらし、というよりは、とてつもなく柔軟で懐の大きな人。
決して自らを押しつけない姿勢。
だから人がついてくるのだと。
心から見習いたいと思えた。
表紙に写る、品格を感じる優しい笑顔が、彼の人生と人柄を表しているのだろう。
元々、「ディズニー?子供にお願いされたら映画観に行く位かな」
というレベルだった私も
読み終えてみると、ディズニー作品が今まで以上に愛おしく思える。
これも、ロバートさんの戦略のひとつなのかもしれない。
彼が推していた映画「ブラックパンサー」を、この休みの間に早速観てみようと思う。