忘れたくない日

成人式の前撮りのために母方の祖母が髪飾りを作ってくれて(完成したので札幌に帰ってきた時に取りにおいで)という連絡が来た。

季節は冬 去年の2月頃かな。
前撮りが7月だったのに余裕を持って作ってくれたのかなと思った。
母方の祖母は昔から器用な人で、ちょっとせっかちで、パワフルで、底抜けに明るいけれど
愛に溢れてて 祖父のことが、大好きな人だった

確か2021年に祖父が他界した。私は東京にいたのとコロナが流行っていたため葬儀には参列ができなかったけれどママがビデオ電話で最後に祖父の顔を見せてくれた。
そこからちょっと色々変わって祖母は無気力な鬱状態になってしまった。

親が離婚して父の家に引き取られたこともあり昔のパワフルな祖母の印象が強い私は、そんな祖母の姿を見るのは辛く、たまに北海道に住んで欲しいとかそばにいて欲しいと言われた時、申し訳ないけれど、どうすればいいのか分からなくて
会うのがプレッシャーになっていた時期もあった。

好きだった踊りやハンドメイドもやめてしまっていたけれど、私が成人式なのと少しは残せるものを作りたいという気持ちで今回髪飾りを作ってくれた。

私の好きな色や物をモチーフに、赤い大きなリボンと少し垂れたお花と蝶々。すごく綺麗で
1番の宝物に見えた。
2人で祖母の家でお茶をして沢山お話をして、帰る時間になってしまった。

北海道の冬、雪がいっぱいで寒いし足場も悪く
昔腰の手術だってして足腰も悪いから尚更大変なのに、辛いはずなのに
駅が見えるところまで送るよ!と言って送ってくれた

ちゃんと別れを言い 数メートル、数分?歩いたとき、ふと後ろをふりかえってみたそしたら私が駅にちゃんと着いて入るまで見送ってくれた。

その瞬間に頭の中にカネコアヤノの祝日が流れた。
「あなたが振り返らなくても姿が見えなくなるまで気づかれないように見送る」
この歌詞が頭に過ぎってどうしようもなく泣きそうになってしまった。

私はこの日を忘れたくないし、愛おしい人は姿が見えるまで見送りたい。愛に溢れたあの人が教えてくれたように私もそうなりたい。
凄く嬉しいというか愛を感じれるから言葉には出せないけれど、大切にしていきたいなと思う

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