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自然ガイドの仕事とガールスカウト

5歳の頃から始めたガールスカウト活動、今年で20年が経ちます。
人生のどの時点にもガールスカウトがあって、様々な体験や人との出会いから多くのことを学んできたのですが、改めて言語化することもなかなかないので、やってみようと思います。

今回は、現在の仕事「自然ガイド」の業務内容に、ガールスカウトの経験がどう活かされているかを取り上げます。


まずは、自然ガイドの業務について。
自然ガイドとは、その地域の自然を案内する人のこと。
個人事業主としてのガイドやボランティアガイド等、さまざまな形態がありますが、自分は会社に所属しています。

仕事は会社がアレンジしてくれますので、自分で仕事を取りに行ったり、関係機関との調整をしたりという裏方業務はほぼありません。

自分が主に案内しているのは、往復の距離が約2キロ、高低差が約100mのコースです。
このコースを2時間ほどかけてゆっくり歩きながら、その時その時に咲いているお花たちを紹介しています。

ウスユキソウ。6〜7月が見頃

一緒に歩くお客さんは、基本的には旅行会社のツアーの参加者の方々。最大20名の列になります。
50代〜80代くらいのご夫婦が中心ですが、時々お子さんやお孫さんとご参加の方もいます。


さて、ガールスカウト活動の経験は、大きく3つの点で活かされていると思います。

1点目「時間を守る」

常に時間を気にしながら動く心がけは、間違いなくガールスカウトの経験が活きます。
お客さんにとっては、ツアーの中のプログラムの1つ。前後には食事があったり、次の観光地があったりしますので、必ず時間通りに実施する必要があります。

ガールスカウト活動では、キャンプはもちろん、日常の集会においても「何時まで」「何をする」を意識します。ましてや集団行動なので、時間に間に合わせるためには、全員がタイムキーパーでなければなりません。

意識せずとも、常に時間を気にしながら動けるのは、ガールスカウトのおかげだと思います。

2点目「臨機応変で冷静な判断」

自然と人間を相手にする仕事ですので、日々さまざまなことが起こります。お天気が急に崩れることもあれば、お客さんの体調や気分が何かの拍子に悪くなることもあります。
先頭を歩くガイドは、その時の対処や判断を行う必要があります。

ガールスカウトとして、キャンプや海外派遣に何度も参加してきました。これらの活動は、「非日常でのトラブル対応の連続」と言っても過言ではありません。

突然の大雨にどう判断するか、体調不良にどう対処するか、トラブルやすれ違いからどう歩み寄るか。
スカウト(子ども)の時代からそういった臨機応変な対応能力は育まれていくものだと思いますが、リーダー(指導者)の立場になってからはさらに、スカウトたちの様子や周囲の状況、今後の予定など多くの要素を考え、行動することになります。

もちろん、その判断がいつも正解とはいきませんが、少なくとも自分の心が冷静でいられるのは、このような経験をどれだけ積んできたかに影響されると思います。

3点目「リーダーシップ」

先述のとおり、多い時には20名を連れて歩きます。20名にきちんと話を聞いてもらうには、たとえば声のトーンや表情、話の緩急、指示を出すタイミングなど、ちょっとした工夫が必要です。

これには、ガールスカウト活動での指導経験、また人前で話す経験が活かされています。
わかりやすい話し方、ピシッと注意したい時の言い方、目線の合わせ方など、「ゼロからの開始」ではなく「アップデート」していくことができたように思います。

また、子どもたちが一方的な講義を面白くないと思うように、大人だって、独りよがりなガイドは面白くありません。楽しく学んでもらうための工夫はいつも気にかけています。

ガールスカウトという教育の場で、さまざまな指導者と出会い、自分も指導者として活動してきたので、知らないうちに考えられるようになっていたのかなと思います。


以上、「ガールスカウト経験がガイドの仕事に役に立っていると思うこと」でした。

ピアノや水泳などの習い事と違って、身についたものがなかなか技術として見えにくいのがガールスカウトですが、長く続けているといつのまにか、どんな時にも役に立つ力がついていたんだな〜と思います。