マッチ

マッチを擦って
火をつけては
すぐに火を消す

マッチを擦って
火をつけては
またすぐに火を消す

それをしばらく
繰り返し、
繰り返して、
終いには火をつけることもせず、
マッチを指でへし折っては
床に投げ捨てる。

そうしていたら、残りのマッチは
たった数本になっていた。
さすがに全部は折ってはいけない
そんな気がして、マッチを何本か残した。

眠れない夜、浅い眠りの中で、
こんな夢を見た。イヤな夢だった。

「マッチ」
詩・山田正史

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