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デザイン料と鉢植えのサイズの話

 こんにちは。インテリアデザイナーの佐藤です。
前回初めてのnoteで自己紹介を書いたんですが、そこそこ読んでいただいて少しですが反響もいただきました。(よろしければ下記お読みください。)

 その中でいくつか質問もいただいたんですが、多かったのは下記の2点でした。(総数それほど多くない!)

・仕事どうやってとってるの?
・デザイン料ってどうやって決めてるの?

 仕事の取り方については僕自身もよくわかっておらず、何となくご紹介やリピートで続いているというのが正直なところです。(営業しろ!)
 ただ、デザイン料の決め方については明確な考えがあり、少しだけ参考になるかもしれないので、僕のそれほどでもない経験からアドバイスさせていただきたいと思います。(誰も聞いてくれないかもしれないけど泣)
 僕はインテリアデザイナーなので、基本的に設計料・デザイン料についての考え方にはなりますが、他の分野、職業の方でも応用できると思います。(本当かな?)
 なお、具体的な金額については企業秘密となるためご容赦ください。どうしても気になる方は実際にお会いする機会があればこっそり聞いてください。ボソッと教えます。(この秘密主義!) 

料金の基準を決めよう!

 まずは料金の基準を決めましょう。僕の場合は設計・デザイン料。あなたの場合はライティング料かもしれないし、コンサル料かもしれません。
 僕も当然、設計・デザイン料の基準を決めてあります。決める際に気にしたことは主に下記の3点。

①その仕事でいくら稼ぎたいか
②いくらならその仕事に全力を出せるか
③業界の相場はいくらか

 それぞれ見ていきましょう。まず一つ目は売上目標から考える方法。例えば年収や月収から1日あたりや1時間あたりの料金を出す方法。下記のような感じ。

 1日で¥20,000稼ぎたいので、5日かかる仕事なら¥100,000にしよう!

 2つ目は逆にその仕事にいくら払ってもらえたら自分のポテンシャルを十分に発揮できるのか、から導き出す方法。例えば下記。①のように日給での考えや、その仕事のクオリティを上げるために他にどのような経費がかかるかなど。

 2週間かければいい提案ができるので¥200,000にしよう!
 提案のために外注で¥50,000必要!
 取材が必要なため交通費や宿泊費が必要!

 3つ目、業界の相場がどうなっているか調べましょう。仮にコンビニバイトで時給¥2,000稼ごうと思っても非現実的。(2人分動けばいける!!!)自分の働いている業界の相場がどの程度になっているか、著しく逸脱していないか調べてみましょう。例えば、設計・デザイン料の場合は下記のようなものがあります。

 全体施工費用の8%~12%
 最低設計料30万円から

 いろいろな事務所、デザイナーを調べてみると施工費用の5%~15%あたりが多いようです。最低設計料は決めてあったりなかったり。また内容自体の難易度に応じて変えたり、期間によって変えるなどなど色々な要素があります。
 ちなみに業界の相場から逸脱しているとダメということではありません。そこに理由があれば大丈夫。あくまで相場は把握しておきましょうというだけです。

 主に以上の3点を考慮し、経費なども考えて料金設定をしていくわけですが、ここで注意点がひとつだけあります。それは安い料金設定は避けましょう!ということ!(ここは力強く!!!)

 安い料金設定はやめよう!

 同業者やフリーランスの方と料金について話をすると下記のようなことをよく聞きます。(本当によく聞きます!)

「自信がないので安めにしています。」
「高くすると仕事がなくなる。」
「お試しでタダでやっている。」

 僕もほぼ独学、ほぼ未経験でデザイナーになったので気持ちはよくわかります。(すごくわかる…)最初は僕もこのような感じで考えていましたし、実際に安めに設定していました。ただ、安い料金設定だと下記のように多くのデメリットがあるのです。

 ①クオリティーに悪影響がある

 考えてみてください。同じ内容で5万円の仕事と50万円の仕事、どちらの方がより高いクオリティーの仕事ができるでしょうか。
 考えるまでもなく、50万円の仕事ですね。高い仕事の方が多くの時間やリソースを投入することができます。心の余裕も出るので集中できます。(フリーランスには切実な問題!)
 それに対して安い場合はどうでしょう。安い分短期間で仕上げなければいけませんし、モチベーションも低くなってしまうでしょう。

 フリーランスにとって一つ一つの仕事に集中しクオリティーを上げ、保つことはその後の仕事を得る実績にもなるため、非常に大切です。そのためにも安い料金設定は避けるべきです。

 ②品質を低く見られる

 例えば100円と10,000円の同じような見た目のグラスがあったとします。どちらが高品質に見えるでしょうか。当然、10,000円の方ですね。
 お客さんはこのように思うはずです。同じように見えるけれど、10,000円もするんだから高くなる理由があるのだろう、と。

 僕自身も仕事の中で他のフリーランスの方にお仕事をお願いすることがあります。その際に提示いただく料金があまりに安かったりするとものすごく不安になります。ちゃんとやってくれるかな、もしかしてクオリティー低いのかな、などなど。

 ちなみに、不当に高い料金設定はいかがなものかなと思います。あくまで費やすリソースに対して適切な料金設定ということが大切なのかなと考えています。
 なお、ものすごい実績をお持ちの方や、ブランド化されている方はその限りではありません。高い設定をしても代替品がなかったり、仕事が来るのであればそれも正解と言えます。(そんな人が羨ましい!!!)

 ③業界全体にとってもマイナス!

 想像してみてください。もし、あなたと同じ仕事をタダでやっている人がいる世界を。
 想像してみてください。その業界の第一人者があなたより安い料金で仕事をしている世界を。(ジョンレノン!!!)
 安い料金で一流の方に頼めるのであれば、そちらに仕事依頼が殺到し、その料金設定が業界の基準になってしまいます。その結果、業界全体の料金相場が下がります。
 業界全体の料金相場が下がれば、職業として成り立つ人が少なくなり、クオリティーも下がり、業界を志す人も減ります。結果、業界全体の衰退につながります。このような現象は現在色々な業界で見られます。
 あなたもその業界を構成する一人という自覚を持って適切な料金設定を心がけることが必要です!(キリッ!)

もし、やりたい仕事の予算がなかったら…

 ここまで書いてきたように料金設定の基準を設けて、安い料金設定は避けるべきではありますが、現実的にはどうしてもクライアントの予算に余裕がない場合があります。
 断るのも一つの手ですが、やりがいがある、勉強になりそう、社会貢献できるから、など安くてもやりたい場合があるかもしれません。その際は下記のように対応するといいかと思います。

 ①料金に応じて作業内容を調整する。
 一番わかりやすいのは料金設定に合わせて、実際の作業内容を減らしたり効率化したりなど調整することです。これによって料金設定が見合ったものになれば、クオリティーにも影響が出にくくなります。

 ②例外的な値下げ対応とする。
 値下げ対応をするのもいいかもしれません。通常の料金設定を示した上で、今回は例外的な値下げ対応だと説明しましょう。継続した仕事の場合、最初の料金設定がその後の基準となることが良くあります。それを避けるためにも、値下げしてでも受ける場合は、その旨を伝えましょう。
(恩着せがましくならない程度に!)

 ③社会貢献や寄付として考える。
 その仕事が社会的な意義がある場合や、応援したい場合など、社会貢献として対応するのはいいかもしれません。福祉や子育てなど、社会的に価値があるにも関わらず予算がない業界はあります。プロボノといったボランティア活動をするなどの場合、限定的であれば問題ないでしょう。そういった実績はPRにも使えます。
 僕自身もボランティアとして無料でやることがあります。(えらい!)

ちょうどいい植木鉢のサイズから考える。

 唐突に話が逸れますが、僕は観葉植物が好きで自宅にもいくつか置いてあります。忙しいとほったらかしになりがちなので、比較的世話が楽で悪い環境でも問題なく育つものを選んでいます。(無精者!)
 日々の世話は日当たりのいい場所に置いたり、水をあげるくらいなのですが、毎年春先になると植え替えをしています。鉢に対して植物が育ちすぎると根詰まりを起こし、植物が枯れる原因にものなるので生育状況に合わせて適切な植え替えが必要です。そこで重要なのが植木鉢のサイズなのです。

 すでにご承知かもしれませんが、僕はかなりの無精者で、本当は1日布団の中で過ごしたいし、できれば朝の洗顔もしたくありません。(渋々洗う!)なので、植え替えの際も巨大な鉢に植え替えて、楽しちゃおうかなとか考えてしまいます。ところが大きすぎる鉢植えだと水はけが悪くなり根腐れの原因になってしまうこともあるのです。そのため、今よりも少し大きい鉢植えへの植え替えが大切になるのです。(本で教わった!)

 勘のいい方はお気づきかもしれませんが、料金設定についても同じことがいえるのではないでしょうか。自信がないときは自分が思うより少し控えめに料金設定してしまいがちです。それによって少し窮屈になり、自分自身の首を絞めてしまいます。逆にあまりに大きすぎる仕事はうまくさばけず根腐れを起こしてしまうかもしれません。今の自分より少し大きい仕事を少し高い料金でやっていく。そして着実に品質を高めていく。そんな考えがいいかもしれません。

お仕事をご依頼いただくお客様へ

 お仕事をご依頼いただくお客様の中には、なるべく安くと思っている方も多いかと思います。僕自身も仕事を依頼することがあるので気持ちはよくわかります。ただし、料金と品質にはある程度の相関関係があります。ご依頼いただく際には持っている能力を存分に発揮できるよう、お見積金額を設定させていただきますので、ご了承いただけますと幸いです。
 ただし、無い袖は振れない様にどうしても予算が限られている場合もあると思います。その際は予算に応じてこちらから提案させていただきますので、遠慮なくご相談いただければと思います。
(お問い合わせは info@figuram.com まで)

最後に

 最近、料金設定についてのご質問をいただく機会が多く、僕の経験や考え方が少しでも参考になればと思って書きました。とはいえ、僕自身も試行錯誤の途中です。ご意見やご感想、自分はこんな感じでやっているよというアドバイスなどコメントいただけますと幸いです。参考にさせていただきます。
 最後までお読みいただきありがとうございました。これからも時々note書いていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお付き合いください。(ぺこり!)

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