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グラフォロジーを雑に紹介する

はじめに 

 どうも、お久しぶりです。決してサボっていたわけではありません。ただ、毎日ゲームの世界を救うのに忙しくて、noteなんてやってる暇はなかったんです。今、世界を救い終わってちょっと暇になったので、久しぶりに書いています。

今日のテーマ

 今日のテーマはグラフォロジーです。皆様、グラフォロジーをご存知でしょうか。日本語に直すと「筆跡学」となります。簡単に言うと、筆跡からその人の考えや性格がわかるのではないかという、浅はか極まりない発想から始まった「学問ごっこ」です。「学問ごっこ」と書いているのは、「学」とついているにも関わらず、統一された論理や検証手法などがないため、定義上学問ではないからです。
 しかし、日本の中でもこの「学問ごっこ」を熱心に広めている某大学の名誉教授さんなんかもいるので、あまり批判しては怒られてしまいますね。フランスでは筆跡診断士という国家資格が存在し、就職採用などに多大な影響を与えています。結構やばい国なのでは?
 今回は、そんなグラフォロジーとは何かを少し解説しつつ、メンタリズムと相性がいいのではないかというお話です。

グラフォロジーの起こり

 多くの胡散臭いもの同様、古代中国やエジプトにも、文字の形や書き方がその人の性格や運命を反映するという考えはあったようです。ただ、実際に体系化しようという流れが起きたのは、19世紀に入ってからになります。フランスのジャン=イポリット・ミション(Jean-Hippolyte Michon、1806-1881)がグラフォロジーの基礎を築き、著書でグラフォロジーという用語を使ったのが、おそらく初めてでしょう。
 そこから、20世紀に入ると、多くの国で筆跡分析の研究が行われ、フランスのように採用プロセスに組み込むところも出てきました。不思議な進展です。

科学的根拠

 さて、先に「学問ごっこ」と述べたように、科学的根拠は相当薄いです。以下にいくつかの研究を紹介します。

  1. Dean, G. et al. (1987)
    タイトル: "The Graphology Controversy: A Review of the Empirical Evidence"
    ジャーナル: The Australian Journal of Clinical and Experimental Hypnosis
    概要: この論文は、グラフォロジーの有効性についてのメタアナリシスを行い、多くの研究結果を総括しています。結論として、筆跡分析による性格評価の信頼性は低いとされています。

  2. Furnham, A., & Chamorro-Premuzic, T. (2003)
    タイトル: "Graphology and Personality: Another Failure to Validate Graphological Analysis"
    ジャーナル: Personality and Individual Differences
    概要: この研究は、グラフォロジーが性格特性を予測する有効な手法であるかを検証しました。結果として、グラフォロジーの予測精度は低く、性格特性との関連性は見られないと結論付けています。

  3. Simner, M. L., & Goffin, R. D. (2003)
    タイトル: "A Comparative Evaluation of Graphology and Personnel Selection Procedures"
    ジャーナル: International Journal of Selection and Assessment
    概要: この研究は、採用選考におけるグラフォロジーの有効性を他の選考手法と比較しています。結論として、グラフォロジーは他の選考手法と比べて劣っており、信頼性に欠けるとされています。

  4. Ben-Shakhar, G., Bar-Hillel, M., Bilu, Y., Ben-Abba, E., & Flug, D. (1986)
    タイトル: "Can Graphology Predict Occupational Success? Two Empirical Studies and Some Methodological Ruminations"
    ジャーナル: Journal of Applied Psychology
    概要: この論文は、職業成功を予測する手段としてのグラフォロジーの有効性を調査しています。結論として、グラフォロジーの予測精度は偶然とほぼ同じであり、有効な手法とは言えないとしています。

  5. Neter, E., & Ben-Shakhar, G. (1989)
    タイトル: "The Predictive Validity of Graphological Inferences: A Meta-Analytic Approach"
    ジャーナル: Personality and Individual Differences
    概要: このメタアナリシス研究は、グラフォロジーの予測妥当性についての過去の研究を統合しています。結果として、グラフォロジーの予測妥当性は非常に低いと結論付けています。

 今、軽く探しただけで、懐疑的な論文ばかりがヒットします。つまり、科学的な見方をすると根拠がないと言わざるを得ません。

メンタリズムとの相性

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