ひとにやさしく
こんにちは、ゆうや(@yuyaman1986)です。
わたしは意気消沈していた。
まるで、自分だけが異空間にいるようなそんな感覚。「孤立無援」そんな四字熟語が似合うような、まさにそんな状況に立たされていた。
クラスに日本人はわたしひとり。残りの20名ほとんどはアメリカ人という環境だった。
13年前、わたしがアメリカで留学をしていたときの話だ。
そのクラスはスピーチのクラスだった。
先生がしゃべると、周りが爆笑する。なぜ、周りが爆笑しているのかわからない。ジョークを理解するのは難しい。それだけなら、まだいい。ジョークがわからないどころか、授業で何を話しているか、宿題が何なのかそれすらわからなかった。
それが、授業初日の話だ。
わたしの自信は完全に打ち砕かれていた。
途中からメモをとるのすら諦め、頬杖をつき焦点の合わない目でノートの一点を眺めていた。
そんなとき、視線の右側から文字が見えた。
そこには、
I will type for you. (タイピングしてきてあげる。)
こう書かれていた。
わたしの右隣りに座っていた、アメリカンビューティーという言葉が似合う女性がノートに書いた文字をわたしにさりげなく見せてきた。
わたしの理解が正しければ、「授業の内容をタイピングしてきてあげる。」という意味だが、本当にそんなことあるのか。あまりに唐突の出来事で、信じられない気持ちだった。
・・・
次の授業で答えはすぐに出た。
その女性は次の授業でわたしにホチキス止めされた5枚の資料を手渡してくれた。これが実際の資料の1ページ目だ。
"Individualism(個人主義)"と"Collectivism(集団主義)"
ちょうど異文化についての授業だった。アメリカはどちらかというと"Individualism"、日本は"Collectivism"。わたし自身、アメリカは"Individual"だと思っていた。
そんな中にあって、起こった出来事。
世の中こんな人がいるんだ。本当にありがたい。
このとき、本当に救われた思いがした。
こんなに丁寧にまとめられた内容を「5ページ」。この資料含め、留学時代に使った授業の資料は今でもファイルにしっかり保管されている。
「特技=断捨離」なわたしでも、留学のときの思い出は捨てずにとっている。
どちらかというと、最近"Individualism"に偏りがちな自分にもう少し"Collectivism"の要素をプラスしよう。
そして、最後にあのとき意気消沈していたわたしに手を差し伸べてくれた、あの人にメッセージを送りたい。
"Thank you so much!"
では、また次の記事で!