【これからでも始めませんか?】年配の方に効果的な筋トレの方法について考える!
こんにちは。
やまゆう(@Yuyama)です。
「運動不足や不健康に悩む人をもっと減らしたい!」
そんな夢を掲げて、理学療法士の知識や大学院で研究をしてきた経験を活かして、世界の研究論文の紹介や日々の生活での工夫案を伝えるため、note記事を書いております。
周りの方との対話の中で、人生をよりよくしていきたいと思っています!宜しくお願いします✨
今日は、年配の方の筋力トレーニング(筋トレ)は効果があるのか?あるのであれば、強度や頻度はどれくらいがいいのか?
という内容で記事を書きたいと思います。
ここでいう「年配の方」とは、60歳以上とイメージしてください。
この記事はこのような方が読んでいただけると、生活の参考になりやすいと思います✨
👦家族に年配の方がいて、元気のために運動を勧めたい!
👦自身が60歳以上で、運動に筋トレを取り入れたいと思っている!
👦年配の方の運動を促進する仕事のセラピストやトレーナーさん!
👦歳をとってからも元気でいたいので運動について知りたい若い人!
まずは、この記事の結論です。
💪年配の方でも筋トレは、力の増加や筋肉を太くするのに効果あり!
💪低負荷の筋トレでも効果あり。しかし、工夫が必要!
年配の方が力をつけて、より元気になるために適切な、筋トレの考え方とは?
ぜひ、最後まで見ていってください。
▼興味のあるところからでOK!目次をごらんあれ。
▶︎筋トレとストレッチの違いは説明できますか?
運動といっても、いくつも種類があります。
「ストレッチ、筋トレ、有酸素運動、ウォーキング、バランストレーニング、、、」
↑これらの違いって説明できますか?
特に筋トレとストレッチについて、簡単に説明します。
知っているようで、捉え方が少し違う方もおられます。
私が担当する患者さんとかでは、筋トレ を ストレッチ と思っておられる方がいたりしました。逆もあります。
(現場では極力、筋トレとかストレッチって言わずに、噛み砕いて伝えたりします。この記事では、共通の言葉として使わせてください✨)
この用語について分かっていると、医療従事者から指導を受けたり、ネットやテレビなどで情報を得たりするときに、正しく理解しやすいと思います。
よかったら、少し整理されてみてくださいね♬
▶︎年配の方になんで筋トレが必要なのか?「筋力減少症」とは?
歳をとってくるとともに筋肉の量は少なくなります。
それに伴い、力や動く機能は低下してきやすいです。
筋肉の量は20 - 30歳代と比べると、70 - 80歳代では約40%少なくなるとも報告されています。
生活での動く機能低下、転倒、入院、死亡と繋がりやすくなることも言われています。
このように、歳をとることに伴って、
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筋肉の量が少なくなる →
力や動く機能が低下 →
転倒や入院しやすくなる!
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というように一連の過程を経るような状態を、
筋肉減少症(サルコペニア)
と言います。
筋肉減少症は、歳をとることで生じやすくなります。
しかし、適切な運動を行うことで予防、進行を緩やかにすることができると最近の研究では言われてきているようです。
▶︎年配の方も筋トレはきつくないといけないのか?
年配の方は筋肉減少症(サルコペニア)の状態になりやすいと書きました。
そして、治療としては、運動が大事とお伝えしています。
では、この運動はどういう運動か?
ズバリ、「筋トレ」ですね。
え?筋トレ? 年配の方に筋トレとかできるの?
って思いましたでしょうか?笑
筋トレって聞くと、こんなイメージでしょうか?
重い鉛を持って持ち上げたり、何かにぶら下がって体全体を持ち上げたり。
確かに、これらは「筋トレ」ですが、スポーツ選手だったり、ムキムキの体を作りたい人向けです。
ご家族の年配の方や、もしご自身が60歳以上であるという方は、このような「筋トレ」は無理して勧めたりされないようにしてください。
(そんなの、分かっているよー!って声が聴こえてきそうです。笑)
確かに、年配の方が「高負荷の」筋トレをすることは、筋肉の量の増加、力の向上効果があると言われています。(ここからは論文の紹介もしていきます。)
2011年にドイツ、ポツダム大学のMayerらが年配の人に対する筋トレの効果についてメタ分析(※)をしています(引用文献★)。
※メタ分析 = 過去の研究を複数集め、結果について計算する。その分野での分かっていることの結論を出すようなイメージです。もっとも質の高い根拠となります。
この研究論文からの結果は下記の通りです。
💪年配の人が筋トレで効果を出すには
→高負荷(最大の力の85%以上)の筋トレが必要である。
どうでしょうか?
僕が感じたのは、年配のうえに、高負荷ってなかなか大変だという印象を受けました。
でも、高負荷で筋肉の量や力が増えるというのは、理にはかなってはいますね。
とはいえ、年配の方は高血圧や関節の痛みがあったりすると、そもそも高負荷で運動ができないことが多いです。
また、高負荷だとどうしても、「きつい!」という気持ちが強くなり、継続性も損なわれます。
後述しますが、筋トレにおいては「継続性」がとても重要になってきます。
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じゃあ、もっと軽い負荷で筋トレすることはいけないのか?
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って疑問が湧いてきますね。
科学というのは日進月歩であり、近年はまた違った形で研究も進められてきています。
比較的、最近報告されている研究論文の内容を紹介していきたいと思います。
▶︎年配の方が筋トレをする時は、低負荷でもOK!その時の工夫とは?
オーストリアやスペインの研究グループが2016年に発表した論文です(引用文献★)。
年配の方に対する筋トレの効果を改めてメタ分析にて改めて検証しています。
この研究論文では、過去の研究から高負荷(最大の力の85%以上)と低負荷(最大の力の45%以上)の筋トレによる、筋肉の量と力への効果について比べています。
結果としては下記の通りでした。
筋肉の量と力への効果はやはり、高負荷(最大の力の85%以上)の方が高そう。
しかし、低負荷(最大の力の45%以上)であっても、セット内での回数を多めにすると、高負荷と同程度の効果が見込める。
低負荷でも、回数を多めにするといいみたいです!
また、日本の埼玉医科大学や筑波大学の研究グループが発表した2つの研究論文(引用文献①★)(引用文献②★)では、マシンを使った筋トレではなく、
自重(自身の体重を抵抗とした)筋トレでも筋肉の力を向上させる効果があることを確認しています。
2つの研究の特徴は下記の通りです。
💪年配の方を対象としている。
💪それぞれ2ヶ月間、もしくは6ヶ月間のトレーニング期間を経ている。
💪自重筋トレだから、低負荷である。
💪スクワットや踵挙げなどの、簡単な運動内容。
💪1つの筋トレ種目あたりの回数 (20回 × 3セット)
💪自宅で毎日するようにしているが、その遵守率は高い。
これらを見ると、無理なくできる筋トレでも、継続することで効果があることがわかります。
また、ドイツ・オランダの研究チームが2015年に発表したメタ分析の論文を紹介します(引用文献★)。
この論文でも年配の方を対象にした、筋トレの効果についての先行研究を複数まとめています。
これによると、効果が高くなる条件は下記のようだったようです。
💪トレーニング期間が長いこと(50〜53週間)。
💪一つの動作の長さが6秒間であること。
💪動作と動作の間の休息時間は4秒間であること。
以上のことが良い条件であったことを述べています。
なので、やはり、筋トレが「きつい」と長続きしないので、低負荷で工夫する方法が、年配の方には適していると考えています。
これまでの内容をまとめます。
〜 ま と め 〜
💡歳を重ねると筋肉の量や力が低下する「筋力減少症(サルコペニア)」になりやすくなる。
💡「筋力減少症(サルコペニア)」では転倒や要介護などになりやすい。
💡年配の方でも筋肉の量を増やしたり、力を強くするのに「筋トレ」は重要である。
💡「高負荷」の筋トレができるに越したことはないが、体への負担が大きく困難さが増す。
💡「低負荷」の筋トレでも工夫すれば効果を発揮できる。
💡【ゆっくり】と【多めのセット数と回数】で【長い期間】実施することが重要である。
以上です!
それでは、最後までご覧頂きましてありがとうございました。
少しでも「タメになったー!」って思われた方は、「スキ」「フォロー」していかれてくださいねm(__)m
また宜しくお願い致します。
やまゆうでした。