【短編歌詞風】卒業の日

 今日は卒業の日。祝福される門出でもあり、惜しむべき別れでもある日。

 学生時代の思い出を振り返りながら胸の中にしまっていく。

 いつかまた思い出して笑う日が来るように。暫しの別れに浸ろうか。

学生時代に唯一やり残したこと。
3年間想いを寄せたあの子に気持ちを伝えること。

 今までまともに楽しめなかった学生生活に華やかさをくれたのはあの子を思い続けたから。

 気づいたら目で追っていて何気ない会話が楽しみだった。想いを伝えるのが怖いのは俺がまだ子供の証。

 卒業して大人になるために想いだけでも伝えようと思うのはエゴなのかもしれない。

 だからこの思いも胸にしまおうと思う。いつか思い出になって話せる時が来るまで。

 教室であの子が友達と笑ってる。

 誰に対しても優しい笑顔を向けられるあの子が好きだった。

 恋を知って愛を知らない、子供の俺にはもったいない。彼女の気持ちを知りたいけれどどうすればいいのかわからない。

 気づけばあの子と屋上の上。差し出した手を握られた感覚。素直に気持ちを伝えることが1番難しいけど。

 伝えなければ始まらない物語もある。

 一歩踏み出す勇気が欲しいなら、この曲を聴いて行ってこい。

 ダメでも返ってきたらいいから。その時は周りの友達がきっと笑ってくれるから。

 後悔したやつが送る成功のためのメッセージ。

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