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#305 「一人両利きの経営」に重要なセルフコントロール。注意しないと忙しくなるだけ

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

今日も「一人両利きの経営」をテーマに話をします。しつこくて申し訳ない気持ちもありながら、これまで何度かこのテーマを書いてきて、コメントなどもいただきながら、私の中で「一人両利きの経営」において大事なエッセンスがまとまりつつあります。今後、さらに一般的になっていくであろうパラレルワークに関するヒントもあるかと思うので、お付き合いいただけると嬉しいです!

そもそも「一人両利きの経営」というのは、イノベーション関連の書籍で有名な「両利きの経営」における考え方を、自分個人に当てはめる考え方です。

自分の本業を「既存事業」、個人としての事業を「新規事業」と見立た時に、本業だけに自分の人生の時間をフルコミットするのは、あまりにもバランスが悪いポートフォリオではないか?今の会社の看板がなくなっても、自分で一定の稼ぎを作れる能力を持っている方が、老後資金を溜め込むよりも、よほどリスクヘッジになるのではないか?と考えています。

で、私なりに「会社の看板を使わない個人事業」=「弱者の戦略」に立った時に、具体的にどのようなマーケットで何が価値として提供できるのか、を考えてみました(詳細はこちら↓)。

そして、「一人両利きの経営」は、単に本業とは別に副業をすればいい、という話ではないことについて、昨日整理しました。何かのサービスに登録して、副業として別の仕事を行うだけであれば、いつでもできます。
でも、それは「自分資本の効率化」という観点では、必ずしも正解ではないケースがあると考えています。

大企業が「両利きの経営」の舵取りをするときに強力なリーダーシップとマネジメント能力が必要なように、個人における「両利きの経営」にも、力強いセルフコントロールが必要だと理解してきました。
別に難しいことではないのですが、注意しないとただ忙しくなって疲弊するだけなので、よく気にしておく必要があります。
今日は、そんな注意点について、主に2つの考え方をご紹介します。


忘れてはいけない「資本効率」

昨日の記事にコメントをいただいてさらに思考を深めることができたのですが、ただの副業を分散的に行うだけでは、「自分資本」の時間が分散して消化されていくだけで、なかなかレバレッジをかけることができません。

いわゆる「資本効率」とは、企業が株主や銀行から調達したお金を使い、どれだけ効率的に稼げているかを示す概念となりますが、これを個人の「資本効率」と捉えた時には、「自分のお金や能力や時間を使って、どれだけ効果的に稼ぐか(=収入を上げていくか)」という視点が必要です。

特に貴重なのは、時間資本です。
1日あたりの時間は誰もが24時間で、寿命も伸びたと言っても100年。この有限な人生の時間の中で、いかに自分で自分の人生の手綱を握って、ポジティブな時間の割合を増やしていくか、というのが、人生経営の目的・出発点であるのに、単純に自分の収入=売上を上げることだけに集中し、その分の原価=時間を効率悪く使ってしまっては、なかなか利益率を改善していくことはできません。むしろ、必要以上のお金を得るために、一番大事な自分の時間を消費してしまうという最悪な状態に陥ります。

忘れてはならない重要な観点は、人生経営における自分自身は資本にもなり得るし、同時に人件費という名の固定費にもなっているという視点です。
以前、「固定費」についてまとめたことがありますが、ここで「固定費有効活用」の考え方を整理しています。

固定費は有効活用すれば売上に繋がりますから、いかに使いこなせるか、が大切です。
経営者視点では、月々の給料を支払わないといけない人件費も固定費なるわけですが、「従業員に気持ちよく働いてもらってドンドン成果を出してもらう」ための風土や仕組み作りというのは、固定費有効活用そのものとも言えます。

「#285 固定費に縛られない生き方」より引用

固定費は放っておけばただの費用ですが、追加の固定費を作ることなく、つまり追加でできるだけ時間を使うことなく、売上を作る視点が大切ということです。
「一人両利きの経営」の概念に当てはめてより具体的に言えば、「できるだけ本業で得られる知識やスキルをそのまま活用することで、個人事業側を成立させられることが大切」ということです。

もちろん、自分が好きだから、とか得意だから、で本業とは全く別のことを個人事業として成立する道も十分にありますし、それが「好きだからそこに使う時間は全くポジティブなものである」場合は、ドンドンやっても良いと思います。
しかし、ただ闇雲に色々と手を出してしまって、個人事業側を成立させるために、また新たな別のスキルを習得しないといけない(例:とある資格が必要だから、そのための勉強を一から始めないといけない)とすると、本当にその選択肢は筋がいいのか?本当にやりたいことなのか?を自分に問わないと、時間を投下する割には、自分が望む生き方とは遠ざかってしまう可能性があるため、注意が必要です。

だから、本業で身につけたスキルや経験をそのまま活かして、別の自分の個人事業を成立させ、(事業のための準備ではなく)事業そのものから、本業では得られない人間関係やスキルを得られる状態を作り、次は個人事業側から得られた経験やスキルを本業側に還流させてさらにレバレッジを効かせる、という全体設計が必要だと考えています。

「一人過剰品質」には要注意!

もう一つの注意点は、「クオリティコントロール」です。

先日スタエフの方でも話したのですが、本業でも個人事業でも「過剰品質」に陥らないようにするのが、とても大切

大抵の仕事は、時間が来れば終わりを迎えるわけですが、やればやるほど品質が上がる仕事ってありますよね。
もちろん、合格点が得られるところまでは、一気に品質を上げていかないといけないわけですが、合格点を超えたところからさらに品質を上げるとなると、かける労力の割に品質が上がりにくくなります。

80点取るところまでは一気にいけるけど、そこから100点を取るには、80点を取るのにかける時間や労力よりも、より多くをかけないといけないのが常です。

「一人両利きの経営」における弱点は、ただでさえ個人の時間は限定されているのに、+αにストレッチしていくのがベースの発想なので、さらに時間が限られているということです。

そんな中、すでに合格点は取れている仕事に対して必要以上にこだわって、本業では沢山残業もして・・・では、全く成立できません。

私は、普段管理職業務の一環で「チーム時短」に力を入れていますが、本業の仕事の時間を最小化する最大の目的は、人生の中で自分で自由に使える時間を創出して、自分も配下のメンバーもワクワクすることに時間投資できるようにすることです。

本業一本であっても、言い方は悪いですが「自己満足」だと感じる仕事って周りに溢れていると思いませんか?
「そこにこだわって誰が幸せになるの?」みたいな話。もっと本質的な議論が必要なのに、自分が指摘しやすい誰かの欠点だけ指摘しているような、全く付加価値を生まない人たち。

本業では、こういう人たちと付き合う時間をできるだけ最小化し、社内マーケットインの思考で、自分に求められる成果を十分に理解するところが出発点です。

それを達成したところで誰も喜ばない価値の低い仕事に割く時間を捨てて、生産的な活動に使える余剰時間を作り出さないと、ただ忙しくなるだけで、本来の目的である「人生をワクワク面白がるための人生経営」からは逆に遠ざかってしまうので、自分自身に対する力強いリーダーシップとマネジメントが求められます。

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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