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#327 マネジメント最大の敵は「モヤモヤ」。モヤらせないことに一点集中し、コミュニケーション摩擦を最小化しよう

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

昨日からお届けしているマネジメントポリシーに関する記事の続編です。

今日も、沢渡あまねさんの「マネージャーの問題地図」を参照しながら、何かと文句言われがちな管理職のマネジメント行動について、自分の考えや実体験も織り交ぜながら筆を進めたいと思います。


組織の最大の敵は「モヤモヤ」

とにもかくにも、組織の最大の敵は「モヤモヤ」です。
組織のメンバーがモヤモヤを感じる時、チームの生産性とモチベーションを下げてしまいます。

無駄な忖度、手戻り、準備不足、過剰サービス、指示待ち、やらされ感、帰れない・・・などなど、メンバーが感じるネガティブな感情や、それに伴って生じるパフォーマンスを阻害する影響は、「モヤモヤ」が原因となっていることが多いようです。

「モヤモヤ」の結果として、様々なエラーの形で見えてくるため、「どこから手をつけて良いのか・・」と途方に暮れてしまいがちなのですが、マネジメントとしての最初の行動としては、「目的を明確にする」というのが第一歩になるとのこと。

忖度や手戻りが発生するのは、メンバー側が「このチームは、何に価値観と優先順位を置いて仕事に取り組むのか」がよく分かっていないということです。
だから、マネジメントサイドが「こういうところはしっかり抑えるべし、でもここは重要でないから省くべし」というメッセージを普段から明確に伝えておくことで、メンバー側は動きやすくなります。

例えば、よくある話の一つとして「とある会議体の質疑応答のために、聴かれるかどうか分からない想定質疑応答のために、何枚にも渡る参考資料を添付し、その準備に多くの時間を使っている」ようなケース。
現実的には100%綺麗にいくことはないものの、予めマネジメント側からの期待事項や決裁基準が明確になっていれば、メンバー側が準備する資料の枚数が多少減らせるかもしれません。
付議資料は3枚まででとか、最初の1枚のサマリーで要点はまとめて置く等、付議される側が「こういう形で持ってきて欲しい」というのを明確に伝えておくだけで、多少の社内向け資料の作成稼働を抑えることにも繋がりそうです。

チームのビジョンや大切にしたいバリューを作るのも、それに近い話ですね。以前、バリューは設定して終わりではなく、チーム内におけるバリューの発揮度をお互いに見える形、評価する形を設計すると、日々の具体的な行動が変わる、という趣旨の記事を書きました。

チームのビジョンやバリューを設定する実利的なメリットは、自分たちが何を目指すのか、日々の仕事で何を優先するのか、何が削っていい無駄で、何に力をかけるべきか、を考えられるようになるということです。

情報をタイムリーに共有すること

社内外問わず、「モヤモヤ」が生じやすいシーンの一つは、情報共有が足りないと感じる時です。
私も普段の業務の中で、メンバーが仕事をお願いしている協力会社さんの人に対して、情報をタイムリーに伝えながら仕事を進めているかどうかをかなり気にしているのは、「仕事をお願いされた側が、その仕事に関する情報がタイムリーに入ってこない」というのは、非常にストレスがかかると感じているためです。

情報がタイムリーに共有されるだけで、「自分は大事にされている」という気持ちを強め、「アサインされた仕事の期待値にしっかり返そう」という気持ちになります。逆に振られた仕事に関する情報共有が遅く、「この件は、こういう感じで考えたのですが・・・」と話を持っていった時に、「ごめん、その件は1週間前にお客さんからこのように方針転換したいという相談がありました」みたいな返答があると、「何でそれをその仕事を担当している自分に早く伝えないんだ」と不信感が生まれ、とても協力する気を無くしてしまうのは想像しやすいですよね。

「情報をタイムリーに共有する」というのは、誰でもできることなのに、マネージャーからメンバー、あるいは、自分から社外の人に仕事をお願いする、というあらゆる場面において、意外とその重要性を軽視する人が多く、現場に多くの「モヤモヤ」を発生させている原因だと捉えています。

最新の情報がない状態で、色々と中であーでもない、こーでもないと考えている時間は手戻りの温床です。仕事をお願いした相手に対する最新情報の共有は「即時」が鉄則。1日以上寝かしてしまうだけでも、協力してもらう相手は「やらされ感」を感じ、やる気に影響してしまうことを肝に銘じておいた方が良いと考えます。

ほとんどのモヤモヤは「情報の非対称性」が原因

自分が管理職になる前に、先輩社員がよく言っていた管理職の良さの一つに「あらゆる情報が入ってくるようになること」ということがあります。
実際に管理職の立場になり、確かに入ってくる情報の量は増えたものの、私はそれを「管理職の良さ」などでは決してなく、「単なる組織におけるエラー」だと捉えました。

確かに人事情報や重要な会社の意思決定など、情報統制をかけるべきセンシティブな情報は一部にはありますが、私が感じていることはほとんどの情報はメンバーにもタイムリーに流すべき情報だと感じています。

実際に、他社の先輩から聞いたのは、その会社では経営会議での議論事項が、ほぼタイムリーに社員まで伝わるような仕組みになっているということで、会社の経営層が取り上げている課題がリアルタイムで全社で把握できるようになっているという話です。

それは規模が大きくなると難しいでしょ、という反論も聞こえてきそうですが、その会社はいわゆる大企業で、日本に住んでいるほぼ全ての人が聞いたことがある企業だと思います。そんな規模の大きな組織でも、経営層が今まさに議論しているトピックが1日以内には社員全体が知れるようになっています。

だから、社員の方は、自分たちが担当している業務においても、組織における優先順位や価値観を踏まえた意思決定ができるようになり、組織のあらゆるところで無駄な忖度によって生じるオーバーヘッドを減らしていくことができるのです。

自分が管理職になる前は、「管理職ミーティング」で話している内容は、どんなに崇高な話をしているのだろう?と感じていましたが、蓋を開けてみると、ほとんどのトピックはメンバーとも共有した方が良い話で、妄想で勝手に崇高な話、という幻想を抱いていただけだと気付きました。

微妙な管理職は、この「情報の非対称性」を利用してマウントを取ってきたりするだけですから、とにかくマネジメントサイドとしては「必要な情報が、必要な人たちにどれくらいタイムリーに入るようになっているか」に気を配ることが大事。

別にマネジメントの立場になくても、自分が誰かの協力を得ながら仕事を進めることも多いと思いますが、この点に特に気を配るだけで「モヤモヤ」を軽減し、社内外問わず一体感が生まれ、より協力的な関係性を築きながら、成果を出していけるものと感じています。

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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