TONIGHT
2019.5.12 sun
魂疾走
@下北沢REG
この日、UPPERは復活を果たした。
”この夜だけは、絶対に譲れない”
そんな想いをずっと抱いていた。
決戦前夜、俺は全く眠れなかった。
タバコ一本吸う間でさえ、じっとしている事が出来ず、近くの公園を何周も歩いた。
緊張とは違う。
完璧な武者震い。
自然と動くピッキングの動作と、繰り返す深呼吸。
あまりの興奮に、足に彫ってある龍が、腿をつたって登って来そうな気がした。
ステージからのフロアの景色は全くイメージしなかった。
それは少しだけ不安があったからかもしれない。
だけどそんな不安さえ、アドレナリンが打ち砕いていく。
'絶対に譲らない"
当日、俺は対バンの誰よりも早く下北沢にいたと思う。
つまるところ、全く眠れなかったってこと。
昨年の5.11、大阪でTAKUYA(SPREAD)さんに宣戦布告と言う名の打ち明けをしてからの事、気持ちは常に真っ赤に燃えていた。
言葉にした事で動きだした状況。
俺とTAKUYAさんとの間で交わした言葉が圧縮されて解放されて、そんな風圧に背中押されて毎日を過ごして来たんだから、キツい事もたくさんあったにも関わらず、負けずに進んで来れたんだ。
そりゃ、譲れるわけないだろ。
当日、14:00、REGには対バンやクルー、会場スタッフが揃い始める。
リハーサルやら物販やら賑やかになっていく会場。
そして迫ってくる時間。
俺はステージ脇と楽屋と通路を行ったり来たり。
結局ステージ脇へ。
ひたすらアドレナリンを抑え込む。
龍はまだ脚にまとわりついたまま、そこにいてくれていた(当然かw)。
一旦ステージ脇を離れ、メンバーと意識確認。
「チューニングが狂おうと、そのまま突っ走ろう。」
「弦が切れようと関係ない、そのままやっちまおう。」
「何が起ころうと前進、ぶち込んでやろうぜ」
「MCなんかするわけがない。ノンストップでひたすらぶち込もうぜ」
そしてスタッフが呼びに来てくれた。
いよいよステージへ。
この日の俺のアンプの設定は、うまくいっていなかった。
だけど一つだけうまくいった内容といえば、迷わずマスターボリュームをマックスまで回せたこと。
この時点で今夜は理屈じゃなかったって事だったんだよね。
このメンバーでのスタジオリハはたったの2回。
それでいいんだよ。
この日は気持ちでぶつかる日だったからね。
俺たちと、フロアのみんなの空白の10年を埋めるのは、演奏技術じゃなくて、ただただ気持ちの在り方だったから。
PAに合図を出す。
落ちていくBGM。
MORIOがスティックを振り上げる。
10年目の最初の音。
FALLのど頭、思いっきり鳴らしてやったぜ。
そして、、、、
実はさ、そこから先を俺はここに書けない。
これはカッコつけてるわけでも何でもないんだけど、
ここから先の俺の記憶がまるでない。
最後のKEEP AGGRESSIVEが終わり、誰かがフロアから飛ばした、「10年待ったぞ!」って言葉で、俺は我に戻った気がした。
怖いくらいに集中してたんだと思う。
ただただあっという間の25分間だった。
その後、カメラクルーから送られて来た写真や動画を見て何となく思い出しながら、この夜がいかに自分にとって大きいものだったかを感じた。
そして何よりも、映像から見たみんなの反応や叫びに、俺が涙を流してしまったのは言うまでもない。
泣けた。
写真や動画はUPPERのWeb siteやYoutubeにupしていくけど、ここにも一部アップしとくね。
迷走、混沌、足掻きまくった数々の夜が、たったの一夜の25分で完結した。
全部ステージに置いてきた。
こっから先は進んでいくのみ。
10年待ってくれてサンキュー。
楽しみにしててくれてサンキュー。
また色んな感情ぶつけにきてよ。
いくらでも受け止めるし、いくらでも吐き出してやるからさ。
漠然としたものでもいいよ。
胸に秘めて、またやろうよ。
押忍!
special thanx to
SPREAD
OVER ARM THROW
THE DISASTER POINTS
all crew
下北沢REG
suke
pesuke
tezuka
masashi
ryuzi
最高のメンバー
Kosuke guiter
Morio drums
親愛なるイカれた全てのオーディエンス、未来の俺らの仲間、そして今まで支えてくれた仲間に捧ぐ。
2019.5.16 Yuya sekimoto