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学びのシェア No.1 ~自分のことは自分で決める~

Moi!

今週からついにフィンランドの小学校での視察が始まりました!


自分がお世話になる小学校はトゥルクという町にあります。

トゥルクはフィンランドの旧都で、日本でいう京都みたいな立ち位置。大きなショッピングモールがあったと思ったら、そのすぐ側には歴史的な建物があったり、博物館や美術館があったり、一週間散策しても全然足りません笑

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(町の中心地から歩いて5分で現れるトゥルク大聖堂)


そして、このトゥルクの中心地から少し離れたところにある小学校に3ヵ月間通います。

まずは初めの1週間、慣れないことばかりでしたが、何とかやり切りました!


と言うことで、学びのシェア第一弾です!!





え、そんなに自由なの...?

はじめてその光景を見たのは5年生のMusiikkiという音楽の授業の時。


授業の初め、先生が子供たちに、その授業で扱う内容を説明し、その後で彼らに課題を伝えます。

今回の課題はipadのピアノアプリで、簡単な演奏の練習をすること。(実はトゥルクの小学生は3年生になると1人1台ipadが支給されて、ありとあらゆる授業で活用されているんです。これについてはまた機会があれば、、、)


すると先生の説明が終わるや否や、子どもたちの内の数人が教室を飛び出していったのです。


「え、連れ戻さなきゃ!」


という自分の思いとは裏腹に、先生は特に追ったりはしません。


なんと、子供たちは個人ワークをするとき、教室の近くであればどこで取り組んでもいいのです。

廊下で練習する子。

教室横の倉庫の隅っこで練習する子。

もちろん、教室の自分の席で練習する子も。


そして取り組み方も自由。

1人でヘッドフォンをして練習するもよし、友達と練習するもよし。

イスにすわってもよし。

床に座ってもよし。

その上、こんな道具まで、、、

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この赤いやつと緑のやつ、座ればどこでも机になるすぐれもの。笑


そんなこんなで、子供たちは自由に、すきな場所で好きなように課題に取り組んでいるのです。


先生はと言うと、教室や廊下を行ったり来たりしながら、うまくできない子にサポートをしたり、ipadで遊んでいる子に注意したり、、、





こんなに自由じゃ、子供たちは課題に集中できないんじゃない??

そんな様子をみて、自由でいいなあと思う反面、

「ほんとに集中できるのかな?」

「ipad持たせて好きなとこ行かせたらipadで遊んじゃうでしょ?」

と思ってしまいます。


事実、ipadのカメラで遊んでいる子や、ピアノではなくドラムで遊んでいる子、ただ友達と談笑している子も。


と、同時に、かなり集中して取り組めている子も

やはり、雑音が気になって集中できない子や、逆に静かすぎると取り組みにくい子にとっては、自分で場所を決められるのは効果的なようです。


ただやっぱり気になるのは、自由すぎて遊んでいる子たち。それでいいのか...?





自分の行動に責任を持ってほしい

当然、先生も子供たちが遊んでいることには気づいていました。

その上で「なぜ課題に取り組む場所や方法を自由にしているんですか?」と聞いてみました。


すると、主に2つの理由を教えてくれました。


1つ目は「集中できるから」

これは、自分の目にも見えていた通り、子どもによって集中しやすい環境が異なるからということです。

静かな環境が適している子、他の子に教えてもらいながらやった方がはかどる子などなど。もちろんこれには納得です。



そして2つ目は「子どもが自分の行動に責任をもってほしいから」

つまり、子どもが自分の行動を人にゆだねるのではなく、自分の意思で自分の行動を決めてほしいからなのだそうです。

だから、先生はその機会を授業の中にたくさん散りばめているのです。


そして先生は、「子供たちが自分で決めた行動を、たとえそれがこちらの意図した行動とは違っても、受け入れようとする姿勢が大事だ」とも。


その根底には、

子供たちへの信頼

があるのだと語ってくれました。



子どもの自己決定教師の受け入れる姿勢。

その根底にある子どもへの信頼。


とっても素敵だなあ笑

個人的には、自分は小学生の頃、先生に指示されたことばかりやっていたし、周りの人に合わせて動くことも多かったです。そのためか、いまだに自分で自分の行動を決めるのが苦手です。でも同時に、自分の行動、さらには人生を自分で積極的に決めている人を見るとかっこいいなあと思います。

そんな自己決定を「促し」、「認める」。

自分はすごく素敵だなあと思います。



(ただ、ここで誤解のないように付け足しておきますが、この先生のクラスでは、常にこのように自由なスタイルをとっているわけではないようです。目的によって、必ず個人で自分の机で課題に取り組むよう指示することもあれば、逆に必ず誰かとペアを組んで協力しながら取り組むよう指示することもあります。それに、あちこちで子供たちが課題に取り組んでいる中でも、先生は歩いて見て回りながら、適宜指示をしたり、サポートしたりもします。)





実はこれはフィンランド全体としての風潮?

今回はMusiikkiの先生の指導スタイルとして紹介しましたが、どうやらこれはその先生に限ったものではないようです。

と言うのも、フィンランドでは、国としての教育改革が近年進んでいて、今回のような自由に課題に取り組むスタイルはフィンランドのあちこちで推奨され、ここ数年の間でこの学校にも浸透してきたようです。

それゆえ、程度は違えど、他の先生の授業でも同様な取り組みが見られました。それに、例の赤と緑のひみつ道具が各教室にあるのもその証拠です。

同じトゥルク市にあるより新しい学校では、さらに自由なスタイルで子供たちが学んでいるところもあるそうです。





まだまだ始まったばかり!

こんな感じで、今回はMusiikkiのクラスでの子供たちの様子と、先生の考えについて紹介してきました。

とはいえ、フィンランドの学校での学びはまだまだ始まったばかり

また来週は、フィンランド語を学びつつ、インタビューを始めつつ、新しいことにもチャレンジしていきます!


もし何か見てきてほしいこと、聞いてきてほしいこと、意見、感想などあれば、どんどんください!

ということで、以上、学びのシェア第1弾でした!

ではまた来週!


Hyvää viikonloppua!  Have a nice weekend!





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