2019年ヴィッセル神戸
今季のヴィッセル神戸。リージョ監督に始まり、吉田監督がひとまず後を継ぎ、現在はフィンク監督。リージョ監督が辞任したのは本当に残念でした。相手を引き付けてからリリース。最終ラインに1人の数的優位を作り、DF、MF、FWの列ごとに攻略など。今まで聞いたことがあるフレーズでテンポ良くボール回せ、距離感!、ゴールから逆算しろ。など、どれだけ簡易すぎでサッカーを甘く且つ間違えて解釈していたことか。神戸も今までポゼッションサッカーを掲げてこられた監督が何人かいましたが、それらの監督とは全く中身の違う、これが本場のサッカーなんだとリージョ監督からは学びの連続でした。
吉田監督になって、せっかくリージョ監督から学んだ事を放棄するようなサッカーをして、しかも成績も良くなく、当然のことながら監督交代。今のフィンク監督に至ります。
フィンク監督になってからは、またリージョ監督の教えを基にチームを再構築しました。もちろんフィンク監督の教えもあるのでしょうが、チームにイニエスタやビジャ、サンペール、フェルマーレンらバルサDNAを持っている選手、又は経験した選手の存在が何より大きいはずです。そしてフィンク監督は持ち駒たっぷりのチームをどうピッチに並べようかと考えた結果が3142という陣形になりました。すごく理に適っていると思います。まず、イニエスタを最大限に発揮させたい。その為にはアンカーにサンペール。でもそれでは守備が不安。なので3バック。そしてフェルマーレンと酒井高徳を獲得し、イニエスタを全力バックアップ。山口蛍も本職の位置に入ることで良さが最大限に発揮されるようになりました。古橋もサイドではなく2トップになることで、得意のハーフスペース(大外レーンと中央レーンの間のレーン)でのプレーが可能に。3142にすることにより、選手各々に相互作用が生まれチームが良い方向に向かっているように思います。もちろん、シーズン終了まで3142でいくかは今の段階では分かりませんが、とりあえず3142で落ち着きそうです。このように、まずは幹になるものを作り、そこから徐々に手を加えて枝葉を作っていく。チーム作りの基本ですが、フィンク監督は上手くやっているように思います。そして、リージョ監督の教えもしっかり落とし込んでいるので毎試合が学びの場でもあるのが本当に有難いですね。
今週の試合も楽しみです。