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ヴィッセル神戸vsサガン鳥栖

遅くなりましたが、いよいよJリーグが開幕しました。僕は海外サッカーもよく見ますが、Jリーグはまたそれとは別のワクワク感があります。なくてはならないものと言うのでしょうか。最高の週末になるか、最悪の週末になるか。それぐらいの熱量でJリーグを観ている人もたくさんいると思います。

神戸の開幕戦のセレッソ戦は大阪の長居まで足を運び現地で観戦しました。名将監督対決ということもあり凄く楽しみにしていたのですが、やはり期待通りのハイレベルな試合になりました。ヴィッセルが負けはしましたが、勉強にもなったナイスゲームでした。僕は現地観戦する時もテレビ観戦する時も、いつからか監督目線で試合を観るようになりました。両チームがどういう意図を持ってこの試合に臨み、実際にピッチの中でどういう事象が起きているのか。必ずそこを観ます。そこを観ないと本当のサッカーを観ているとは言えないと僕は思っています。

そして、そんな中で迎えたホーム開幕戦のサガン鳥栖戦。リージョ監督は前節のイニエスタ偽9番の433から変更し、ビジャを最前線に置き、イニエスタをトップ下に置く4231。一方の鳥栖は4411。鳥栖は前節3142でしたが、4411に変えてきたのは神戸の433を想定し、トップ下を置くことにより、神戸のアンカーに自由にさせないようにシステムを噛み合わせてきました。が、リージョ監督が選んだのは433ではなく4231。試合前から試合は始まっているのです。この時点で神戸が既に優位性を持って試合に臨めています。


開始直後の両チームの配置です。まず🔵の所を見てください。鳥栖は1トップなのに対して神戸は2CBなので2vs1の数的優位でビルドアップを開始しています。開幕戦も相手が541でブロックを敷いて守備をしてきていて、その時に山口選手がCB間に降りたりCBに降りたり常にしていました。あれは日本サッカーの良くない癖です。日本はボールホルダーにすぐ寄ります。相手が1トップなのに対して2CBで1枚多く数的優位でビルドアップできるはずなのに、わざわざ中盤の選手が降りてくる必要がありません。相手がもし2トップでこちらが2CBの場合は3vs2の数的優位を作るために降りた方がいいですが。そして、数的優位でビルドアップするということは、仮にボールを失ったとしても数的優位か最悪でも数的同数で相手のカウンターに対応できます。このように、サッカーは相手を見ることが重要です。相手ありきのスポーツなのです。それをリージョ監督が山口選手に伝えたのかは分かりませんが(おそらく、というか絶対伝えてると僕は思います)、鳥栖戦は最終ラインに降りることはほぼありませんでした。このようにリージョ監督によって矯正されていけば山口選手は必ず日本代表に復帰すると思います。そして次に🔴を見てください。鳥栖のトップ下の松岡選手が神戸のアンカーの選手を見る役目で準備していたはずが、神戸にアンカーの選手がいないのでダブルボランチの片側の山口選手とマンツーマンデートしています。これは試合開始から試合終了まで永遠に続きました。ただ、ここでシステムの噛み合わせが良くないのが、⚫️の神戸のダブルボランチのもう片側の三田選手が常にフリーになります。そして、三田選手に遅れて鳥栖のダブルボランチの片側の選手が寄せにいくと、もともといたその選手の背後にスペースができ、イニエスタ選手やポドルスキ選手らに使われる現象が起きていました。この時点でも神戸の優位性が生まれているのがわかると思います。

これがその現象です。左CBの大崎選手から三田選手にボールが渡る瞬間に鳥栖のボランチの高橋義希選手は三田選手に寄せにいきます。その時に、🔵のスペースにイニエスタ選手やポドルスキ選手があえて止まって、鳥栖のDFラインとMFラインのライン間でボールを受けれる位置に立ちます。僕はこれを何度も言っていますしこれからも言い続けますが、サッカーにおいて「止まる」ことはとても重要です。動けばいいという単純なスポーツではありません。がむしゃらに全力で走るのは頑張ってるように見えて、実はただ思考停止してサッカーをしているだけなのです。考えることをサボっているのです。この重要性は育成年代で伝えないといけません。

この場面も山口選手や三田選手がボールホルダーに近寄らずにCB脇に降りたりしないことで、CBがドリブルで運ぶスペースを作っています。CB脇に降りるとそこにはもちろん味方がいて、それと同時に相手も引き寄せてしまうことになるので、ドリブルで運ぶスペースもなければ、最終ラインで生まれていた数的優位の優位性が消されてしまいます。ボールホルダーに寄らない、ボールホルダーから離れるのは凄く重要です。この試合の前半だけでダンクレー選手から素晴らしい縦パスが3本ありました。ダンクレー選手これからも楽しみです。素晴らしい選手が神戸に加わってくれました。そしてそして、バルサに所属していたサンペール選手も電撃加入。ますます楽しみですね。まずは明日のベガルタ戦。ベガルタの渡邉監督も海外に足を運んで海外サッカーを勉強して、ポジショナルプレーを落とし込んでいるので楽しみです!

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